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防災インタビューVol.151

災害時のトイレ ~事前に準備、しっかり防災~

放送月:2018年4月
公開月:2018年10月

新妻 普宣 氏

株式会社 総合サービス
代表取締役

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

住民のアンケートと実際の備え

ちょっと皆さんには耳の痛い数字かもしれませんが、横浜で災害時のトイレの備蓄をどれぐらいしているかという備蓄率の話をしたいと思います。

横浜市が昔アンケートしたものを引用させていただきますが、有事の際に避難所で生活したときに最も充実してほしいものについて、何をしてほしいかということを市民にアンケートで聞きました。まずすぐ皆さんも思いつくと思いますが、「食べ物と飲料水の提供」というのが90.5%で、ほぼ全員です。当たり前だと思いますが、まず避難所に行ったら、食べ物と飲み物が欲しいということで、90%以上の方がそう思っています。そのアンケートの中で横浜市が聞いていたのが、非常に先進的なのですがトイレのことです。86.7%の方が、やはりトイレを充実させてほしいと答えていました。

しかしながら、その反面、食べ物と飲み物を自宅で備蓄している人はどれくらいいるかと聞いたら、30.5%の人しかいませんでした。耳が痛い話だと言いましたが、要望では約90%の人が「食べ物、飲み物を備蓄してほしい」と行政に対しては思っているのに、実際には、自分自身では30%しか備蓄をしていなかったということです。災害用の携帯トイレについては、さらに悲しいことに、10.8%しか備蓄していませんでした。10人に1人です。今災害が起きると、10人に9人がトイレで困ってしまうことになります。これを機会に、災害トイレを自宅でどうすべきかということについて、ぜひ家族会議を開いて、要望と実際の差を埋めていただきたいと思います。

私たちメーカーが言うとなかなか微妙なニュアンスになるかもしれませんが、あえて客観的に言うと、やはりトイレは我慢ができないものです。それにもかかわらず、発災した後に一番抜け落ちているというか、対策で一番遅れているのはトイレの問題です。そして過去の震災がそれを物語っているので、皆さんの自宅でも、まず最低3日から1週間分は何らかの形でトイレを備えていただきたいと思います。

マンホールトイレ設置の7ヶ条

災害時のトイレの4つの方式をお伝えしましたが、自宅でできる簡便な方法は携帯トイレと簡易トイレです。3つ目のマンホールトイレ、4つ目の仮設トイレを自宅で整備できるならばそれはすごいことで、災害トイレとしては完璧です。しかしながらマンホールトイレと仮設トイレに関しては、マンションでしたら、マンション管理組合で敷地内に共同で共助の方法として整備をされることをお勧めしたいと思います。

この「マンホールトイレ」について国土交通省が、マンホールトイレを整備、運営するにあたっての7カ条を定めていますので、3つの時系列に沿って説明させていただきます。
まずマンションや町会でマンホールトイレを整備しようとした場合、整備計画の7カ条、避難生活になって避難所を開設した時の運用の際の7カ条、さらに避難所の開設後の運用の際の7カ条というように、それぞれの7カ条が時系列で作られています。

まずは整備計画の7カ条です。「トイレは人目に付きやすい場所に設置する」。これは人目に付きやすい所でないと危ないということを言っているわけです。特に女性の方のために、トイレは犯罪が起きやすい場所であり、避難所で犯罪が起きないように、特に気を付けていただきたいというわけです。2番目が「車いす用の広いトイレは避難所に近い場所に必ず設置してください」。いわゆる要援護者、車いすの方も使えるようなトイレが必要だということを言っているわけです。

次が「アクセスの障害がないように」ということで、これも車いすに関することです。4番目が「雨風に耐えられるもの」ということで、屋外にあるので当然のことです。次が「照明」、これも普段は当たり前ですけれど、災害時は照明がなければ困りますし、照明によってシルエットが見えてしまわないようなマンホールトイレが必要だ、建屋が必要だと言っています。あとは「オストミーなどの人工肛門の方のためや、おむつ交換用、赤ちゃんのためのもの」ということも考えないといけません。最後は、「そういうものをきちんと日常から訓練して使ってください」と、国は言っています。

次の避難所の設置についての7カ条も同じようなことですが、1番目が、「女性用を考えなさい」。次が「動線」、トイレまでの防犯を考えた動線を考えなさいということです。そして、「トイレブースに関しては鍵が出来るように」ということで、普段は当たり前ですが、災害時は特に鍵がないと女性が危ないということです。次も同じですが、「照明が必要」ということです。さらに「段差と障害がないようにしてください」「トイレットペーパーを置ける棚や女性の生理用品とかサニタリーボックスも設置するように」と言っています。後は、「終わった後に手洗いが出来る場所もちゃんと頑張って、つけないといけない」ということです。「頑張って」という言い方は変ですけれど、そこまで考えなければいけないということです。

最後は開設後の運用です。ここもやはり実際に災害が起きてから避難生活をしている時のイメージになると思います。再三ですけれど、犯罪防止のためにトイレはやはり隠れる場所になりますから、「犯罪防止のことも考えた予想が必要です」ということ。次が「トイレを待っている間に雨風や日差しを避けるようなスペースも配慮しないと、シニアの方、お子さんの場合熱射病になってしまう」ということで、これも起きてみないと分からないようなことです。3番目が、「『我慢しないようにしてください』と皆で声を掛けましょう」と言っています。整備計画なのにソフトの話もしています。これも結構トイレでは重要なところです。過去にも皆我慢している人が多かったということで指示されています。次が「手洗いをしてください」ということで、インフルエンザとか、特に冬の場合には感染症の元がトイレと言われていますので、手洗いをすることも重要です。次は、「清掃をきちんとしましょう。用具を整備しましょう」ということです。最後は「女性やシニアなどの要援護者のためのトイレをマンホールでも考えましょう」というふうに、国は7カ条を定めていますので、これは結構ヒントになると思います。もう一度皆さんの方でもご留意いただきたいポイントになります。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。