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防災インタビュー

地域防災を考えるプログラム「サロン・ド・防災」共同企画

vol.
559
あなたにもできる 災害ボランティア [その3]

2017年6月

辛嶋 友香里氏 一般社団法人 ピースボート災害ボランティアセンター スタッフ

ボランティアの視点からみた課題と解決策

今日本の災害対応の仕組みとして、自助、共助、公助というような言葉をよく耳にするかと思いますが、公的支援の中で、消防、警察、自衛隊、行政の方は、もう本当に寝る間も惜しんで、家族が被災しているかもしれないという状況の中で、ものすごく頑張られているのですが、どうしてもその公助だけでは補えない部分が出てきてしまっているのが現状です。私たちのようなNPOやNGOの災害支援を行う団体、もしくはボランティアなしでは日本の災害支援は成り立たないというふうに、今国が認め始めていて、そのためにはやはり一人一人の知識や経験が大きく役立っていくと考えられています。

災害ボランティアは、1995年の阪神淡路大震災の時から活動が始まり、「災害ボランティア元年」と呼ばれました。2004年の新潟中越沖地震の時には災害ボランティアセンターが設置されました。今まで企業というのは、そこのリソースを活用して資金の提供や物の提供をするというのが多かったのですが、2011年の東日本大震災からは、災害ボランティアとして、社員をボランティアに出すというようなことも増え、「企業ボランティア元年」と呼ばれました。このようにボランティアの活動の歴史ができてきて、活動環境も整備されつつあります。そのような中で、やはりポイントとしては公的支援と民間支援が連携して、支援を受け入れていく、それから受け入れる側の自治体が主体になって一緒に被害を軽減していくというような減災の取り組みも非常に大事だと思っています。

「支援の段階」 ~緊急期・復旧期・復興期~

避難所に避難している方たちにとって、3つの「支援の段階」があり、その時期によって、どういうことが起こり得るのかというのは変わってきます。まず「緊急期」で言うと、やはり食べ物がない、衣服がない、情報がないというような、生活していく中での困難があります。そして「復旧期」になると家に帰れない、教育の問題、あるいは生活費の不足などが起こってきます。そして「復興期」になると、仕事がなかったり、家族や友人を亡くして孤独であったり、孤立したりということで、生きがいを失ってしまったり、さまざまな問題が起こってきます。

やはり私たち団体としても、支援を行う際に一番大事にしているのは、被災者の状況や被災者の立場に立って支援をするということです。支援をしたりボランティアをしたりする際には、「何かしたい」という思いがあるので、どうしても殺気立ってしまうこともありますが、まず住民の方たちの立場に立って行っていくというのがとても大事なことだと思います。

東日本大震災の時には、災害が大規模だったこともありますが、そもそも想定していた避難所運営の場所が失われてしまったり、指示系統や連絡系統の機能が駄目になってしまったり、運営ノウハウが足りなかったり、ものすごい数の個人のボランティアが来てしまったりというような、運営がうまくいかなかった原因がいろいろありました。また、被害が大規模であるため、外部からの支援も本当に必要でした。被災地域では「とにかく来てほしい」という声もある一方で、阪神淡路大震災の時の教訓から、「ボランティアはまだ早いんじゃないか」「迷惑になってしまうんじゃないか」というようなちょっとネガティブな学びもある中で、実際には既にボランティアが現地に来ているので対応が間に合わないということもありました。しかしながら、「とにかく人が必要だ」ということもあって、ネガティブな思いをポジティブな学びに変えて、とにかくきちんと組織さえされていて、1人でも多くのボランティアの方に来てもらえば、1人でも多くの被災者の支援ができるんではないかというふうに考えました。そこで私たちの団体は、宮城県の石巻市を中心にまず入っていき、一方遠隔地の東京本部で「災害ボランティア説明会」を開きました。そこで現地に行く1週間前に説明を行い、ボランティア保険に入ってもらったり、安全管理の部分でセーフティーレクチャーというのを3時間以上にわたって行って、事前にチームを作って現場での負担を減らすということと、ボランティアの皆さんが自己完結できるような方法、被災者に負担を掛けないようなマナーなどをお伝えしていきました。そこから1年かけて活動をしてきましたが、さらに見えてきた課題が、「現場のボランティアリーダーの不足」ということでした。私たちの団体のスタッフのようなコーディネーターはもちろんいるのですが、ものすごく広大な範囲で、住民と一緒にコミュニケーションをとりながら、ボランティアのつなぎ役になるような現場リーダーがとても不足していました。現在は、そのようなボランティアリーダーを育てるために、定期的に、今の時期に合わせた安全管理、危機管理、被災者や被災地理解のための2日間の講習を行っています。参加される方はさまざまで、災害に関わったという方や、実際にボランティアに参加して被災地に行ったけれども本当に役に立ったのかと思っている方もいらっしゃいます。やはりボランティアの方は、その場面、場面には参加していますが、体系立って全体を見るというのはなかなか実際にはできません。そのようなことを体系立って学びたい方、被災地に行けなくてもできるボランティアを知りたい方、平時から将来に備えるために知識を身に付けたいという方などが参加してくださっています。

ピースボート災害ボランティアセンターのホームページから、「災害ボランティアリーダー」というふうに検索をかけていただければ開催要項が載っていますので、ぜひ参加していただければと思います。今後、首都直下地震や南海トラフ地震が30年以内には起こるのではないかと言われていますので、そこで学んだことを地域に持ち帰って、自分自身が強くなっていくことで、防災に生かしていっていただければと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を一部改定して掲載しています。

FM salus

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