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防災インタビューVol.113

防災 ~イメージ力で命を守る~

放送月:2015年2月
公開月:2015年9月

石井 修一 氏

司法書士 元ディズニーランド危機管理担当

プロフィール

現在は行政書士をしています。行政書士になる前は消防団を32年やっていて、途中からオリエンタルランドで防災担当として23年ほど勤め、その後に行政書士になって今に至っています。オリエンタルランドは現在の東京ディズニーリゾートの運営会社で、私が入った時は東京ディズニーランドでした。私が勤めたのは昭和57年8月19日からで、その翌年の4月15日にオープンしました。最初は「セキュリティー」という部署に配属になって、パークの中の地理関係をいろいろ調べるところから始まって、5年間たった時に防災担当の「ファイアー」という部署に異動しました。

防災は全て自前で ~ディズニーランド~

ディズニーランドでは、ウォルト・ディズニーの考えに従って、会社の方針として「セキュリティー」や「ファイアー」などの防災関係については、基本的に外注せずに自前で活動していくことになっており、東京ディズニーランドも全て社員でやるところからスタートしました。初めは皆素人ですが、勉強して資格を取って、自分たちで築き上げながら進めていきました。

まずは防災訓練、消防訓練を自分たちで覚えて、従業員にも訓練してもらうわけですが、普通に訓練をしているだけでは臨場感もありませんし、参加意識が弱くなります。そこで、会社で役に立つだけではなく、家でも役に立ち、通勤途中でも役に立つような訓練を楽しくやれるように心掛けました。例えば、訓練をやるときにも整備部に協力してもらって、実際にアトラクションを動かしながら、担当部署の人たちは避難訓練を行います。施設は複合用途になっていますので、中にはレストランやショップがあります。その人たちにゲスト役としてアトラクションに乗ってもらい、動いている最中に火災が起こって避難活動をするという訓練を行います。その際に避難した場所が次の火点現場になってしまったとしたらどうするか、そのように考えながら、マニュアルに基づいて皆で考えながら自分たちでやってみるというのを中心に、訓練を進めていきます。

ディズニーランドの防災

出来上がった施設には避難計画が必要ですので、まずそれを作り、実際にこの計画がうまく動くのかどうか検証をやります。昔は、消防署の査察が入って認定されると「適マーク」がもらえました。ディズニーランドでは、自分たちで査察まで行います。

ディズニーランドの次にはディズニーシーができ、ホテルができ、モノレールができ、イクスピアリができて、ディズニーランド単体からディズニーリゾートに広がっていきました。その時に、ディズニーランドのレビューに皆が合わせる形で、ディズニーリゾート全体で、共通の言葉で理解できるようにマニュアルを整備して消防計画を作り、消防訓練を行っていきました。

日本は地震が多い国なので、まず地震について考えました。地震については、まず物が倒れて、それが原因でけがをすることがないように、固定できるものは全て固定し、置いてはいけない所には物を置かない、避難口をふさがないなど、夜中に工事業者さんとロッカーを固定したりしながら、少しずつ順々にやっていきました。そのような中で一番衝撃を受けたのが、東京の新宿で起こったビル火災です。あれ以来、消防法が変わりましたので「パークを守ることは消防法を守ること」という位置付けで、従業員と一緒になって進めていきました。「消防の設備を整え、訓練をしっかりやれば、利益に結び付いていくのか」とよく聞かれますが、「それをやらなければ安心安全は守れない」ということがスタートになっています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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