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防災インタビューVol.106

中高生からの防災教育 ~心のレジリエンス~

放送月:2014年7月
公開月:2015年2月

深谷 純子 氏

深谷レジリエンス研究所 代表

プロフィール

現在は、深谷レジリエンス研究所の代表をしています。コンピューター関係の会社から3年前に独立して、自分の会社をつくりました。この前職のコンピューターの会社で約20年前にITの災害対策を担当し、企業のITBCPを作っていたことが、防災に入るきっかけでした。ここでは、企業を相手にしたBCPが中心だったのですが、私も家族がおり、子どもたちを置いて仕事に行っていたため、地域のこととか子どものことがとても気になっていて、そこから地域の安全や家庭の防災にも興味を持ち、独立して、もっと地域に密着した活動を行い、子どもたちの防災力を高めたいと思って活動をしています。

深谷レジリエンス研究所でもBCPには力を入れていますが、「ビジネスコーチング」にも力を入れています。会社の名前にもなっている「レジリエンス」という言葉は「回復力」「強靭な力」「復活力」という意味で、インフラや企業が強くなるだけではなくて、人も強くならないと本当のレジリエンスではないと思い、「ヒューマンレジリエンス」という意味でのコーチングや企業内研修を提供しています。現在は主にリーダーシップ研修や、個々の方が持つビジネス上の課題をコーチングによって支援するという形が多いです。

中高生向けの防災教育

私が以前からとても気になっていて、この会社をつくったときにもぜひやりたいと思っていたのが「中高生向けの防災教育」です。現在、私の子どもは1人は社会人、もう1人は大学生ですが、彼らが中高生の時に災害が起こったら大丈夫だろうかと、とても心配していました。中高生とはいえ塾や部活、遊びなどで電車を使って移動しますし、行動範囲は大人と変わりません。実際にどこにいるかを把握できていない時期もありましたし、「もし電車が止まったら帰ってこられるのだろうか?」「親が家にいないときに自分の身を守れるのだろうか?」というのが、とても気になっていました。私はこういう仕事をしていますので、折に触れ、子どもとそういうことを話す機会を設けていたのですが、それでもまだ心配でした。このような中高生に向けて防災教育を何とか根付かせたいと思い、活動を始めたところですが、これからどんどん取り組んでいきたいと思っています。

以前に、娘が通っていた高校と一緒に防災について考えたことがありました。高校では備蓄もしており、3.11の時は学校で1泊した生徒もいました。ただ、学校の備蓄というのは、1食分だったり1日分だったり学校によってばらばらですが、「自分の食料をまず確保するところから教育をしよう」ということで、先生たちと話し合って、自分の食事1食分を学校のロッカーに保管しておくという取り組みをしました。生徒は、一般的な5年保存の備蓄品を保管するのではなく、賞味期間が1年、半年と短くてもいいので、自分が食べるものを自分で保管するところから始めて、夏休みや冬休みなどの長期の休みの前に、それを皆で食べる「非常食ランチの日」を設けたらどうかと提案したことがあります。非常食というのは意外と「食べ方が分からない」とか「どんな味がするか分からない」というのがあると思います。子どもたちが自分で食べてみて、あるものは食べられるまでに1時間かかるとか、あるものはすぐ食べられるけどおいしくないとかを、実際に食べてみることで経験し、友達の非常食も味見したりして、非常時にはどういうものが食べたいかを非常食ランチの日に自分で考えることができます。休みが明けた時には「もし何かあったらこうやって食べればいんだ」「こういうものを保管しておけばいいんだ」ということを考えて、新しいものを自分で補給します。このように、まず食べるところから教育をしていきたいと思っています。

今は家族が食事を用意してくれることに慣れてしまっていますが、中高生たちも、いずれは大人になって家族を持つ年齢になると思うので、若いうちから食べ物に対する意識、備蓄に関する意識をきちんと持つためにも、実際に自分で体験できる「食の教育」を大切にしていきたいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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