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防災コラムVol.260

世界一安全な道路交通の実現を目指して~2011年交通事故状況から

公開月:2006年9月

2012年2月1日

死者数は11年連続で減少も、高齢者比率や飲酒運転事故など重い課題が

1時間54分に1人が

交通安全には何よりも相手や状況を考えた行動が重要だ

2012年1月5日、警察庁は2011年中の交通事故死者数(事故後24時間以内の確認死者数)について発表した。前年比252人減となる4,611人で、1日あたり12.63人、1時間54分に1人が亡くなっている計算となる。ちなみに2000年(9,066人)以来11年連続の減少で、近年のピークであった1992年(11,451人)から20年弱で約6割減少したこととなる。
「交通戦争」なることばも生んだ、高度経済成長末期の1970年には史上最悪の16,765人にのぼった交通事故死者数だが、同年制定された交通対策基本法に基づく8次に渡る交通安全基本計画により、こと近年では漸減傾向が続いている。さらに昨年3月には第9次交通安全基本計画を決定、世界一安全な道路交通の実現を目指し、2015年までに交通事故死者数3,000人以下・死傷者数70万人以下を目標としている。その効果もあって、2011年の交通事故件数は34,866件減の690,907件で、1992年以来となる70万件台以下になった。負傷者数も44,114人減の852,094人と1994年以来の90万人台以下となっている(2011年の発生件数及び負傷者数は概数)。

高止まりの高齢者比率が都道府県別データにも影響

都道府県別の交通事故死亡者数では、愛知(225人)・東京(215人)・埼玉(207人)の3都県が200人超、特に一昨年までの5年連続ワースト記録をついに脱した愛知県は前年比28人増となり1年で再びワーストへ。27人増の愛媛と19人増の福井では約4割超の増加となるなど15府県で増加した。その一方で、昨年200人超だった北海道(25人減の190人)・茨城(36人減の169人)など30道府県で減少、40人減の三重や鳥取、石川、大分の4県で約3割超の減少を達成している。
再び全国ワーストとなった愛知県では、前年比28人増のうち実に24人が65歳以上の高齢者、総数225人中114人と過半を占めている。36人減となった茨城県ではやはり高齢者が17人減と数値改善に振れた反面、総数は169人中85人とやはり過半超え。全国でも2,262と昨年より若干の減少をみせたとはいえ、やはり約半数が高齢者となっている。

後を絶たない飲酒死亡事故

2011年の飲酒死亡事故は前年比20件減の267件。1999年3月の東名高速トラック追突事故、2006年8月の博多湾転落事故など、飲酒運転を原因として幼児が命を落とす重大事故を受けるかたちで、危険運転致死傷罪制定や飲酒運転の厳罰化、そして社会的関心の高まりが今日まで続いているところだが、飲酒事故および飲酒死亡事故発生件数は改正道交法施行の2008年以後下げ止まりとも思われる状況にある。
昨年12月には兵庫県で皆既月食見物帰りの小学生兄弟がトラックに、元日にも埼玉県で初詣途上の男性2人が軽乗用車に轢かれて亡くなる事故が発生、いずれも飲酒運転であったとされる。ひとたび事故が起こると重大な結果を招くケースが多いだけに、「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」という言葉の重みを念頭に、日頃の行動を改めて振り返ってほしい。

相手の立場や状況を考えたモラルの徹底を

警察庁が発表した報道発表資料「平成23年中の交通事故死者数について」

2012年1月5日、警察庁は年末・年始における交通事故発生状況も発表しているが、交通事故発生件数は前年から105件減の7,982件、負傷者数は294人減の10,015人だったものの、死者数は22人増の78人となっている。また、飲酒事故は74件減の52件となった一方で、飲酒死亡事故は1件増の3件となった。 シートベルト着用や制限速度順守といった運転モラルを守ってさえいれば防げた事故も多いという。昨年は自転車のモラルも問われたが、高齢者や子供などが反射材を着用する、きちんと横断歩道を渡るなどの交通マナーの更なる向上も交通事故減少への大きな改善策となる。「クルマに乗らないから」・「歩行者優先だから」ではなく、それぞれの立場や状況を考えて、道路交通の安全を社会全体が見直すきっかけにしたい。

 

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 宝来隼人)

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