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防災コラムVol.238

Twitterで公式運行情報発信、その狙いは

公開月:2006年9月

2011年8月17日

東日本大震災で改めて注目されるソーシャルメディアへの事業者の反応

震災で再認識されたソーシャルメディアの伝達力

東日本大震災発生直後、通信各社は東北・関東地方での通信規制を実施した。特に携帯電話では最大70~95%という過去にも例をみない発信規制となったため、携帯電話から電話を掛けることがほとんどできない状態となった。
その中で比較的やりとりが可能だったのがパケット通信および公衆無線LANサービス。過去の地震災害時でもその有用性は実証されていたが、特に今回はTwitterに代表されるソーシャルメディアの普及により、リアルタイムな情報交換、共有に活用された話は枚挙に暇がない。
特に首都圏では安全確認作業のためほとんどの鉄道路線が一時運転を見合わせ、高速道路も通行止めとなったことで幹線道路も麻痺状態となり、空前の規模でいわゆる帰宅難民が発生したのは未だ記憶に新しいところ。混乱防止のために駅を閉鎖する事業者が出る一方、夜にかけて一部路線で運転再開となったものの、ソーシャルメディアでの情報共有などにより利用者が集中したため再度運転を見合わせる-といったことも発生した。
事実情報の見極めという意味で課題を残したものの、東日本大震災がソーシャルメディアの持つ可能性を広く認識させたのは間違いないだろう。事実、公式情報をTwitterに流す事業者が登場している。

航空-B787初来日も情報提供

京急線運行情報(twitter)

全日本空輸(ANA)は6月7日から、「ANA運航の見通し情報」Twitterアカウント(@ANA_flight_info)を開設し、国内線・国際線運航見通し情報の提供を開始した。基本的に気象状況から翌日および当日の予測される運航の見通し情報を1日5回程度発信している。 1997年12月から発着情報案内情報を公式サイトで公開、2004年12月スタートの「スマートeサービス」で搭乗便の運航案内メール配信を、2009年11月からはドコモiコンシェルによる予約情報と連携した情報通知サービスを開始するなど、搭乗直前の利用者に向けた各種情報提供を強化してきた。そして、東日本大震災において利用者への直接的な情報提供の必要性を再認識したという。台風等により広域での運航への影響が懸念される季節を前に、情報伝達手段としてのソーシャルメディアに着目したものだ。 7月3日~10日には、検証プログラムのため日本初飛来となったB(ボーイング)787の発着情報を同アカウントで提供し、フォロー数も急増。7月24日の仙台空港定期便再開時にも「心をひとつに、がんばろう仙台!」「たくさんのご支援ありがとう。感謝の心で頑張ります」など、現場の声を載せるなど、コミュニケーションツールとしての活用を巧みに模索している。

鉄道-地方私鉄に加えて大手も導入へ

京急線運行情報(twitter)

京浜急行電鉄(京急)は7月14日から、「京急線運行情報twitter」(@keikyu_official)での鉄道運行情報提供を開始した。京急線が全線にわたり10分以上の遅れ・運転見合わせが発生または見込まれる場合、および、その後の状況変化にあわせ運行情報を投稿。また、7時と17時には定時情報を出すほか、必要に応じて節電等の対応ダイヤ情報を発信する。
鉄道運行情報はJR・大手私鉄を中心に今や公式サイトの必須項目となっている。京急では2007年7月からホームページでの遅延証明書発行を開始したほか、2009年11月から携帯サイト「京急モバイル」会員向け無料運行情報メール配信サービスを開始するなど情報提供の多角化を進めてきた。現在モバイルサイトの会員数は約3万人、そのほとんどが運行情報メールを受信しているという。
ところで、地方の私鉄や第3セクター鉄道では専用ページを設けてまで運行情報を提供しているところはまだ多くない。そんな中、3セク公募社長やマスコットキャラクターなどの情報発信ツールとしてTwitterが活用される例が増えており、その中で運行情報も提供されるようになってきていたが、京急による運行情報提供は大手私鉄としては初めての事例となる。
京急がTwitter導入を決めたのは、東日本大震災直後のサイトへのアクセス集中や、その後の計画停電に伴う一部運休等においてメール配信を含めどのように情報提供すればよいか、社内で課題となったためという。一方で、公式サイト掲載文が自動的に取り込まれ、Twitterなどに転載されている状況がある中、公式アカウントを取得して情報提供することにより即時性・正確性を担保したかったという事情もあったそうだ。

公式情報発信で問われる事業者と利用者の意識

ANA・京急ともにフォローを求めており、今後Twitterにおいても公式情報としての価値が重視されることになると思われる。それだけに、事業者としては情報提供の量や質が問われるとともに、利用者としても自分にとって必要な情報の取捨選択が一層求められるのではないだろうか。発信された情報が多方面にすぐさま拡散されるツールなだけに、上手な付き合い方を改めて考えてみたい。

 

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 宝来英斗)

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