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防災コラムVol.237

平成23年7月新潟・福島豪雨から学ぶ

公開月:2006年9月

2011年8月10日

2011年7月下旬、新潟県と福島県を中心に記録的な豪雨となり、「平成16年7月新潟・福島豪雨」を上回る雨量を観測した。

「平成16年7月新潟・福島豪雨」と類似

避難する際、橋や水路の付近では流されるおそれがある。

2011年7月28日(木)昼頃から、新潟県内では記録的豪雨に見舞われた。気象庁によるレーダーの解析では、新潟県佐渡市と新潟市秋葉区付近で1時間雨量70mmの雨が降ったが、この雨は数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨であった。この大雨で28日だけでも、新潟県内の広い範囲で床上・床下浸水の被害が50棟以上出た。これは北にあるオホーツク海高気圧と、南にある太平洋高気圧から流れ込んだ空気がぶつかり、北陸地方に前線が停滞。これに加えて寒気があり、大気の状態が不安定になったためである。また、この日の気圧配置は「平成16年7月新潟・福島豪雨」と類似していたことから、レスキューナウでは28日から体制を強化して、情報の収集を開始。19時には被害状況の第1報を配信した。

過去最多の発表「記録的短時間大雨情報」

今回の豪雨では「記録的短時間大雨情報」という用語が報道で大きく取り上げられた。この情報は、「数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測(地上の雨量計による観測)したり、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析)したとき」に発表される。その発表基準は「1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考」にしている。なお、今回の豪雨で大きな被害が出た新潟県と福島県の基準は以下の通りである。

■新潟県(1時間雨量)
・上越、中越(山沿い)、下越(村上市・山沿い):80mm以上
・中越(平地)、下越(平地):70mm以上
・佐渡:60mm以上
■福島県(1時間雨量)
・全域:100mm以上

今回の豪雨で新潟県に発表された記録的短時間大雨情報の発表回数は30回にのぼり、同じ都道府県に出された数としては過去最多となった。この情報が発表されたときは、その地域にとって災害の発生につながる、稀にしか観測しない雨が降っていることをしっかり認識し、身の安全の確保を第一に考える必要がある。では、台風や集中豪雨などのとき、私たちはどのようなタイミングで避難をすればいいのだろうか。

河川水位の危険性を把握する

山間部などでは土砂災害に備え、砂防ダムが作られている。

台風や集中豪雨などで河川の水位が上昇すると、河川を管理する国や都道府県から、その水位の危険性を示す情報が提供される。この情報は、国土交通省「川の防災情報」でリアルタイムに確認することができる。これらの情報を目安に避難するタイミングを各家庭で事前に決めておくといい。

1)「水防団待機水位」
水防団が水防活動の準備を始める目安となる水位。テレビ・ラジオ・インターネットなどから気象情報や自治体発表情報の入手に努める。
2)「はん濫注意水位」
河川の氾濫に注意する水位。この情報が発表された場合、河川の近くに自宅がある、自宅から避難所まで距離がある、高齢者のいる家庭などでは、早めの避難が必要になるレベル。自治体では避難準備情報発令の判断基準となる水位。
3)「避難判断水位」
河川の氾濫に警戒する水位。自治体では避難勧告などを発令する判断基準の水位であり、住民の避難が完了していることが望まれる。
4)「はん濫危険水位」
河川が氾濫し、大きな被害が発生する可能性がある危険な水位。自治体から発表される避難情報の有無にかかわらず、自主的な避難が求められる水位。
こうした情報を随時確認し、身の危険を感じた場合には周囲の状況を確認しながら、自主的に避難することも大切である。なお、上記に関連して、気象庁のサイトには「洪水予報」のページもあるので、併せて参考にしてほしい。

避難する前に周囲の状況を確認

過去の災害では自治体から避難勧告が発表され、避難をしている際に流されて死亡するケースがあった。これは、避難経路の途中に水路や橋があったため、増水した川や水路の流れに巻き込まれてしまったからだ。こうした過去の教訓を踏まえ、新潟県三条市では住民に対し、以下のような呼びかけを行っていた。

■三条市安全・安心情報メール(2011年7月28日16:00頃)
大島地区、栄地区を除く市内全域に避難勧告を発令しました。ご自宅等の2階以上に上がれる方は、2階に上がって避難をしてください。その他の方は、避難所にただちに避難してください。

つまり、川や水路などからあふれた水流で流されてしまう可能性があるため、2階以上の建物であれば、上の階へ避難するよう呼びかけていたのだ。なお、鉄筋コンクリートの建物であれば、建物自体が流される可能性は低い。避難場所が離れていたり、避難のタイミングを逃してしまった場合には、付近にある鉄筋コンクリートの建物(2階以上)へ避難することも考えよう。

土砂災害発生の兆候を見逃さない

豪雨では土砂災害の発生にも警戒しなければならない。これまでのコラムでもふれてきたが、東日本では地震の影響で地盤が緩んでいる箇所がある。これから秋にかけて台風シーズンとなることから、土砂災害のリスクはさらに高まるものと考えられる。以下のような現象を確認したら、速やかに安全な場所へ避難することが必要だ。

◆土石流
□山鳴りが聞こえる
□雨が降り続いているのに、川の水位が低下する
□急激に川の水が濁り、流木が流れ込む
□腐った土の臭いがする
◆地すべり
□沢や井戸の水が濁る
□地面にひび割れができる
□斜面から水が噴出する
◆崖崩れ
□崖にひび割れができる
□崖から小石が落ちてくる
□崖から水が噴出する

今回の豪雨は、7年前の新潟・福島豪雨を上回る雨量が観測された。しかし、7年前の死者は16人。今回の死者・行方不明者は6人。被害を抑えることができたのは、行政と住民が前回の水害から得られた教訓を活かした結果だといえる。今回の豪雨も含め、過去の災害から得られた教訓を活かすために、何ができるのかを考えることも防災対策のひとつである。

 

(文・レスキューナウ危機管理情報センター)

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