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防災コラムVol.229

グラフで見る東日本大震災(ボランティア編)

公開月:2006年8月

2011年6月8日

東日本大震災について、その特徴の一端を明らかにするため、ボランティアの参加状況などをまとめ、ボランティア元年とも呼ばれた阪神・淡路大震災との比較を行った。(※文中の「図―1」・「図―2」はリンクよりご確認ください。)

ボランティアの参加状況

ボランティアへの参加を促す取り組みが、政府や企業で始まっている(画像はイメージ)

レスキューナウでは、東日本大震災の発生を受け、被害状況の収集と配信を行っている。今回の震災について、その特徴の一端を明らかにするため、ボランティアの参加状況などをまとめ、ボランティア元年とも呼ばれた阪神・淡路大震災(1995年)との比較を行った。
震災発生から約2ヶ月で被災地に入ったボランティアの数は、阪神・淡路大震災では累計100万人であったが、東日本大震災では累計25万人となっている。※図-1にもまとめたが、阪神・淡路大震災のほうが今回の震災と比べ、約4倍以上の方がボランティアに参加していたことになる。
阪神・淡路大震災でボランティアに参加した方によれば、近場まで電車やバスで移動することができ、ボランティアセンターまで歩いて通うことができた。参加者の中には、近隣の市町村から自転車で駆けつける人もいたという。つまり、今回の震災と比べて阪神・淡路大震災の場合は、被災地が狭く、近隣からの参加者を中心に多くのボランティアが駆けつけることができたことなどが、ボランティア参加者数の増加につながったものとみられる。
一方、今回の震災で人的被害が大きかった岩手・宮城・福島では、長期的にボランティア活動が行われている。ところが、津波により人口の集中する太平洋沿岸の市町村では、甚大な被害が発生。近隣地域も被災していることから、周辺地域からの支援は望めない状況となっている。また、被災地の範囲が広く、支援の分散や偏り、支援者側からみて遠い地域には支援が届きにくい状況となっている。
このような支援上の問題を解消するため2011年3月24日、「東日本大震災支援全国ネットワーク」が設立され、これまでバラバラに活動することが多かった災害支援に関するNPO・NGOをまとめる組織が誕生した。

ボランティア確保のために引き続き努力を

今回の震災では、支援が必要な地域にボランティアを安定的に確保するため、様々な取り組みが行われている。文部科学省は2011年4月2日に、ボランティア活動のために学校を休学した学生について、補講や追試の実施、レポートによる学修評価を行うなどの特別な配慮をするほか、学生がボランティア保険に入ること、適切な安全管理・健康管理を行い、危険を伴う作業には参加しないなど、ボランティア活動の安全確保について指導するよう各大学・高等専門学校長に通知した。また、総務省では4月末に、公務員のボランティア休暇の取得に配慮するよう各自治体に通知している。この他、一部の企業でもボランティアを派遣する動きが広まっており、夏季休暇の時期に入るまでの間、自治体や企業によるボランティア派遣の推進が、参加者確保の鍵になるとみられている。

減らない避難者、被災地での外での支援も重要

※図-2のように、震災から約2ヶ月経過しても避難者数は15万人以上。阪神・淡路大震災の場合と異なり、避難者数の減り方が鈍くなっている。これは、津波被害が広域に及んだことから、未だに体育館などの避難所で生活を続けている被災者の方が多くいるためである。この他にも、東京電力福島第一原子力発電所事故の長期化に伴い、福島県から県外へ避難する方が多いことも挙げられる。こうした状況を踏まえ、短期のボランティアだけではなく、長期的に関わってくれるボランティアを望む声が高まっている。
学校や会社がある方にとって、長期休暇をとることは困難だろう。それでも、今後の支援を継続するためには、長期的に関わることができ、被災者との間で人間関係を構築することが必要となる。また、活動のノウハウが蓄積された「ボランティア団体」への支援も重要となってくる。一部のボランティア団体は企業などから寄付を受けているが、街頭で寄付を集めなければ活動を行えない団体も少なからずある。こうしたボランティア団体を支援することが、被災者支援につながることを、私たちは認識しなければならない。意欲はあるが現地へ入ることが困難な方には、是非、ボランティア団体への寄付を検討してほしい。そして、被災地に支援物資を送る各自治体では、地元住民に物資の提供を求めたり、仕分けボランティアを募集するなどの取り組みを実施している。被災地の外で、被災地のために働くのもひとつの支援の形である。

ボランティア経験者の心のケアと経験の共有を

甚大な被害が発生した被災地。ボランティアによる長期的な活動が復旧・復興への重要な鍵となる(画像はイメージ)

今回の震災発生以降、多くの方が復旧作業やボランティアとして現地に入られたと思う。被災地から帰ってきた後、周囲との意識の違いに苦しんでいる方も多いのではないだろうか。
現在、ボランティア経験者を対象に、意見交換や経験を共有するためのワークショップ・報告会などが数多く開催されている。イベントには、これからボランティアに参加したいという方も来る場合が多く、実際の活動を通じて得られた経験が、今後の被災地への支援に役立つことにもなるため、記憶や経験が新しいうちに参加してほしい。
弊社サイトでも、報告会や心のケアなどに関するイベント情報を掲載しているので、参考にしてほしい。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 大脇桂)

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