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防災コラムVol.227

避難所生活での布団代わりに「災害時用エアーマット」

公開月:2006年8月

2011年5月25日

避難生活の場所となる学校の教室や体育館。できるだけ多くの睡眠を取ろうとしても、固くて冷たい床では寝そべること自体が苦痛となる。今回は、こうした状況を少しでも解消する「災害時用エアーマット」を紹介する。

災害時用エアーマットとは

災害時用エアーマット

「災害時用エアーマット」とは、ポリエチレンとナイロンで構成された素材に、空気を入れることで膨らむマットである。空気そのものがクッションの役割を果たすことから、冷たくて固い床に体が触れることはない。大きさも縦180cm×横80cmとなっているため、大人から子供までが利用できる。また、2層で構成されたポリエチレンの間にナイロン素材を加えた3層構造となっているため、強度も確保されている。
効果的な使用方法としては、タオルケットや毛布などをマットの上に敷くことで、より快適に眠ることができる。また、空気を少なめに入れると体がマットになじむことから、さらに寝心地が良くなる。なお、樹脂製品独特の擦れる音が気になる場合には、空気を満杯に入れた方が良い。
マット自体は樹脂でできていることから、限られた備蓄スペースにもコンパクトに収めることができる。例えば、マット20枚分を段ボールに入れて備蓄した場合、縦250mm×横860mm×高さ140mmで収納が可能となる。この中には、空気を入れるステップポンプ、空気を抜くためのストローも備え付けられている。このほか、焼却したとしても人体に有害なダイオキシンは発生しないため、燃えるゴミとして手軽に処分することもできる。

最初は「段ボール製簡易ベッド」

福島県などからの被災者の避難所となった山形県総合スポーツセンター

災害時用エアーマットの商品化までの経緯について、製造・販売を行っている富士木材株式会社(本社:静岡県富士市)に伺った。
もともとは、2004年10月に発生した新潟県中越地震の際、避難所において被災者の方のプライバシーの確保が難しいという話を聞き、周囲からの視線を遮る形の「段ボール型簡易ベッド」を開発した。この段ボール型簡易ベッドは防災関連の展示会にも出展され、マスコミの注目も高かった。一方で、来場者からは「備蓄の容易さ、スペース確保の課題をクリアできると良い」との声が多く出た。そこで、備蓄性を重視した商品開発に着手。自社で扱っている梱包用のクッション素材に着目し、災害時用エアーマットが完成した。

東日本大震災の被災者にも提供

避難所で災害時用エアーマットの設置作業に取り掛かる富士木材の社員

「災害時用エアーマット」は東日本大震災の被災者の方々にも提供された。
富士木材株式会社では、山形県総合スポーツセンター(山形県山形市)で福島県などから避難した被災者の方が、過酷な避難生活を送っているのを報道で知った。すぐに現地と連絡をとると、「発泡シートしかないので、提供を是非お願いしたい」との要請があった。要請を受けて、災害時用エアーマット200枚を営業用のライトバンに積み、社員2名が新潟県経由で現地へと向かった。避難所へ到着すると、100名ほどの被災者の方がいたが、多くの被災者の方は避難所に一日中いることがつらいため外出していたという。そうした被災者の方の睡眠環境改善のため、災害時用エアーマットは提供されたのである。

健康管理をする上で睡眠時間の確保は重要である。非常事態とはいえ、避難生活が長引けばそれだけ体にも過度な負荷がかかる。しかし、復旧や復興を成し遂げるためには、健康な体が資本となる。そのためにも、できるだけ快適な環境下で睡眠を取ることが必要であり、「災害時用エアーマット」はその一助となるのではないだろうか。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 三澤裕一 / 協力・富士木材株式会社)

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