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防災コラムVol.221

私たちができること-東北地方太平洋沖地震-

公開月:2006年8月

2011年4月6日

2011年3月11日14時46分、東北地方を中心に、北海道から関東地方にかけて大きな揺れがおそった。被害を受けた方々にお見舞い申し上げるとともに、犠牲となった多くの命に冥福を祈るばかりだ。今回の地震の影響により、被災地以外では「買いだめ」・「計画停電」・「水道水から放射性物質検出」と、次々に社会的な混乱が生じた。そうした事態に対して、私たちにはどのような行動が求められるのだろうか。

群集心理を客観的に捉える

今回の巨大地震では、物流網にも大きな被害が出た。このため、東京を中心とした首都圏では、インスタント食品やレトルト食品、また、トイレットペーパーなどの生活用品が品薄状態となった。スーパーから食品や日用品がなくなるほどの買いだめが起こり、一時的なパニック状態にあったといえる。このため政府からは、在庫は十分にあり、無駄な買いだめは控えるようコメントが発表された。
確かに、店頭に並ぶ商品が次々と消え、「買わなければ」と思わせる状況であったのは確かだ。しかし、すでにあるにもかかわらず「もっと用意しなくては」という気持ちになって買い走った人もいるのではないだろうか。また、米がまだあるにもかかわらず「なくなるかもしれないからもっと買っておこう」とした人も。だが、そうした行動を多くの消費者がとれば、本当に米を切らした人が買えなくなる。どうやら、終わりの見えない非日常に陥ると「いくらあっても足りない」と感じる人が多いようだ。
こうした事態に対し、小売店では購入数に制限を設けるなどの対応をとり、現在では徐々に品薄状態は解消されている。
被災地以外の地で暮らす私たちに求められているのは、非日常であるいまこそ、落ち着いて行動することである。自分のことだけを考える意識を排除し、人が買っているからという群集心理を客観的にとらえる強い心が必要だ。

一方で、この群集心理が良い結果をもたらすこともある。それが「節電」だ。夜の帰宅時間などに街を歩くと、大型ビジョンやスーパーの照明が消えていたり、自動ドアの電源を切っている店舗もあったりと、街の節電ムードが個人にもストレートに伝わってくる。こうした目に見える取り組みが、群集心理を刺激し、個人の節電への取り組みに良い波及効果をもたらしていると言えるだろう。
このように群集心理を良い方向へと導くためには、社会において責任ある立場の企業や個人が、目に見える分かりやすい形で情報発信することだ。こうした動きが、世の中の情勢を良い方向へ導くことにつながっていく。

乳児のミネラルウォーター摂取には注意!

乳児用の粉ミルクには不純物のない蒸留水で溶こう

なお、今回の買いだめ騒動で特筆したいことが1つある。それはミネラルウォーターの買いだめだ。
今回の震災では、福島第一原子力発電所で放射性物質が外部へ漏れる事故が発生した。この影響で、2011年3月23日、東京都水道局は、葛飾区の金町浄水場から放射性ヨウ素を検出したため、乳児への水道水摂取を控えるよう発表した。すると、発表直後からミネラルウォーターの買いだめが始まり、乳児を抱えた母親が「水道水は使えないので、ミネラルウォーターでミルクを作ります」といったインタビュー映像が多く放送された。しかし、乳児のミネラルウォーター摂取には注意が必要だ。
粉ミルクの中には、予め乳児に必要なミネラル分が含まれている。ところが、ミネラルウォーターで溶いた粉ミルクを飲ませると、乳児がミネラル分を過剰に摂取することになる。過剰に摂取すると、乳児の腎臓に負担をかけ、脱水症状を引き起こす可能性もある。粉ミルクの販売メーカーでは、ミネラル分が少ない「軟水」で粉ミルクを溶くよう呼びかけている。(リンク参照)

自分で調べる。質問は整理してから。

福島第一原子力発電所で放射性物質が外部へ漏れる事故が発生し、放射性物質による健康への影響が懸念されている。新聞やテレビなどでは専門家の解説を交えながら、これまでのところ健康へ影響が出る事態には発展していないとし、冷静に行動をするよう呼びかけている。
ただ、報道されていることが本当に正しいのか、不安になっている方もいるだろう。その際には、関連する文献や関係機関のホームページに掲載されている解説を読むなど、まずは自ら調べてみることを心掛けよう。また、調べる際には権威ある機関や個人の情報なのかを、必ず確認してほしい。それでも不安が残る場合には、関係機関へ直接問い合わせてもいいだろう。なお、その際には質問事項を予め整理した上で、問い合わせをしてほしい。放射性物質による影響ということで、どうしても感情的に興奮してしまうだろうが、冷静にならなければ、問い合わせ先の担当者から、明確な回答を得られなくなってしまう。

復旧・復興のためにすべきことを考える

日中でも節電のためオフィス内の照明を消している(レスキューナウ社内)

東京を中心とした地域で買いだめという状況が起きている半面、被災地では経営する店の商品を無償で避難所に提供している人や、自身の家族の安否もわからぬままに人助けをしている人たちが、たくさんいるという。
一時、ガソリンの給油を求めてガソリンスタンドの前には長い車列ができたが、ちょっとした買い物などで車に頼る生活をしている方は、不便でもバスや電車を利用することを心掛けてほしい。そうすれば、ガソリンを買うための車の列が減り、それによる交通渋滞もなくなる。本当にガソリンが必要な被災地向けの輸送車へ優先的にまわすこともできる。そして、みんながそれぞれ節電を心がけることで、計画停電で不便な時間をすごさなくてはならない世帯を減らすことができる。

各企業や著名人などもさまざまな支援活動に取り組みはじめ、その輪が個々人にも広がっている。募金であったり、現物を無償提供することであったり、ボランティアを志願することであったり。ひとりひとりが、少しずつ、できる範囲でそれらの活動を支えていけば、大きな力となるはずだ。
いまこそ、困っている誰かのためにできることをするという「お互いさま」「思いやり」といった精神を最大限に発揮していこう。日本人は「ありがとう」という言葉に代えて「すみません」ということが多い。それは「迷惑かけて申し訳ない」という相手を思いやる心のあらわれだと、ある外国人が言ったというような記事もあった。他国の人から賞賛されるほどの国民性を生かし、みんなで支え合ってこの逆境を乗り切っていく。その力がいま試されている。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター)

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