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防災コラムVol.219

豪雪大渋滞! その時、夜行バスは……

公開月:2006年8月

2011年3月9日

今冬、相次いでいる豪雪に伴う道路の大渋滞。車中の人は、どんな状況におかれるのだろうか。高速バスで実際にあった乗客対応を中心に紹介しよう。

「ゲリラ豪雪」で大渋滞、立ち往生

2010年末以降、日本海側を中心に大雪が続いており、記録的な積雪を観測している地域もある。気象庁によると、2011年1月の最深積雪は全国的に平年を上回る地点が多く、東北から北陸地方にかけての山沿いでは 3 mを超える積雪となっているほか、横手(秋田県)、南越前町今庄(福井県)、米子(鳥取県)などアメダス観測点を含む全330地点中37地点で最大値を更新した。米子では1月の積雪の平年値18cmのところ、2011年は元日に89cmを記録し、新年早々から社会生活に大きな影響を及ぼした。 その際、よく耳目に触れたのが「大渋滞」「立ち往生」といった報道。12月25日には福島県会津地方の国道49号線で300台以上が立ち往生し、米子でも積雪の記録が更新された大晦日に、鳥取県西部の国道9号線で車1000台以上が立ち往生した。いずれも自衛隊の災害派遣要請による除雪作業等が行われたが、渋滞解消までに丸1日以上を要した。
さらに1月30日以降の大雪では、福井県南部を中心に国道8号線で150台以上、北陸自動車道では1000台以上が立往生する事態となった。その際、北陸道を通る夜行高速バスに乗り合わせた状況をブログでも伝えた、ヨッシーさんとの談話を紹介する。

「北陸ドリーム大阪2号」富山定刻出発

大阪へ行く用事があり、1月30日夜の富山発「北陸ドリーム大阪2号」を予約しました。当日は気になる空模様で、新潟地方での大雪の影響もあってJRの夜行列車は朝の段階で全便運休が決定。一方、バスについてはJR便も地鉄(富山地方鉄道)・阪急便も通常運行ということでしたので、安心して富山駅へ向かい、定刻10分前に現れた2階建てバスに乗り込みました。直前の予約ということもあり、指定された座席は1階席最前列でした。
富山駅前からは5名乗車で、定刻通り21:40に出発。北陸道に入る富山IC辺りからウトウト……と、ドアの開閉音が聞こえて起きてみると、金沢駅前に停車中。ここで、車内はほぼ満席になったようでした。金沢駅前を出発時、『雪の中長時間お待たせして申し訳ありません』という放送があったので時計を見ると、23:30。すでに定刻から30分遅れとなっていました。
その後、市内を抜けて00:00前に金沢西ICから再び北陸道へ。北陸道も一面の圧雪で速度が出ず、所々でかなり激しく揺れていました。1階席でもかなり揺れが激しかったので、2階席はえらいことになっていただろうと思います。

北陸道が通行止めに…そして

雪まみれとなったバス(尼御前SA)

最後の乗車場所となる尼御前バス停を、約1時間遅れの00:50頃に出たところで、乗務員より放送が。『武生IC-敦賀IC間が通行止めとなりました。武生ICから一般道に迂回するため南条SAの代わりに、この尼御前SAで休憩します』ということで15分休憩になりました。その後、少し遅れて01:10頃に出発、再びウトウトと……。
02:40過ぎに福井県越前市大屋町付近、約2時間後の04:50頃には越前市小野谷町付近……1km進んだかどうか。スケジュール通りであれば京都南ICを抜けようかという時刻になるにもかかわらず、いまだ福井県越前市ってどういうこと???と思っていると、04:55頃に乗務員より放送がありました。
『現在福井県越前市の国道8号線上で停車中。高速道路の通行止めは継続しており、迂回路の国道8号線は除雪が追いつかず通行が困難な状況。現状ではこの先の運行について見通しが立ちません。このため運行を打ち切り金沢・富山へ戻ります』
車内は少しザワついたものの、乗務員にクレームを付ける客もおらず、バスはどこかの駐車場のような場所で方向転換し、武生ICから北陸道の下り線へ。尼御前以北の乗車バス停に再び停車し、降車扱いとなりましたが、途中のバス停から乗車した人でも金沢駅まで乗車OKという措置がとられていました。

出発から12時間30分で再び富山駅前

バスはチェーンをつけての走行(不動寺PA)

結局、07:45頃になって金沢駅に到着。関東方面からの夜行便は所定運行だったようで、JRバスの夜行便が金沢駅に大集合していました。金沢で打ち切られるかな、とも思っていましたが、富山まで送り届けてくれるということで一安心。富山にはJRバスの窓口がありませんので、全員こちらで払い戻しを……ということで、金沢のJRバス窓口で払い戻し処理。
金沢駅を08:00に出発。富山に向かったのは2名だけでした。金沢東ICを08:30に通過して再び北陸道へ出発したものの、金沢駅で装着したチェーンの点検をするということで08:35頃に不動寺PAで停車しました。08:50頃に再度出発して、一面、圧雪の北陸道をゆっくりと東進。09:20前に小矢部JCT通過すると、路面状態が良くなり若干スピードアップ!
『路面から雪が無くなりましたのでチェーンを外します』ということで、09:40に呉羽PAでいったん停車しましたが、車外には出られず。それから、09:50過ぎに富山ICを通過して市内へ。若干渋滞気味の国道41号線を進み、10:15に富山駅前に到着。
『ご迷惑をおかけしました。またのご利用をお待ちしています』と挨拶してきた乗務員に、「お疲れさまでした」とひと声かけて、バスを降車。最初の富山出発から12時間30分で、スタート地点に戻ってきてしまいました。

これまでも全国を乗り歩いてきましたが、運行開始後の打ち切り・Uターンは初めての経験でした。今考えると、武生ICの先の国道8号線にUターンできる地点があったから助かったなと。
ただ、Uターン決定後、乗務員から運賃全額払い戻し等の放送はあったものの、道路情報や鉄道の運行情報などの案内はありませんでしたので、携帯電話でいろいろ情報を拾って、大変なことになっているなとの実感を持ちました。周囲の人も似たような感じでしたが、車内は落ちついていましたね。車内にはトイレもついているので、大きな混乱はありませんでした。まぁ、30名以上が乗っていたことを考えれば、金沢駅までの間で1回だけでも休憩が欲しかったな、とは思いました。
(以上、談)

難しい大動脈の抑止判断

運行への影響は数日続いた

北陸道が通行止めとなったのは、30日23:50頃。最初のきっかけは、大型トラックのスリップなどにより身動きがとれない状態となったためだったが、記録的な降雪が事態を悪化させることになった。福井県内での積雪は、福井市で平年の4倍、1986年以来となる1m超え。南越前町今庄では24時間で1m前後に達した降雪により、1980年の観測開始以来最深となる244cmを記録した。なお、北陸道の通行止め全面解除は2月1日06:30と、やはり丸1日以上を要すこととなった。
富山と大阪を結ぶ高速バスは、ヨッシーさんの談話として紹介した西日本JRバスが運行する系統のほかに、富山地方鉄道・阪急バスの系統もある。こちらは、富山発がより遅い時刻ながら金沢を経由しないためか、結果北陸道上での長時間立往生を余儀なくされた。早くから夜行列車を運休させたJR西日本も、30日21:00過ぎからやはり今庄駅付近で列車の身動きがとれない状態となり、特急列車7本が立ち往生。車内に缶詰めとなった乗客の中には、2夜を過ごした人も出たという異例の状況であった。

2010年末にあった会津や鳥取における立ち往生の経験が、結果的に活かされなかった福井での道路通行止めや列車運休等の判断を問題視した報道も散見されるが、人流・物流の大動脈となれば、なおさらその判断は難しい。除雪体制だけでなく、非常時の食料や燃料、トイレや救護体制の確保、またドライバーだけでなく鉄道や高速バス利用者への各種情報提供といった多方面で課題が浮き彫りになった今回、事態に直面した人々の生の声に耳を傾けることも大事なのではと考える。

(取材・文:レスキューナウ危機管理情報センター 宝来英斗)

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