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防災コラムVol.212

スマートフォンの災害時利用

公開月:2006年8月

2011年1月19日

新製品の登場でスマートフォン市場が拡大している中、スマートフォンの災害時利用を検証してみたい。

災害の視点から見るスマートフォンの機能

アプリのアイコンが豊富に並んだスマートフォンの画面

ちまたで「スマートフォン」という言葉を耳にして数年が経つ。特にこの1年は各携帯電話会社が続々と新機種を投入している。 スマートフォンが人気なのは、いつでも好きな機能が使える、「アプリ」のおかげだと言える。いらない機能は捨て、必要な機能はアプリをダウンロードして自分流にカスタマイズ。無線LANにも対応し、インターネットを介して大容量データのやりとりもできる。GPSもついているから地図アプリと組み合わせれば道にも迷わない。

ためしにアプリの検索で「災害」と引いてみる。ニュース、緊急地震速報、地震情報、地震計、緊急電話、気象や火山情報などがつづく。ほかにも交通情報、心肺蘇生や応急処置のガイド、大画面のバックライトを活かした懐中電灯風のもの、街中にあるAEDをGPSやAR(拡張現実)と組み合わせて探し出すアプリなどがある。そういったアプリは携帯電話の圏内でないと使用できないものが多いが、オフラインでも使用できるシンプルなものもあるので、それなら災害時にも充分役立ちそうだ。 2010年10月に起こった奄美大島の豪雨災害では、島内の連絡手段が所々で断たれたため、被害状況の把握に自治体等が苦慮したという。そんな最中、ある地元住民が、カーラジオから流れるコミュニティFMで情報を収集しながら、車で移動しつつ島の様子を動画で撮影。それを動画共有サイトにアップしたことで、状況把握に役立ったという事例がある。

筆者の端末にも地震情報と交通情報、AED検索と応急処置、かなり詳しい気象天気図を見るアプリが入っている。もちろん、筆者も災害情報ばかり見ているわけではない。ラジオやゲーム、映画情報、などそれとは関係ないアプリと入り混じっていながらも、普段使っている端末にそれとなく入っていて時折使うところに意味がある。

注目したい「ハードと性能」

地図を表示したスマートフォンの画面

スマートフォンというととかく機能面に目が行きがちだが、注目するべきところはそのハードや性能にもある。
そもそも先述のようなアプリが動くのは、その前提にあるハードやOSがあるからだ。大容量の通信ができるうえ、本体自体のメモリも大容量なため、カメラやビデオ、録音が可能だ。それらを制御する本体そのものの性能にも、ぜひ注目したい。
たとえば、10年前に普及していた技術でそれを実現しようとしたら、ノートパソコンを用意して、デジタルカメラやウェブカメラをつないで、マイクをつけて、モバイルカードのような通信カードを用意して、高価なGPSレシーバを買って……それでも大容量通信はそんなにできなかったし、全部揃えたらカバン1つ分くらいになる。とはいえ、そんなことができる人は全体のごく一部で、そういう人は「専門家」とか「マニア」とか「特殊技能」とか呼ばれていたに違いない。それと全く同じもの、いや、それをはるかに超えた当時のサーバ以上の性能をもった端末が、周辺機器類一式を内蔵して、いまや誰かの手のひらやポケットの中に入っている。しかも、そのほとんどがインターネットにつながっている。これが災害時、あるいはその防止や回避に役に立たないはずはない。

アプリの延長にある各種サービスとの連携

10年ほど前のサーバより性能の高いものを、軽くポケットに入れて簡単に使いこなしている私たちは、普段どんな使い方をしているだろうか。
スマートフォンユーザの多くが使っているものに、ツイッターやユーストリームなどの「ソーシャルサービス」がある。これを利用すれば、口コミの情報がすぐに広がる。ビデオや音声をアップロードできる。ライブ中継も簡単にできる。メッセージと一緒にURLを伝えればほとんどのことは伝えることができる。テキストだけの情報ならデマなどが心配されるが、画像や動画まですぐに上がってくるとその信憑性も高くなる。
もっとも、それが防災や災害のテーマでなくとも、普段使いの延長でいざとなった時は自然に使い方を応用することができる。
実際に、バラバラのテーマで話がされていてもひとたび地震が起こると「あ、いま揺れた」とたちどころにテーマが揃い、複数人からメッセージがあがって来る。必要があればそこから画像や動画が続くだろう。現に、筆者は近年、海外で起こった災害はおおよそソーシャルサービスの類で第一報を知るケースが多い。

ユーザである私たちにとって

ツイッターではリアルタイムで新しい情報がどんどんアップされる

では、ユーザである私たちは、いまどきのスマートフォンをどうやって防災に活かすのか。
高機能・高性能のこの端末で、私たちは「地獄耳」や「千里眼」を持ったことになる。それで知り得た情報やノウハウを使って、あなたは自分を、家族を、あるいは他人を救えるのかという課題に向き合うことになる。
自然災害に限らず、「道に迷いたくない」「病気にかかりたくない」「電車の運休や道路の渋滞に巻き込まれたくない」「事件に巻き込まれたくない」といった身近なリスク回避の視点から、手元のそれをちょっとだけカスタマイズしてみてはどうだろうか。大丈夫、そこはスマートフォン。遊びや趣味、仕事のアプリと同居していても決して邪魔にはならないはず。

(文・レスキューナウ 岡坂 健)

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