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防災コラムVol.210

家庭内における事故の対処法

公開月:2006年8月

2011年1月5日

多くの人にとってやすらぎの場である家庭。その家庭内で、実は多くの事故が起きている。特に乳幼児や高齢者には、周りの注意も必要だ。

家庭における事故死は年間1万3千人以上

厚生労働省の平成21年度「不慮の事故死亡統計の概況」によると、家庭内における不慮の事故での死亡者数は、阪神・淡路大震災があった1995年を除くと1996年の10,500人から2008年の13,240人まで増減をくり返しながらも増加傾向にある。交通事故死者数が、1995年の15,147人から2008年の7,499人にまで一貫して減少しているのとは、まるで対象的だ。
2008年の家庭内事故での死因は、「溺死」「窒息」「転倒・転落」の順に多く、これらで全体の8割を占め、年齢別にみると、65歳以上の高齢者だけで1万人を超えている。

「転倒・転落」の事故

特に高齢者のいる家庭では、すべりやすい風呂場に転倒防止手すりをつけたい。

転倒・転落は、階段や廊下でつまずく、浴室で滑って転倒する、カーペットや座布団、布団や掃除機のコードなどに足をとられるなどの原因で起きている。就寝中、トイレに行くためにベッドから降りた際、よろけて転倒することもあるので注意したい。 また、最近は、高齢者が屋根や脚立、梯子(はしご)に上がっての作業中に転落する事故も多くなっている。 階段や段差によるものは打撲症で済むことも多いが、屋根や脚立、梯子など高所からの転落は重大な事故につながり、治療に長期間を要する重いけがになる傾向があるので注意したい。

【転倒・転落事故の防止策】

  • 段差をなくす工夫をする。
  • 玄関では、段差を小さくするための式台などを置く。
  • 階段、廊下、玄関、浴室などには手すりを設ける。
  • 階段、廊下、玄関などには明るい照明や足元灯をつける。
  • 居室は整理整とんをし、床や階段などにつまずきそうな物を置かないようにする。
  • すべりやすい靴下やスリッパは、はかないようにする。

「浴室」の事故

「浴室」での事故は、熱い湯に浸かってしまったことによるやけどのほか、滑りやすい場所であるため転倒事故が多い。また、冬場の温度差と心疾患の関係による突然死も起きている。入浴時以外にも、湯加減を見に行った際、浴槽に転落したり、すべって転倒したりする例がある。 浴室での事故は、無防備な状態で事故にあうことが多く、事故が起きても周囲が気づきにくい状況であることもあり、手当てが遅れる可能性が高い。

【浴室での事故防止策】

  • 気温差で心臓などに負担をかけないように、家族が入浴したあとは、シャワーなどで浴室を暖めてから入浴する。また、真冬になれば脱衣場も暖房するなどして暖め、脱衣場と浴室の温度差を減らすようにする。
  • 給湯やシャワーの湯温が熱くなりすぎないようにする。
  • 高齢者や子どもだけで入浴している際は、様子に注意する。

家屋内設備(住宅構成材)以外の事故にも注意を

階段に手すりがあれば、転倒防止はもちろん、支えにもなって上り下りがラク。

家屋内設備(住宅構成材)以外の事故でも、包丁などの刃物やDIY用品でのけが、食べ物や異物がのどに詰まっての窒息、着衣に火がつくことによるやけどなどの事故があるので注意しよう。

【もの選びの工夫】

  • 安全性の高いもの、使いやすく工夫されたユニバーサルデザイン(年齢や障害の有無に関係なく利用できるようにデザインされたもの)も上手に利用したい。

【窒息事故の防止】

  • 食事の際は、お茶や水を飲んで喉を湿らせながら、少量ずつゆっくりよく噛んで食べる。
  • 餅など粘りのある食品を食べる場合は小さく切って食べること。
  • 周りの人は、急に話しかけるなどしてあわてさせないように気をつける。
  • 子どもが口に入れて危険があるような異物は、子どもの手の届かないところ置く。

【衣類着火事故の防止策】

  • 袖や裾が広がった衣類は、火がついても気づきにくいので注意する。
  • 火が燃え広がりにくい防炎性のパジャマ、エプロンなどを利用する。

家庭内事故を防ぐために

家庭内で思わぬ事故にあうのは、家の中は安全なはずという思い込みがあり、安全に対する配慮がおろそかになっていることが考えられる。
ここでは、統計上多く見られる事例を紹介したが、変わったところでは、ベランダなどで締め出しされるという事例もある。これは、たとえば母親が洗濯物を干している際に、乳幼児によって鍵を閉められてしまうというもので、意外によく聞かれる現象だ。悪気のない乳幼児には状況が把握できず、長時間締め出される場合がある。これが寒い時期であれば、命の危険すら伴う事故になるため要注意だ。
家庭内における不慮の事故での死亡者数は、交通事故での死者数よりも多いということを今一度、認識していただきたきたい。その上で、乳幼児や高齢者のいる家庭では特に、日ごろから事故にあわないよう周囲の配慮はもちろん、安全対策をしておく必要がある。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 原田貴英)

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