1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災コラム
  5. 猛暑の年は被害者急増! ハチ被害に備える
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災コラムVol.203

猛暑の年は被害者急増! ハチ被害に備える

公開月:2006年7月

2010年11月10日

今回は、例年に比べて被害が増えているハチ被害について考えていきたい。

猛暑の年はハチに刺される人が増える

家の軒先につくられたスズメバチの巣で、直径20cm以上はある大きなもの。すでに役目を終えてハチはいない様子。

2010年9月、山梨県の小学校で行われていた運動会にミツバチの大群があらわれ、10数人が刺されて軽傷を負った。また、10月には栃木県で、きのこ狩りをしていた男性がスズメバチに刺され死亡するなど、各地でハチによる被害が多発している。 厚生労働省の統計によると、例年20~30人がハチに刺されて亡くなっている。主に林業関係者などだが、きのこ狩りなど行楽で山を訪れる人も被害にあっている。
しかも、どうやら猛暑の年には、住宅地や都市の郊外でもハチ被害が急増するというので要注意だ。特にスズメバチは肉食で、アシナガバチやミツバチの巣を襲うことがあるため、ハチの毒性や攻撃性が低くても危険が全くないとはいえないようだ。前述の山梨県の小学校で発生したハチ被害では、スズメバチがミツバチの巣を襲い、ミツバチが大群で会場に移動したことが原因ではないかとみられている。

人を刺すハチは3種類

人間を刺す代表的なハチはミツバチ(2~11月・攻撃性「低」)、アシナガバチ(7~8月・攻撃性「中」)、スズメバチ(7~11月・攻撃性「高」)である。ハチに刺される主な要因としては以下の通りである。

  • 汗の臭い、たばこ、香水などの刺激臭を放つ。
  • 黒い髪、黒い服などはハチの天敵である熊を連想させる。
  • 草刈や大きな音を出すなど巣に振動を与える。
  • ハチや巣に触る、叩く、振り払う。

また、特にスズメバチの場合は近づくだけで攻撃されることがあるほか、集団で襲いかかってくることもあるため、大変危険なハチである。また、東京消防庁によると室内に取り込んだ洗濯物や布団にハチが付いていて、取り込む際に刺されたというケースもある。ハチが室内に入り込むケースも想定して、スプレータイプの殺虫剤を備えておきたい。

ハチが怖い理由――アナフィラキシーショック

ハチに刺されたときに最も注意しなければならないのが「アナフィラキシーショック」である。「アナフィラキシー」とは薬物などに対する過敏性反応のことで、ハチ毒、食物アレルギー、薬物などで過剰な免疫反応を起こす。じんましん、呼吸困難、意識障害などの急性アレルギー症状が出て、最悪の場合はショック症状を引き起こし、死に至ることもある。アシナガバチやミツバチであっても、ハチ毒によって症状は出る。しかも、一度刺されたことがある人は、ハチ毒に感化してアナフィラキシーショックのリスクが高くなっている可能性がある。心配な人は病院でパッチテストを受けるといいだろう。

ハチに刺された! そのときの備えは

スズメバチに刺された場合は、すみやかに病院で治療を受ける必要がある。ミツバチやアシナガバチに刺された場合も、刺された場所以外にじんましんなどの症状が出ていれば、すみやかに病院へ行こう。病院へ行くまでの間、患部を冷やすと症状の進行を遅らせることができる。口で毒を吸い出す行為はやめておくのが賢明だ。体表にハチ毒や毒針が残っていると、口内からハチ毒を吸収する危険があるからだ。吸い出すならば、ハチ毒吸引器(ポイズンリムーバー)を使い、その後、抗ヒスタミンの軟膏を塗っておくといい。ハチ毒吸引器は1,500円前後でホームセンターやインターネットで購入することができる。アナフィラキシーショックのリスクが高い方は、医師との相談の上、抗ヒスタミンの内服薬やアドレナリン自己注射器を備えるようにしよう。

農作物にとっては益虫であるハチとうまく付き合おう

怖いイメージばかりあるハチだが、異なるイメージを持つ人たちもいる。養蜂家はハチを使って蜂蜜を作り、果物農家はハチを授粉に利用する。昨年はミツバチが不足して農作物の出荷量に影響が出るなど、ハチは、私たちの生活につながりが強い生き物で、農作物を食い荒らす憎い害虫を食べてくれる、益虫でもある。
農家の方は「人がハチにちょっかいを出さなければ刺されない」という。ほとんどのハチは巣を1年しか使わず、夏から秋にかけて活動する以外は休眠期間に入っているので、危険な時期だけ注意するとのこと。その注意ポイントを以下に紹介する。

  • 大きな声を出さない。ドアをバタンと閉めたり、巣の近くを走ったりしない。
  • ハチを手で振り払ったりしない。巣に振動を与えない。
  • 部屋の中でも食べ物になりそうなものは閉まっておく。
  • 近所の方と近くにハチの巣ができたことを教えあう。
  • 子どもには、ハチの巣に近づかないよう注意し、危険の避け方を教える。など

駆除するかどうかの判断

駆除されたアシナガバチの巣。アシナガバチの巣はお椀をひっくり返したような形が特長で、たいてい片手に収まるほどのサイズ。

ハチの存在にメリットを感じる人もいれば、ハチを見るだけでパニックという人もいる。危険だからといって、何でも駆除すればいいとも思えない。今回、複数の自治体のホームページを見て、だいたい「人の行動範囲から手が届く場所」にハチの巣がある場合は、駆除したほうがいいようである。各自治体では、ハチの被害や駆除について相談を受け付けている。もし、身近な場所にハチの巣ができてしまったら、早めに相談するとよいだろう。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 大脇桂)

copyright © レスキューナウ 記事の無断転用を禁じます。