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防災コラムVol.183

海外でのトラブルを回避するためには

公開月:2006年7月

2010年4月14日、アイスランドで火山が噴火。ヨーロッパを離発着する多くの航空便が欠航したため、搭乗予定だった多くの乗客が空港で宿泊した。気になるのは、その間にかかった旅行者の費用はいったいどうなったのかというところ。

自然災害は補償の対象外!?

海外で大きなトラブルに巻き込まれないために、事前の準備と対策は念入りに。

2010年4月14日、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河の直下にある火山が噴火した。冷たい氷河の下から熱いマグマが噴出したため爆発的な噴火となり(マグマ水蒸気爆発)、大量に噴出された火山灰が欧州各地の上空に拡散。このため航空機は飛行できなくなり、ヨーロッパ各地の空港からはもちろん、各国からヨーロッパへ向かう便も欠航した。それにより世界各地の空港では、足止めとなった多くの旅行者が空港施設で何泊もする事態に。その間にかかった費用は、はたして旅行者に補償されるのだろうか。
結論からいうと、航空会社やツアーを企画した旅行会社などに補償の義務は発生しない。また、海外旅行保険を提供している各損害保険会社では、出国を中止または中途帰国した場合に発生した費用については保険金支払いの対象としているが、航空機の欠航等で発生した費用(宿泊費・食事代など)については、保険金支払いの対象外だ。つまり、海外旅行中に不可抗力で生じた事態については、補償や保険金支払いの対象外となってしまうのである。
ただし、今回の事例では人道上の配慮という観点で、日本の航空会社がホテルの手配や客に毛布を配ったり、成田国際空港会社が食料やシャワールームを提供したりといった措置がとられた。

補償対象外の規定に注意

さて、旅行会社によって企画されたツアー旅行中に負傷などした場合についてはどうなっているのだろうか。この補償については、国から公示された『標準旅行業約款』に基づいて、航空会社や旅行会社は客と契約を結んでいる。しかし、『標準旅行業約款』にある「特別補償規定」では、補償対象外の規定も盛り込まれているので注意が必要だ。

【以下の事由によって生じた傷害は補償金等の支払い対象外】(「特別補償規定」より一部抜粋)

  • 旅行者の妊娠、出産、早産、流産又は外科的手術その他の医療処置。ただし、当社の補償すべき傷害を治療する場合には、この限りではありません。
  • 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変又は暴動(この規程においては、群衆又は多数の者の集団の行動によって、全国又は一部の地区において著しく平穏が害され、治安維持上重大な事態と認められる状態をいいます。)
  • 核燃料物質(使用済燃料を含みます。以下同様とします。)若しくは核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含みます。)の放射性、爆発性その他の有害な特性又はこれらの特性による事故。

事前に情報収集を!

外務省の海外安全ホームページには、各国の感染症の状況や情勢が書かれてあり、現状の危険を知るために役立つ。渡航の前には必ずチェックしよう。

海外旅行を計画する段階で私たちが注意すべきこと、しておくべきこととは、どんなことだろうか。
まず、前述した各種規定などに目を通して不明な点があれば、航空会社や旅行会社に問い合わせておくことだ。そして、何よりも重要なのは、旅行先の情勢についての情報収集である。外務省の海外安全ホームページには、各国の治安状況や邦人を狙った犯罪などの情報があるので、渡航先で自身の安全が確保できるかどうかの判断材料として使いたい。(社)日本旅行業協会『安全な海外旅行のヒント』も参考になるサイトのひとつである。
また、アイスランドの事例のように思わぬ出費が発生することに備え、トラベラーズチェックを出発前に多めに購入するといいだろう。トラベラーズチェックとは、外国旅行者向けに発行される小切手のことで、現地で換金できるほか、紛失した場合でも再発行が可能となっている(所定の手続きが必要)。しかし、それでも資金不足に陥るようであれば、現地の在外公館に相談しよう。
言葉も文化も異なる異国の地で、トラブルに巻き込まれることは非常に恐い。ただ、そうしたリスクを軽減するためには事前に多くの情報を収集することくらいしか術がないということ、渡航の判断は自己責任であるということを私たちは認識しておかなければならない。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 三澤裕一)

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