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防災コラムVol.171

降雪によって都市機能がマヒ、春になっても注意が必要

公開月:2006年6月

普段は積雪の少ない地域での大雪やここ数年の少雪傾向による警戒感の薄れにより、雪に伴う思わぬ事故が発生している。

雪に伴う事故や被害が増加…思わぬ事故も

雪に弱い首都圏では交通機関のダイヤに乱れが生じた

2010年2月5日から7日にかけ、非常に強い寒気と冬型の気圧配置の影響で、北日本や北陸は大雪と強風に見舞われた。気象庁は、5日16:00から「暴風と高波及び大雪に関する全般気象情報」を発表し、北日本・北陸地方を中心に暴風・高波・大雪に警戒するよう注意を呼びかけていた。

新潟市など下越の海岸平野部を中心に記録的な大雪となった新潟県では、停電、通行止めによる車の立ち往生などの被害が各地で相次ぎ、公共交通機関も混乱し市民生活に大きな影響を及ぼした。天候が回復した後も道路の凍結よるスリップ事故が多発したほか、除雪中の事故などが増加している。新潟県の発表では、2010年(以下、今年)の雪下ろしや除雪作業中の死傷者数は昨年の1.5倍超の52人(2010年2月16日現在)に上っている。死傷者の7割に当たる36人は屋根から足を滑らせるなどの転落によるものだ。また、死亡した4人はいずれも70~80歳代であったことなど、死傷者に占める65歳以上の高齢者の割合は5割を超えていた。なお、死者4人のうち3人は、1人で作業をしている最中に心筋梗塞の発作を起こしたことによる病死だった。その他、自動車の暖機運転中に排気ガスによって一酸化炭素中毒になってしまうという思わぬ事故も3件発生している。

雪の処理に伴う事故や被害の防止のために

このような雪の処理に伴う事故や被害が増加し、死傷者の多くを高齢者が占める背景には、高齢者の独り暮らし世帯の増加や自治体が予算上の都合で十分な除排雪対策が取れないことが考えられる。その対策として新潟県では、屋根の雪下ろしなど雪の処理作業は、重労働であることから、特に高齢者や作業することが難しい人は、各市町村や民生委員などと相談し、必ず2人以上で行うよう呼びかけている。除排雪対策については、県内計12市町村で除雪費用の補正予算を組んだり、専決処分などで費用を追加している。今後も多くの市町村が追加や再追加を検討している。また、この冬の度重なる大雪で積雪量が増えたことで、春に向け気温が高くなることや降雨などの条件によっては、雪崩発生の危険性が一段と高まる恐れがあるとして、新潟県は注意を呼びかけている。

首都圏各地でも積雪

気象庁の「異常天候早期警戒情報」。今後どのような気温が見込まれるのかを知る上では有効な情報である(気象庁HPより)

一方、東京23区では2年ぶりに大雪注意報が発表され、2月1日夜~2日早朝にかけて積雪を観測した(1日夜に1cmの積雪を観測)。このため都内では転倒による負傷が38人、路面の凍結などによるスリップ事故が7件あった。

また、2月17日深夜~18日午前にかけても首都圏の広い範囲で降雪となり、交通機関のダイヤが大きく乱れ、通勤客などの足に影響が出た。当日の積雪と影響は以下の通り。

  • 交通への影響(2月18日)
    【鉄道】
    <列車遅延運休>
    ・東海道新幹線 品川~静岡駅間で徐行運転、一時最大30分程度遅れ。
    ・日暮里舎人ライナーは一時運転を見合わせ。
    ・首都圏の大手民鉄各線で、多客による混雑で列車遅延が発生。
    【道路】
    ・首都高速 埼玉新都心線(新都心~さいたま見沼 上下線)で一時通行止め
  • 各地の積雪(2月18日07:00現在)
    ・栃木県日光:16cm
    ・山梨県河口湖:10cm
    ・茨城県水戸:7cm

※気象庁の統計データをみると、2月の東京の雪日数は平年値で3.5日。一方、今年)の2月の雪日数は9日。平年の約3倍の日数を記録した。

事故防止のためにイメージする

2月25日、気象庁は東京で「春一番」を観測したと発表した。このほか、中国・四国・九州北部地方でも春一番を観測し、これから暖かい季節を迎えることとなる。積雪の多かった地域では、雪解けによる河川の増水や雪崩に今後は注意する必要がある。これらの災害は、事前に気象状況や兆候を察知することで、被害のリスクを減らすことが可能であるため、気象台から発表される気象情報や自治体からの注意情報を確認するようにしたい。雪に伴う事故は毎年発生している。「自分だったらどういう対応をとるか」をまずはイメージすることから始めてはどうだろうか。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 原田貴英)

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