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防災コラムVol.164

年末年始(2009年~2010年)の荒天を振り返る

公開月:2006年6月

年末年始は発達した低気圧と冬型の気圧配置が強まり全国的に荒天となった。このため、各地で事故などが相次いだ。

年末年始に強まった冬型の気圧配置

馴染みのある富士山でも遭難事故は発生している。

年末年始は西高東低の冬型の気圧配置が強まり、全国的に暴風や大雪となる荒れ模様の天気となった。その原因は、日本海を進む低気圧が急速に発達したことと、強い寒気が日本列島に流れ込んできたためである。

なお、気象庁は30日04:50に「暴風と高波及び大雪に関する全般気象情報」を発表し、北日本・東日本・西日本の日本海側について、暴風・高波・大雪に警戒するよう注意を呼びかけた。この全般気象情報は2日04:40までの4日間で、計7回も発表されていることからみても、より注意が必要な気象状況にあったことが分かる。

ちなみに、「西高東低の冬型の気圧配置」の強さの度合いは、地上天気図で日本列島を縦に走る等圧線の数がひとつの目安となる。この本数が多ければ多いほど、「強い冬型になっている」ことを意味するが、今回の荒天でも等圧線が縦じまに何本も混みあっていた。

荒天による影響

この荒天によって、全国各地で山岳遭難や交通機関の乱れなどが相次いだ。
(以下、1月8日時点での各種報道などから)

【山岳遭難】

  1. 北アルプス・奥穂高岳(標高3,190m)【岐阜県】
    1月2日、神戸市の男女3人が、予定日を過ぎても下山してこないことから、岐阜県警などが捜索。4日、岐阜県警は男性1人の遺体を発見。残る2人については悪天候のため捜索が難航している。
  2. 北アルプス・寺地山(標高1,996m)【岐阜県】
    1月3日、1日に下山予定であった関東地方の7人が、大雪のため下山できなくなり、救助を要請。4日早朝、7人は岐阜県警により救出。負傷者等は確認されていない。
  3. 南アルプス・聖岳(標高3,013m)【静岡県・長野県の県境】
    1月2日午後、静岡市の夫婦が遭難し、救助要請。静岡県警が救助のため捜索を開始したが、悪天候のため夫婦を発見できず、同日夕方に捜索を打ち切る。3日、夫婦の無事を確認。山岳救助隊が救助に向かうものの、日没となり救助を断念。4日午前、静岡県警は夫婦を救助。軽い凍傷を負っているものの、命に別状はない。
    なお、これとは別に夫婦が救助された現場付近で、男性1人が倒れているのを発見。すでに死亡しており、6日に遺体が収容された。
    ※このほか、安達太良山(福島県)や尾瀬(群馬県)でも、遭難で死亡したとみられる登山者の遺体が相次いで発見された。

【交通】
12月31日、降雪の影響で、山陽自動車道と中国自動車道で事故が多発したため、福山西IC~美祢西IC間上下線(約250km)で一時通行止め。一部区間で雪用タイヤ着装規制が実施。なお、31日08:00頃、広島県広島市安佐北区の山陽自動車道・広島東IC~志和IC間下り線で、乗用車や大型トラック、観光バスなど約40台が関連する多重衝突事故が発生し、少なくとも7人が軽傷。
※このほか、道央自動車道や東北自動車道など全国の高速道路で通行止めが相次いだ。また、北日本~西日本の日本海側を中心とした鉄道や航空便に、運転見合わせ・欠航・遅延が多数発生し、ダイヤは大きく乱れた。

【火災】
1月1日未明、新潟県新潟市中央区本町通のアパートから出火。強風の影響で、付近の住宅にも火が燃え移り、7棟(1,000?以上)を焼損。アパートの住人1人が死亡。

【停電】
1月2日~3日にかけ、新潟県新潟市や長岡市で電線がショートする事案が多発。強風によって、枝などが電線の絶縁体を傷つけ、そこに巻き上げられた海水と雪が付着することによってショートしたとみられている。

最新情報の入手と行動の自粛

気象庁 全般気象情報(気象庁HPより)

本コラムでもこれまで述べてきたが、気象災害による被害を防ぐためには、気象庁などから発表される最新の情報を入手することが何よりも重要である。テレビやラジオなどの気象情報で、荒天を予想するコメントがあった場合には、最新の気象情報を入手し、冬用タイヤまたはタイヤチェーンの準備をする、停電などに備える、といった自身に必要となる対策について確認するよう心掛けたい。また、火の元をしっかり確認することも忘れてはならない。

そして、当然ながら海や山など屋外でのレジャーを予定している場合には、「中止」を決断する勇気も必要となる。今回の荒天でも、冬山登山の経験者が遭難している。

最悪の場合、人命がかかわってくることもあるだけに、より積極的な情報収集と柔軟な判断が求められよう。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 三澤裕一)

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