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防災コラムVol.163

灯火による火災を防ぐためには

公開月:2010年1月

ロウソクなどの灯火は、裸火による灯りや香りといった効果を得られるが、ちょっとした不注意で火災要因となってしまうということを忘れてはならない。

毎年必ず発生している火災

総務省消防庁が発行している『消防白書』によると、1998年~2008年の10年間に発生した灯火による火災は、約650件にのぼる。火災全体からみれば数が多いわけではないが、10年間を通しての発生件数の増減は少なく、毎年ほぼ一定の数で火災が発生している。

灯火による火災の原因の多くは、仏壇・神棚で日常的に使用されているロウソクによるものだ。このほか、近年ではリラクゼーションのひとつとして、灯りや香りを楽しむためのアロマキャンドルの使用が流行しており、それを原因とする火災も発生している。中には、電気・ガスを止められ仕方なく使用したロウソクによって発生した火災で死亡したというようなケースもある。

しかし、この種の火災は放火や本人が想定できない火災と異なり、意識的に注意して正しく使用すれば防ぐことができるものが多い。灯火による火災を減少させ、0件にすることも可能ではないだろうか。

なぜ灯火による火災が発生するのか

灯火による火災は意識的に注意しながら使用すれば防ぐことが可能な火災である

灯火は裸火であるため、その炎が可燃物に接近・接触することによって、火災が発生する。具体的に発生する状況としては、神棚や仏壇にロウソクを設置した際、傍にあった札に引火して発生する火災。このほか、灯りとして使用していたロウソクが倒れ、床板・テーブル・その他家具等に引火して発生する火災。長時間使用したロウソクが燃え尽きて、接触している可燃物に引火して発生する火災などがある。

また、大抵の場合は人の目のない部屋で使用していた場合や、トイレなどちょっと目を離しているうちに火災が発生し、大きな延焼火災に発展することもあった。

灯火の正しい利用

灯火を使用する場合には、すぐに消火できる準備を整えることも必要だ。

前述を踏まえ、灯火による火災を防ぐためのポイントを以下の通りまとめた。

◆灯火の設置
・ロウソクを設置する場合は、正規の蜀台を使用する。
・灯火が転倒しないよう設置場所には細心の注意をはらう。
・ロウソクを神棚・仏壇に設置する場合、炎の高さを考慮しながら、周囲に供えている物などとの距離に注意をはらう。
・灯火は子どもの手の届かない場所に設置する。また、子どもが灯火に近づかないよう注意をはらう。
・風のあたる場所では使用しない。

◆部屋を移動する場合
・生活に支障をきたさないアロマキャンドルなどの灯火については、火を消してから移動する。

◆外出する場合
・どのような用途であろうと必ず火を消す。

◆就寝する場合
・どのような用途であろうと必ず火を消す。
※万が一、周囲に引火してもすぐに消火できるように、水などを用意しておくことも重要な備えとなる。

以上のように、灯火を正しく使用することによって快適な生活を送るとともに、つまり、火をつけたまま「部屋を出ない」・「外出しない」・「寝ない」という大前提をしっかり守るとともに、スプレー型消火器などを仏壇やアロマキャンドルのそばに常備しておきたい。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 金子良太)

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