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防災コラムVol.160

施設を訪ねる「国営東京臨海広域防災公園・有明の丘基幹的広域防災拠点施設」(後編)

公開月:2006年6月

前回に引き続いて、本部棟内部を中心に行われた見学会の模様についてリポートする。

現地対策本部機能と防災体験学習施設の融合

対策本部機能の要となるオペレーションルーム

ゆりかもめ有明駅に隣接する本部棟は、建築面積約6100?、2階建てで延べ床面積は約9500?。見た目には数字以上に大きく見える。高さ70mの通信鉄塔がランドマークになっている。建物から公園エントランス広場を挟んで南側に癌研有明病院があり、患者などから公園完成が待たれる声が寄せられているとのこと。ちなみにこのエントランス広場は災害時医療支援用地とされており、同病院とも有機的に連携することとなっている。

建物内は、災害発生時の現地対策本部機能部分と平常時の防災体験学習施設部分に二分されている。国営公園の全体整備は国土交通省の管轄だが、本部棟の現地災害対策本部機能部分などについては内閣府の管轄となっており、この部分は平常時には基本的に一般開放されない。

本部棟の防災体験学習施設では、災害をイメージする力を身につけるべく、過去の災害を踏まえた臨場感溢れる体験施設となるとのことだが、現時点では整備前。オープン後の出来栄えを楽しみにしたい。また、東京都の条例に伴い屋上緑化がなされているが、防災公園エリアを見渡せることもあり一般開放もされる予定。個人的には東京湾大華火祭の穴場になるのではと思ったのだった。

なお入場料などは無料とのことだが、防災公園エリアについては緊急対応などの性質上、夜間は閉鎖されるという。

巨大オペレーションルームに情報集約

スペース内には整然と机が並べられている

見学会では、国営公園・本部棟整備事業概要の説明が行われた後、建物内の見学となったが、概要説明が行われた場所はまさしく本部会議室となるところ。近隣各所のライブカメラ映像が流されているモニターは当然テレビ会議などにも使えるよう設定されている。

本部会議室の隣にあるのが対策本部機能の要となるオペレーションルーム。2階まで吹き抜けとなっており、学校の体育館を思わせる広大なスペースだ。巨大なモニターには先程のライブカメラ映像がテストで流されているが、その両サイドにはNHK・民放をはじめ各種テレビ・データ放送も監視できるようになっており、まさに情報集約拠点をイメージさせる。スペース内には整然と机が並べられており、一部は先日の訓練を行ったままの状態となっていてリアリティーがある。ネットワークはイントラネットで外部とは区分され、関係機関とは内線電話でつながっており、「首相官邸にもつながりますよ」とのことだった。

オペレーションルームの横には自衛隊・消防・警察などコア部隊の指揮所ブースを念頭とした会議室が設けられており、そこからすぐ外のコア部隊ベースキャンプ用地へのアクセスも容易になっている。

災害対応時にはこのオペレーションルームを中心に、関係機関から300~500人程度が参加することを想定しており、1週間程度の対応活動長期化を想定して、2階に仮眠室やシャワー室なども備えられている。防災体験学習施設とを区分する共用廊下スペースが幅広く取られているのは、いざという時の移動空間の確保とともに、仮眠等の待機スペースに活用するためとのこと。防災体験学習施設の一部もすぐ待機スペースに転用できるように考慮されている。

なお、本部棟建物の免震構造を実際に建物地下に降りて見学できたが、本部棟周辺およびヘリポートを中心に液状化対策もしっかりとられている。また、災害発生後、フル運転でも72時間給電可能な自家発電機や3日分の飲用水備蓄、1週間分の雑用水備蓄・汚水貯留などの対策も無論抜かりない。

公助だけでなく、自助・共助・互助のスペースとして

去る11月5日には、NTTドコモグループ総合防災訓練が同地で開催された。首都直下型地震により、無線基地局のサービス停止が多数発生した状況からの復旧訓練が行われ、同社の部署間だけでなく、陸上自衛隊、警視庁との連携訓練も行われている。

2010年夏の開園を契機に、公的機関の各種訓練だけでなく、各種企業・団体の防災訓練等に活用してもらうほか、本部棟の会議スペースについても平常時には防災関連であれば広く一般利用してもらう方向で検討しているとのこと。また、今回のような現地対策本部機能エリアの見学会等も積極的に実施したいとのことであった。

臨海副都心エリアには多数の公園および体験施設があるが、それらとは一味違う、そして必ずためになる施設の完成を心待ちにしたい。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 宝来英斗)

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