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防災コラムVol.150

CSR型避難誘導標識「しるべにすと」がついに導入!

公開月:2006年6月

CSR型避難誘導標識がついに大阪地下街に導入された。今回はこの「しるべにすと」が、大阪の地下街で社会共有型の防災アイテムとして活用されている事例を紹介する。

避難誘導標識(誘導灯)とは

火災による煙や水害による停電などで視界が悪くなっても、避難誘導標識に従うことで安全に避難方向に誘導するためにあり、避難誘導標識には避難口の位置を示す「避難口誘導灯」、避難口の方向を示す「通路誘導灯」、避難に必要な明かりを確保する「客室誘導灯」がある。避難誘導標識には避難方向を記した矢印や非常口を示すピクトグラムが記載されており、消防法で学校や地下街、病院などの施設に設置が義務付けられている。

社会からの防火設備に対する安全性

カラオケボックスやインターネットカフェなどで発生した複数死傷火災の教訓から社会の防災意識が高まりつつあり、施設管理者は、利用者のために施設を安全にすることが期待されている。さらに、設置が義務づけられていない場所にも設備の設置を求める声は大きい。しかしながら、法令上設置義務のない場所に従来の電池式・充電式の避難誘導標識を設置する場合、費用面での負担が大きくなってしまう。また、建物の共有部分に設置する場合、関係者間での費用負担などにも調整が必要となり、簡単には設置に踏み切れないという事情があった。

一石を投じる「協賛型蓄光避難誘導標識」

JR大阪駅や、阪神・阪急・地下鉄の梅田駅への連絡地下街「ホワイティうめだ」に「しるべにすと」が導入された。

そのような状況の中で新たに登場したのが、※リソウズ社が提唱するCSR型避難誘導標識「しるべにすと」である。この蓄光型避難誘導標識は、約5時間程度光を発し続ける能力がある。また、通常の避難誘導標識とは異なり、蓄光板の下のスペースに企業広告が配されている点が特徴だ。複数の協賛企業や商店から広告費用を集め、設置費用にあてることによって、協賛企業に地域参加や社会貢献に取り組む機会を提供するものである。一般的な蓄光型避難誘導標識の特徴として、電源を必要としないため大規模な設備改修や設置工事を必要とせず工事期間が短い。電気代を削減するメリットだけでなく、電源を用意することが困難な場所や、開業中の施設でも容易に設置できるのも大きな特徴である。

参考までに避難誘導標識の設置費用について触れると、総務省が平成21年7月に作成した「大規模地震に対応した避難誘導システム」(政省令等:規制の事前評価)資料によると、20階建てのオフィスビル(床面積3300平米、延べ面積66000平米)で誘導灯の切り替え工事を行った場合、

  • 長時間定格型誘導標識のみで設置した場合、設置費用は990万(工事費含め)
  • 長時間定格型誘導標識と蓄光型避難誘導標識を併用して設置した場合、設置費用は650万(工事費含め)と試算されている。

※リソウズ社について
リソウズ社は、CSR型避難誘導標識「しるべにすと」の取り組みを通して、「施設の安全性向上と施設利用者の安心」を促進し、地域のつながりを強まることで「地域の防災、減災の意識向上に寄与する」ことを実現しようとしている。

導入事例紹介:大阪地下街「ホワイティうめだ」

ホワイティうめだには100セットもの「しるべにすと」が設置された

009年5月22日~23日の2日間にかけて、大阪市北区の大阪地下街※「ホワイティうめだ」でCSR型避難誘導標識「しるべにすと」の設置工事が行われた。ホワイティうめだは、広さが約3万平米で、テナント数は231。JR大阪駅、阪急・阪神の梅田駅、地下鉄の梅田駅・東梅田駅に連絡し、一日に60万人以上が利用する。開業から40年以上経つ地下街に約100セットもの避難誘導標識が設置されることになった。

※ホワイティうめだ ノースモール1・2及びプチシャン

2009年5月25日には、地下街が停電になることを想定した安全機能確認検査が実施された。その結果は以下の通りである。

  • 停電直後、避難誘導標識は20m以上離れた場所から避難方向を示す矢印やピクトグラムを確認することができた。
  • 30分後には13m離れた場所から矢印及びピクトグラムを確認することができ、22mの範囲では標識からの光が明かりとしても役立つことがわかった。
  • 1時間後には13m離れた場所から矢印を確認することができたが、ピクトグラムは確認できなくなった。また、誘導標識から光が発しているものの明かりとしての効果はなかった。

この検査に立ち会った早稲田大学客員研究員の神忠久氏によると、暗闇の場合、矢印やピクトが確認できなくても、避難方向に光が見えると避難者に安心感を与える効果があり、さらに次の標識が見えると安心感が大幅に増す。避難に1時間以上かかることが想定される場合には5~6m間隔で設置することが望ましいという。

電源を必要としない防災設備のメリット

停電になっても避難経路を「しるべにすと」が明るく表示してくれる。

最近、ゲリラ豪雨といった局地的に短期間で猛烈な雨が降る気象現象が日本各地で頻発している。大阪地下街は、近隣に淀川があり地下街の「梅田地下空間避難確保計画」でも淀川が決壊したときに備えた対応が検討されている。しかし、一般的な地下街ではゲリラ豪雨のような「想定を超える雨」によって地上の水が流れ込み、階段が滝のようになったり、部分的に浸水して停電に至るケースもある。「しるべにすと」のような「設置費用がかからない」「電源を必要としない」避難誘導標識は、設備の水没によるリスクを軽減する効果が期待でき、すでに充電式や自家発電式の避難誘導標識が導入されている施設でも、災害による被害をさらに防ぐという観点から、追加で設置することが期待される。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 大脇桂)

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