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防災コラムVol.130

【号外】冷静な対応が求められる新型インフルエンザ対策

公開月:2006年5月

日本時間2009年4月30日午前5時過ぎ、WHO(世界保健機関)は新型インフルエンザに関する警戒レベルを「フェーズ5」に引き上げ、新型インフルエンザによるパンデミック(世界的大流行)が差し迫っていると発表した。
こうした事態を踏まえ、私たちにはどのような対応が求められるのであろうか。

今回の「新型インフルエンザ」とはどのようなものか

メキシコを中心に感染が拡大している今回のウイルスについて、CDC(アメリカ疾病対策センター)では、ヒトの間でどの程度感染するのかは不明だが、ウイルスの型が「H1N1」であること、ヒトからヒトへと感染が拡大していると断定した。

今回の新型インフルエンザに感染した場合の症状について、明らかになっていないこともある。ただ、今のところCDCによると主な症状として「熱、咳、喉の痛み、関節痛、頭痛、悪寒、倦怠感」といったものが挙げられており、これまで想定されていたH5N1型の鳥インフルエンザに由来する新型インフルエンザの症状(全身感染)と比べると、通常の季節性インフルエンザに近い症状となっている。

感染を防止するためには

WHOの警戒レベルがフェーズ5へ引き上げられた(2009年4月30日現在)

米国テキサス州で1歳11ヶ月の幼児が新型インフルエンザによって死亡したことなどを受け、WHOは日本時間2009年4月30日午前5時過ぎ、新型インフルエンザに関する警戒レベルを「フェーズ5」に引き上げた。また、舛添要一厚生労働大臣も午前7時から緊急の記者会見を行い、新型インフルエンザが日本に侵入してくることを前提に対策を強化していることを明らかにし、国民には冷静な対応を呼びかけた。

日本時間2009年4月28日午前5時過ぎ、WHOは新型インフルエンザに関する警戒レベルを引き上げ、「フェーズ4」とした。これにより、新型インフルエンザの発生がWHOより認定されたことになった。また、舛添要一厚生労働大臣は「メキシコ、アメリカ、カナダにおいて、『感染症の予防及び感染症の患者に対する法律』に規定する新型インフルエンザ等感染症が発生した」と宣言した。

しかし、新種のウイルスが発生したからといっても、インフルエンザウイルスであることに変わりはなく、通常のインフルエンザ感染予防策が有効であることを忘れてはいけない。外出しなければならないときにはマスクを着用し、頻繁に「うがい、手洗い、栄養価のある食事摂取、十分な睡眠」を徹底し、健康的な生活リズムを維持することが大切である。また、ウイルスは目から侵入する可能性があることから、特に子どもがいる家庭では、子どもが指で目を擦らないよう注意することが必要である。

何よりも「情報」が鍵となる

適時適切な対応を行うためには、「情報」が欠かせないことも忘れてはならない。そもそも「情報」という言葉は、明治時代の軍事用語「敵情報知」の略と言われていることからも分かる通り、新型インフルエンザという「敵」の動向を掴むことが、迫りつつある危機に打ち勝つ要素となる。

現在はインターネットが広く普及しており、警戒レベルを引き上げたWHOや厚生労働省からも今回の豚インフルエンザや新型インフルエンザに関する情報が頻繁に発表されている。こうした情報を定期的に確認する手順を確立し、入手した情報を有効に活用するために、「どのような情報が発表されたら、どのような行動をとるのか」を家族で話し合うことが必要となる。

また、「フェーズ5」(WHO発表)や「第一段階(海外発生期)」(日本政府発表)が発表された現段階では、ウイルスや公衆衛生に関する情報以外にも、通勤や通学で利用する公共交通機関の運行状況、勤務先や学校の対応状況などについても随時確認する必要がある。

ひとりひとりの問題として捉える

手洗いなどの感染予防策を徹底

感染症対策は「ひとりひとりの問題」であることを常に頭に入れていただきたい。

地震に関する防災は、地質学や耐震工学など専門家の活動に拠る部分が大きいが、新型インフルエンザによる感染防止には、個人の行動に拠る部分が大きい。つまり、「人」がウイルスをうつしてしまうことから、ひとりひとりが正確な情報に基づいて行動することによって、被害を最小限に抑えることができるのである。

「うがい、手洗い、消毒の方法」といった一連の感染予防策を今のうちから真剣に習得することが、何よりの感染予防となるのである。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 三澤 裕一)

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