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防災インタビューVol.103

防災の次世代を担う人材育成

放送月:2007年2月
公開月:2014年11月

池上 美喜子 氏

(財)市民防災研究所理事、東京YWCA副会長、地震対策、防災

プロフィール

私は1960年代後半に、東京YWCAの体育部の職員をしていました。そこで水泳やキャンプリーダーとして長く関わっており、現在もYWCAの副会長をしています。ある時、市民防災研究所の初代理事長の味岡健二さんと創立者の籏野次郎さんに出会い、そこで非常に感銘を受けて市民防災に興味を持ち、お手伝いをするようになったのが防災に入ったきっかけです。

今は財団法人東京防災指導協会の調査研究専門委員、東京都の火災予防審議会委員、東京消防ボランティアセンターの会長などをしています。昨年は内閣府の中央防災会議、災害被害を軽減する国民運動を推進する専門調査会の委員をいたしました。

三つの耳よりな話

一つ目は、ある集会に出席したときのことです。私の前に、障害を持った男性が電動車椅子に座っていました。私の目に飛び込んだものは、車椅子の背もたれ部分に入っていたIDカードです。それには彼の名前、生年月日、自宅の住所と電話番号、血液型、緊急連絡先、かかりつけの病院名とその住所と電話番号、主治医まで書かれていました。これを見たときに「自分はこれだけの備えをしているだろうか」と大いに反省しまして、それ以来、私も健康保険証、名刺、運転免許証、レスキューIDカードを貼ったホイッスルライトなどを持ち歩いています。交通事故などが起きたときに、マスメディアが「ただ今身元確認中」と報道していることがありますが、それは事故に遭った人が誰であるか分からないためだと思われます。これらを所持していれば、私の身に何か起きても身元はすぐに判明するはずです。特に高齢になればなるほど名刺などは持ち合わせていない場合が多いので、外出先で心臓発作などを起こしたときに、身元不明では非常に困ります。IDカードを所持することは、とても大事だと思います。

二つ目は、ある晩、夫が健康維持のために励行している早歩きに、しきりに私を誘うので一緒に歩きました。それには訳があって「1人で出掛けて1時間以上たっても帰宅しないときには、どこかで倒れているかもしれないので、そのときは今日歩いたコースを探してほしい」と私に伝えるためでした。コースは暗くて薄気味悪い所は避け、比較的明るく人通りのある道を選んでいましたが、それは万一異常事態が発生しても、人通りがあれば発見も早いからだと分かりました。健康そのものの夫が、このようなことまで考えていたとはちょっと驚きでしたが、用心に越したことはありません。ちょっとした備えが大切な命を守ることにつながるということです。

三つ目は、財団法人東京救急協会が視聴覚障害者のために、世界初の点字および墨文字併記の普通救命講習テキスト「身につけよう応急手当」と、手話版および副音声版のビデオ「つなげよう!救命の輪~あなたの大切な人を救うために~」を作成したことです。このような素晴らしい教材があることを多くの方に知っていただき、視聴覚障害をお持ちの方が活用してくださることを切望しています。

これが三つの耳よりな話です。気が付くと「なるほど」と思われる方が多いのですが、意外に自分の身分証明をいつもバッグの中に入れている方は少ないです。自分の命を守るためにも、血液型も書いたものを入れておくことをお勧めしたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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