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防災コラムVol.95

四川大地震から学ぶ その3(公衆衛生は大丈夫か?)

公開月:2006年4月

今回は被災地の公衆衛生について取り上げる。

40年以上昔の日本の田舎があった

「昔」、というからには今年49の私の場合、既に40年以上が経過しているのであるが・・・。その頃日本は貧しかった。
しかし元気だったし、生き生きしていた。
昔、農家だったじいちゃんのうちで鳥鍋をご馳走になったことがある。鳥鍋は別に珍しくもないのだが、さっきまでそこいらをうろつきまわっていたニワトリをしめて、「お肉」にさばいて鍋にするのだ。その一部始終を見ていた私は、今食っている鳥はさっきじいちゃんがしめたやつだということを知っているのに、それでもうまかったのだった。

都江堰市役所は給水が間に合わないことから、ついに消火栓の水を生活用水に使うことを認めた。その水は生活用水として様々な用途に使われていたが、中には自分の庭で飼っているニワトリを持参し、ガスコンロで消火栓の水を沸かし、ニワトリを絞めてお湯につけ羽をむしり始める人もいた。
ニワトリはあっという間に丸裸になり、臓物を抜かれお肉に代わっていった。「仲間とこれで一杯やるんだ」とそこにいた男性はニコニコ顔であった。それはまさに、40年以上前の日本の田舎の景色であった。

鳥インフルエンザ

中国では日常生活の中にニワトリが存在する

しかし、このとき一瞬、2008年4月24日に出された外務省の感染症広域情報にある「鳥インフルエンザ発生国・地域では、不用意にトリに近寄ったり触れたりせず、衛生管理にも十分注意してください」という一文を思い出した。

ここ中国でも、鳥インフルエンザの発生が各地で起きている。目の前にいるニワトリは、残念ながら「鳥」であり、つまり「不用意に近づいちゃいけないよ」と、外務省が注意喚起しているわけだ。

しかし、中国は世界一の家禽保有国である。街中はいざ知らず、ちょっと田舎に行くとニワトリはそこいら中に走りまわっているわけだ。
一瞬ぎょっとしたが、うまいものを食って仲間と酒を酌み交わしたいというのはまっとうな親父のすることである。今ではそういうことはしなくなったが、日本だってついこの間まで同じようなことをやっていたわけだ。気にはなったが、一方で被災者のたくましさを感じ取ることができた。

浄水器はあるものの…

消火栓の周りに集まる住民

今回の大地震で、都江堰市では断水が発生していた。市内では全面的に水道が止まったため、その影響を受けていなかった消火栓の水は市民に提供されていた。日本の場合、消火栓の水はほぼ100%水道水であるため、当然飲むことができる。しかしここは中国。ミネラルウォーターも信用するなという人がいるほどで、緊急支援物資で送られてきた浄水器が、設置されていた。しかしよく見ると、その使い方には大きな問題があった。

市民は消火栓に群がり、行水をしたり洗濯をしたりしていた。しかし、浄水器から出る水は少量のため、浄水器を通る前の消火栓から出てきている水に住民が集中し、顔を洗っている男性の光景も見られた。

とはいえ、連日30℃を超える猛暑が続いていたので、私自身もその水をペットボトルに詰めて持ち歩き、飲み干してしまった。
それでも、特別下痢もしなかったし、冷たくておいしい水だったが、自分が何を飲んでいたのかについては、しっかり知りたいような気がした。

次回は、取材を通じて目にした「被災地の避難所」についてお伝えする。

(文・レスキューナウ特派員 冨田きよむ)

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