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防災コラムVol.76

運転中に緊急地震速報を聞いたら

公開月:2006年3月

首都圏の民放ラジオ6局は4月から緊急地震速報の提供をすると発表した。ドライバーとして正しく利用するために知っておきたいことと

内容と基準について

平成20年1月、首都圏の民放ラジオ6局(以下、在京ラジオと記す)は4月から放送中に震度5強以上とみられる地震が発生した場合、緊急地震速報の提供を開始すると発表した。音声のみで提供され、NHKラジオ(2007年10月提供開始)と同じ報知音の後、アナウンサーが「緊急地震速報が発表されました…」と読み上げる。各地点の予測震度や猶予時間などの情報は提供されないが、ポータブルラジオや車載機などラジオは身近なツールであり、非常持ち出し袋にも備えられているなど誰もが利用できるメリットがある。

テレビ・NHKは5弱、在京ラジオは5強以上

在京民放ラジオ局の緊急地震速報告知HP

気をつけたいのは、発表される基準がテレビと異なることだ。NHKや民放テレビ各局は5弱、在京ラジオは5強から提供することになっている。これは「ラジオで提供したことに起因する被害=運転中のドライバーの事故」が懸念されるためだ。気象庁作成の「一般向け緊急地震速報 利用の心得」では、運転中のドライバーが緊急地震速報を聞いた際に、急ブレーキや急加速をするのではないか、また、カーオーディオなどを使用して緊急地震速報を聞いていない人との対応の違いが事故を誘発するのではないかといった懸念を考慮するようにとの注意点が示されている。交通事故調査の専門家でドライバーの心理に詳しい中日本自動車短期大学 教授 大脇澄男氏(交通心理学・自動車工学)にお話を聞いた。

どこにいるかわからない

運転中に緊急地震速報を聞いたらどう対応する?

「一口に運転中と言っても、高速道路を時速100キロ近いスピードを出していたり、信号待ちで止っていたりと、状況によって注意すべきことが大きく異なります。トンネルや橋の上では、普段でもドライバーに不安を感じさせ、早く通り抜けたいと思わせます。「トンネルホビア」と呼ばれていますが、このような場所で緊急地震速報を聞いたドライバーが、急ブレーキや急加速度など、どんな行動を取るか予測できません。」
と、緊急地震速報の放送がドライバーへどのような影響を与えるのかを想定することの難しさを大脇教授は指摘する。

また、緊急地震速報を受け取ることで、その状況を判断して安全を確保するという対応が不意に求められる『ダブルタスク』の状況になることについても指摘する。例えば、運転をしながらに同乗者と会話をするとか、カーナビの操作などを行うというようなことをいう。同乗者との会話の場合、聞き流す程度の内容なら問題はないが、よく考えて話さなければならない場合、運転にも支障が出るようになるという。これは同時に複数の処理を行うとそれぞれの処理にかける「注意の資源」が少なくなり、失敗が起きやすくなるためだ。

以下、シーンに応じた運転中の緊急地震速報についての対応をまとめたので参考にしてほしい。

  • 高速道路や4車線などの幹線道路
    普段は高速で走り続け、道路上で停車しないのが当たり前の場所。緊急地震速報を聞いて急ブレーキをかけると、複数の後続車に追突され大事故になる可能性が。まず、ハザードランプで周りに気が付かせ、車間距離をとって周りがスピードをさげるのを待つ。
  • トンネルや橋梁
    阪神淡路大震災(1995年)では、高速道路の倒壊や橋梁が落下。新潟県中越地震(2004年)ではトンネル内の外壁が落下し新幹線を直撃した。過去の教訓から着実に耐震工事が進み安全性は高まっているが、一部では亀裂や落下物があることも。それがきっかけで、パニックや他の車が思わぬ動きをすることもあるので、前方車両の急ブレーキ、後方車両の動きに注意を払おう。
  • 街中の道路、住宅街の場合
    普段から交差点や歩行者の横断など、何かと神経を使う道路ではスピードも上げにくく、大規模な事故にはなりにくいと思われるが、やはり急ブレーキは危険。また、停車後も後続の車やバイクなどが追突してくる可能性があり、すぐ降車するのは危険。追突の衝撃でドアが開けられなくなることもあり、窓ガラスを割る脱出用ハンマーを備えたい。
  • クルマから降りて避難するとき
    首都高速道路では、大災害の発生時、避難に車は使用せず道路の左側に停車させ、車を離れる時は、キーと連絡先をつけることになっている。これは、道路上の車が、救急車や消防車などの緊急車両の妨げになり、復旧期も支援物資の搬送を妨げてしまうためだ。
  • 全員がシートベルトを
    緊急地震速報は、既に発生した地震を短い時間で広くに伝えるようとする情報だが、震源地の近くや機器が受信できる状態になっていなければ、情報が伝わらないまま揺れ始めてしまう。そのような場合に備え、家具などの転倒防止をするように、ドライバーを含めて乗車している人は必ずシートベルトを装着し、速度にあった車間距離を確保してほしい。
    なお、2008年6月から、自動車の後部座席のシートベルト着用が義務付けられる予定となっている。

(様々な状況をイメージしてみよう)
今回は、ドライバーの視点に立って注意すべきところを考えてみた。自分が運転していない場合にも周りの車がどういう状況になる可能性があるのか、どのような行動をとれば被害を軽減できるか自分に合った行動パターンを考えておくと、いざというときにも冷静な対応をとることができる。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター)

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