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防災コラムVol.72

警報のいろいろ

公開月:2006年3月

気象庁が出す注意報や警報について知っておくことは、いざという時に身を守ることにつながる。

52年ぶりの改正

火山ガスを放出する三宅島の雄山

天気予報で、「大雨洪水警報」などという言葉をよく聞くが、このような気象に関する警報は「重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報」として、気象庁が「気象業務法」という法律に基づいて出すものである。2007年、この気象業務法が改正され、新しく地震と火山についても警報が出されることになった。気象庁の警報が増えるのは1955年に洪水警報ができて以来、実に52年ぶり。今回は各種の警報について紹介する。

現在、警報は暴風、暴風雪、大雨、大雪、高潮、波浪、洪水の7種類。災害の危険性は、地域の社会的環境や季節などの違いなどにより千差万別である。気象台では、注意報や警報の対象となる地域ごとに、過去に災害が起こったときの気象状況と災害との関係を調査し、都道府県の防災機関とも協議して、災害の起こる恐れがある時の気象の強さの目安を作成している。この目安を「注意報基準」「警報基準」と呼んでいる。では、いくつかの警報の基準を紹介しよう。

警報の内容

火山警報のリーフレット(気象庁HP)

「大雨警報」は、大雨によって、重大な災害の起こる恐れのある旨を警告して行う予報だ。福岡管区気象台では福岡県福岡地方の場合、時間雨量が60ミリ、3時間雨量が110ミリとそれぞれ予想される場合などにこの警報を出すとされている。 なおこの基準は、状況によって変わることがある。例えば、福岡県西方沖地震の直後は、地震による地盤の緩みを考慮し、大雨注意報・警報について、基準を約5割引き下げる運用がなされた。また、大雨警報が発表されている時、台風や前線の活動により、数年に1度という大雨を観測することがある。気象台ではこのような場合は、一層の警戒を呼びかけるものとして、「記録的短時間大雨情報」を発表する。

「洪水警報」は大雨、長雨、融雪などの現象により河川の水が増し、そのために重大な災害が起こるおそれがある場合に出される。福岡地方の発表基準は大雨警報と同じなので、その際は「大雨洪水警報」として出されることになる。「暴風警報」は福岡地方の場合、風速が陸上で毎秒20メートルを超す非常に強い風が予想される場合に出される。これに雪を伴う場合は「暴風雪警報」となる。

「高潮警報」は台風などによる海面の異常上昇によって、海岸付近の低い土地などに重大な災害が起こるおそれのある場合に出され、「波浪警報」は風浪、うねりなどによって、重大な災害の起こる恐れのある場合に出される。

火山警報の発表

さて、今回の気象業務法の改正で、「地震動及び火山現象を予報及び警報の対象とする」ことが決まった。地震の警報とは、緊急地震速報のことである。それでは、火山の警報とはどのようなものだろうか。

現在、日本には108の活火山がある。平均すると年に約15の火山で噴火や異常現象が発生している。気象庁ではそのうち33の活火山(2007年12月現在)について地震計やその他の観測施設を設け、常時監視を行っている(他の活火山についても火山機動観測班が定期的に巡回し、基礎調査観測を行っている)。

噴火の危険を5段階で伝達

火山活動の場合、これまで「噴火の危険性」についての情報が、一般の人にとってどの程度警戒するべきなのかが分かりにくかった。例えば、火口付近に近づかなければいいのか、登山自体を規制するのか、あるいは住民が避難した方がよいのかという判断である。今回の改正を受けて、レベル1(平常)からレベル5(避難)までの「噴火警戒レベル」を設定、注意報、警報と避難等の防災活動の関係を分かりやすくしようとしている。

今回紹介したように、注意報や警報は重大な災害の起こるおそれがある場合に出されているが、その発表基準は地域ごとに設定されている。気象庁HPや地元の気象台などで自分の地域における発表基準を確認し、その発表の意味を理解し、自らの防災に役立てよう。

(監修:レスキューナウ 文:渋谷和久 国土交通省九州地方整備局総務部長。内閣府防災担当企画官などを経て、2006年7月より現職)

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