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防災コラムVol.69

家庭の火災に備えて

公開月:2006年3月

住宅からの火災に備えるために、用途に応じた消火器具を準備しておこう。

居間や玄関には粉末タイプ

平成19年(2007年)版「消防白書」によると、2006年中の建物火災の出火件数の中で、住宅火災が約6割と最多で、死者は2003年以降、4年連続で1000人を超えている。月別の出火件数では1~4月、12月にかけて多く発生し、全体の半分近くを占める。注目したいのは、出火原因はこんろによるものが最も多かったことだ。今回はこうした火元の小さな火災の初期消火の際に使い、操作も簡単と評判の防災グッズを紹介する。

普通「消火器」と聞くと、赤色の円形の消火器を思い浮かべるだろう。台所からの出火だけでなく、石油ストーブからの出火や木材や紙などさまざまな火元に対応が可能なのが「ABC粉末消火器」だ。ただ、3~6kg程度と女性や高齢者にはやや重く感じられるかもしれない。同じ粉末式で、約2kgとより軽い「住宅用消火器」もある。操作は安全ピンを引き抜き、ホースを火元に向け、レバーを握って噴射する。各家庭では居間や玄関付近にこうしたタイプの消火器具を置いておくようにしよう。

天ぷら鍋に差し込んで消火

「消火フラワー」。花びらの内部に消火剤がある

そうした心配をせずに済み、より手軽に使える消火器具として2007年1月に発売されたのが「消火フラワー」(モリタ)だ。マグネットが付いており、冷蔵庫やコンロなどの表面にはっておけるため、出火後にすみやかに消火にあたることができる。花の茎の内部に針金が入っており、折り曲げることが可能だ。また、「よっこらしょ」と抱えこんで消火するのではなく、炎が出ている天ぷら鍋にこの造花の花びら部分を差し込むだけという手軽さ。花びら部分に入った消化薬剤が鍋の中で溶けて火が消えるという仕組み。ただし、2本の花を同時に鍋に入れないと十分な消火ができない点に注意しよう。

このほか、「家庭用天ぷら火災消火パック」(55mm×160mmが2本)というグッズもある。やはり、鍋に入れて消火するもので、ガス栓を閉めてから油が飛ばないようにそっと入れる。火災の状態によって1パックで消火できない場合は、2本目を入れよう。

木材や紙の火災に「SAT-119」

消火フラワーと同じく噴射せずに火元を消すのが「SAT-119」(ボネックス)だ。500mlのペットボトルサイズの容器が割れ、中の消火剤が炎から酸素を遮断し消火する。この容器は「30cmの高さから落としても割れるが、75kgの握力で握っても割れない特殊な素材」という。使い方は容器が入った箱のケースを開け、ふたをはずす。消火剤の容器を取り出したら、火元に向かって投げる。「SAT-119」は天ぷら火災には向いておらず、木材や紙などの火災向きなので注意しよう。

スプレー式消火器

「ファイアーアウトM」(左)と「SAT119」(右)

投げ入れタイプでなく、スプレー式の消火器具もある。「ファイアーアウトM」(宮田工業)は、家庭での初期消火に威力を発揮する。使い方はスプレー缶上部の安全カバーを外し、火元から約2m離れ、押しボタンを押すだけ。火が消えたように見えても、スプレーの中身がなくなるまで放射を続ける。使い切ったらガスの元栓を締めよう。この製品はストーブの火災やカーテン、クッション、ゴミ箱などの火災の初期消火に適している。ただし、缶がさびついて腐食すると液漏れの恐れがあるため、流し台や洗面所など水気のある場所には置かないようにしよう。また、「消火フラワー」や「SAT-119」などと異なり、火元に缶を投げ入れてはいけない。

このように、家庭でも出火の場所や火元によって、消火器具にも適したタイプがある。使い方と置き場所などに注意して賢く使いこなそう。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 水谷公郎)

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