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防災コラムVol.39

我が家の防災計画を作ってみよう

公開月:2006年2月

家族の共通認識は重要な防災対策

自分の安全確保を考える

災害に見舞われた時に落ち着いて行動するためには、自分が置かれる状況をイメージすることが必要になる。災害はいつ起きるか分からないため、自宅、職場、通勤や通学途中などに被災した場合の行動をイメージしておくと、慌てずに冷静な対応ができ、自身の安全確保につながる。

格好のトレーニングツール

目黒巻を活用して、家族や職場の仲間と取り決めを作ろう

災害時の状況をイメージするトレーニングツールに東京大学生産技術研究所の目黒研究室(都市震災軽減工学)が2004年に考案した「目黒巻」がある。様々な時刻・場所・季節・天候に応じて、発災からの時間経過の中で、自分の周辺で起きる災害状況を具体的にイメージし、自分を主人公とした物語を記入することができるツールである。

実際に記入してみると、いかに深刻な状況になるかが分かるのではないだろうか。必要な事前・直後・事後の対策やその効果、優先順位を確認することで、自分や家族の命、あるいは財産を守り、無事な避難につながる。目黒巻は幼稚園、保育園、家庭、病院、企業などで実践されており、子供から大人まで、比較的短時間で気軽に作ることができるため是非活用して欲しい。

課題や役割を探り出し解決する

自分で被災状況をイメージして、思い浮かんだ現状の疑問や課題を家族や職場の仲間で話し合うことは防災対策として大切な作業である。何人かで意見を出し合うことによって、抜け落ちや状況判断を検証するため、自分では考えつかなかった問題点や課題などが発見できる。また、話し合いによって皆に共通の認識が生まれると、被災時の自分や周りの人の災害対応力の強化、被災後の自分の役割など、家庭や職場での取り決めがスムーズに決められる。このように家族との話し合いが重要な防災対策となる。話し合いで自分の役割や準備する中身が決まったら、それを取り決めとして書き留めておこう。家庭や職場の状況に合わせて、避難出口の確保、避難経路と避難場所、非常持ち出し品や携帯しておくもの、連絡手段、緊急連絡先などを最低限決めておくべきだろう。

取り決めを携帯し練習

救助笛やネックレス型の入れ物に取り決めを書いた紙を入れる

いざ災害が起きた時に連絡先や避難場所などの取り決めを思い出せるとは限らない。また、被災の程度によっては、精神的にショックを受けるなどして口数が極端に減ってしまう場合もあるだろう。そうした時に、取り決めを書いた紙を取り出したり、それを他の人に渡せるように携帯することが重要である。紙を丸めて入れておける救助を呼ぶ笛やネックレス型の入れ物などの防災グッズを活用するのもよいだろう。紙に書いてメモ帳や手帳に入れておいたり、かばんなどの裏に防災シールを貼っておく方法もある。また、外出先でも困らないように自分が常に持ち歩く携帯電話のメールに送っておくのも有効だろう。

家が倒壊して貴重品などが取り出せなくなったり、火災で燃えてしまうこともある。能登半島地震では、入院中の患者を被災地外の病院に搬送した。こうした場合に備えて銀行の口座やパスポートの番号、保険会社の電話番号を書き留めておこう。話せない状態になることを考えて、カルテのコピーや、治療中に飲んでいる薬、どのような治療をしているかなども記入しておくことも大事だ。

また、避難場所が変更されたり、被災状況によっては避難経路を変更しなくてはならない場合もある。さらに、備蓄品の使い方が分からないこともあるため、家族と定期的に練習しておくと実際に被災した時に役に立つ。その際に取り決めを見直すようにする。

災害を総合的にイメージできるか

平時から自分の周辺で起きる災害状況を時間経過の中でイメージし、家族で話し合ったことを共通認識として文字で持つことが防災対策となる。地震の場合なら、家の耐震補強や家具の転倒・落下防止などの事前準備、直後の携帯電話以外の代替連絡手段を確保すること、事後の集合場所への避難経路を確認することなど、時間の流れに沿った総合的な防災対策を作ることができる。また、「雨の場合」や「父親が帰宅できない場合」など、参加者が様々な条件を想定して話し合うことで、より効果的な「防災計画」が作れるだろう。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 原田貴英)

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