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防災コラムVol.28

応急手当てに威力を発揮するグッズ

公開月:2006年1月

救急車は大災害時、すぐに来ない。急場をしのぐため、出血している場合は「止血パッド」を活用したい。

家族の応急手当てができますか

自分自身や家族などが事件や事故などに巻き込まれて負傷し、目の前で大量に出血をしている時に、あなたは何ができるだろうか。救急車がすぐに来られないような大規模な災害時に備えて、基本的な止血や応急手当ての方法を知っておくことは重要だろう。

けがをした際に最も急を要する対応は心肺停止、呼吸停止、そして大量の出血だ。もし、そのような状態になった場合、時間が経過すればするほど死亡率は高まる。救急車が要請を受けてから現場に到着するまでの平均時間は、東京救急協会の統計では全国平均で約6~7分という。まして大規模災害で多数の負傷者が多方面で発生している場合、平常時のように救急車がすぐに駆けつけられないものと思われる。そこで、その場に居合わせた人による応急・救命手当てが重要になる。最近では駅や公共施設などでAED(自動体外式除細動器)が普及したことに伴い、その取り扱いや心肺蘇生、止血法を教える講習会が増加しており、そうした機会を通じて応急手当てを覚えておいてはいかがだろうか。

止血の重要性とその方法

「止血パッドAT」は止血部に当てるだけ

成人では体重の約8%(60kgの人で約5リットル)が血液だといわれている。全血液量の20%(60kgの人で約1リットル)が急速に失われると、人体には様々な変化が現れる。50%以上が失われると生命に危険が及ぶ。このため、止血は迅速かつ効果的に行う必要がある。ひざなどを擦りむいた時のように「じわっと」出てくる出血の場合は、静脈の損傷による可能性が高い。一方、鮮やかな血が勢いよく出てくるときは動脈の損傷による出血の可能性が高いため、止血は急を要する。

今回紹介する「止血パッドAT」は医療機器ベンチャーの「メディテク」が開発した止血用品だ。止血部に当てるだけで短時間に出血を止めることが可能で、誰でも、どこでも簡単に扱えることから、応急手当てのグッズとして必要な条件を備えている。事故、災害、その他の傷による出血で、医師が治療を施すまでの間に使用する。止血部に当てて、包帯やテーピングなどで固定するだけでよい。それだけで従来のガーゼに比べて迅速な止血が可能となる。

止血の基本は出血している部位を心臓より高く保ち、傷口にきれいな布を当てて、傷口を強めに圧迫することである。処置をする際には、けがをしている人の血液をできるだけ直接触らないようにする。処置する人の傷口からの病原菌の侵入を防ぐため、可能な限りググローブやゴム手袋を使うようにしたい。何もない時にはビニール袋で代用も可能だ。こうした応急用品で現在普及している物には三角巾、ガーゼ、包帯、消毒液などがあるが、緊急時に動揺したりして適切な応急処置ができないことなどがないように、前もって使い方を習熟しておきたい。

止血パッドを備えよう

止血パッドの上から包帯を巻いて固定する

「止血パッドAT」は特殊な3層構造が特徴で、1層目は血液中の固まらない部分と凝固成分を分離させ、血の塊を作りやすくし、2層目で固まらない部分を吸収、3層目でさらにそれをゲル化し閉じ込めるという仕組み。自然のパルプ綿を使用し、血液そのものの持っている血液凝固・血栓形成メカニズムを使って止血させるため薬剤などは使用しておらず、副作用の心配もない。滅菌済みで裏面に防水加工がしてあるため、血液の染み出しによる2次感染のリスクも低い。

止血処置のできる緊急医療用具として,すでに一部の自治体や消防でも導入している。学校や災害に携わる公的な機関、鉄道などの交通機関、商業施設、地域の自治会などで大量に備蓄しておいてもよいだろう。また、一般家庭での救急用常備品として用意しておけば安心できるに違いない。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 大川義弘)

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