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防災コラムVol.24

発電機で電源を確保する

公開月:2006年1月

震災時に使えたら便利。発電機の保管場所や使い方を知っておこう。

避難先でも電力は不十分

1995年1月17日の阪神・淡路大震災では、発生直後から停電のため建物内は寒く、自宅からこたつや電気ポットなどが避難所に持ち込まれた。だが、体育館などの避難先では電力が足りず、ブレーカーが落ちることがしばしばあった。そこで住民のリーダーらが、使用する電気機器を限るよう避難者にお願いして回ることもあった。自動車や公園などで過ごした人たちは、たき火で暖を取ったり、体を拭くなどするためにお湯を沸かしていた。

2004年10月23日の新潟県中越地震では、小千谷市の一部の避難所でも約1週間にわたり停電した。国土交通省の発電機能付きの照明車が避難所に来て、電源の供給や夜間の照明を行ったが、このような支援がなかったら、生活に必要な電気機器すら使うことはできなかっただろう。

業務を継続するために

持ち運びが楽な発電機

一方、どのような災害が発生しても業務を中断できない病院や消防などの防災関係機関は準備を整えている。いかなる時でも救急や救助を継続させるため、発電機や救助現場を照らすための照明車などを備えている。こうした機材の備えは、特殊な事情で業務を続けなければならない会社でも参考にしてよさそうだ。

なかでも発電機はガソリンを燃料とする機種が一般的だ。災害時だけでなく、レジャーや日曜大工などでも使えるため、家庭用として一台用意してはいかがだろう。操作方法は2~3個のボタンを押したり、ひもを引っ張る程度。重さは約10kgで、サイズは20リットルのポリタンクより少し大きいくらいなため持ち運びに便利。自動車のトランクやガーデニング用の屋外収納などに保管することができる。

ガソリンを燃料とする機種は、自動車やバイクなどの燃料を転用できるものがあり、燃料が満タン(約20リットル)の時、4時間程度の運転が可能だ。たとえば、本田社製の発電機「EU9i」(900VA)の場合、1台で100Wの電球2個、300Wのコーヒーメーカー1台、200Wのノートパソコン1台の使用のほか、15Wの携帯電話の充電や15Wのデジカメの充電を行っても大丈夫だ。注意点は使用する電気機器の消費電力の合計をそのまま発電機の出力に置き換えて発電機を選ばないこと。ラジカセや電気ポットなどは、それほどの「ゆとり」を必要としないが、冷蔵庫や小型クーラーなどは消費電力の3~5倍の発電量が必要となる。それぞれの電気機器がどの程度の「ゆとり」が必要なのか確認し、適した出力を持つ発電機を選ぼう。また、ガソリンを燃料とする機種は自動車と同様に、定期的に動かすことが必要となることにも注意しよう。

引っ張るなどするだけで操作は簡単

家庭以外では、地域や事業所で備えてもよさそうだ。その場合、高性能の発電機を検討してはいかがだろうか。50万円台(出力5000VAクラス)の発電機なら洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、照明用ハロゲンライト、テレビ、携帯電話の充電器、ノートパソコンを同時に利用できる。発電機が1台あるだけで避難所としてはかなりの機能を持てるだろう。

 

ハイブリッドカーという方法も

発電機以外に電源を確保する方法として、自動車を活用することもできる。自動車にはシガレットソケットからDC-ACインバーターで電源が利用できるものや、ハイブリッドカー自体にプラグが備えられ、簡単に電気機器を利用できる車種もある。出力が100W程度と限られているため、家庭用の洗濯機や冷蔵庫などは対応できないが、車載用の冷蔵庫やノートパソコン、あるいは機動性を生かして避難所から離れた場所や停電している地域の照明用電源、携帯電話や無線機などの通信機器用の電源としても利用できるだろう。

発電機や自動車に比べると用途は少ないものの、「手回し充電たまご」は電池がなくてもラジオから情報を得られ、携帯電話を充電するためのコネクタが備えられている。

早期の生活再建のために

災害に見舞われたとき、食事や洗濯などは火を使って工夫すれば何とかできる。しかし、その生活が毎日続いたらどうだろうか。キャンプでもなければ火を使わない生活に慣れた日本人。火災などの2次災害を防ぐために、また迅速な生活再建のためにも発電機は頼りになる。個人だけでなく、自治会やマンションの管理組合、企業などで用意して、保管場所を確認することや、メンテナンスを兼ねて防災訓練の時などに使い方を学んでおくことを勧めたい。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 大脇桂)

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