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防災コラムVol.22

無色無臭で忍び寄る一酸化炭素中毒の脅威に備えよう

公開月:2006年1月

2007年1月、北海道北見市で都市ガスの管が破断したことによって一酸化炭素(以下、CO)中毒になった3人が死亡、11人が負傷する事故が発生した。CO中毒はいつでも、誰にでも起こりうるリスクといえるが、「CO警報器」を設置することによって、中毒事故のリスクを減らすことが可能となる。

避難できずに死亡も

COは物が不完全燃焼した時に発生し、強い毒性を持っている。透明で無臭なため、気がついたときには手遅れとなりかねない。人体への影響は空気中のCO濃度によって異なるが、低い濃度であっても長時間吸い続けると命にかかわる。例えば、空気中に占めるCOの濃度が0.64%(6,400ppm)だと、1~2分で頭痛・めまいを感じ、15~30分間で死亡する。また、1.28%(12,800ppm)だと、1~3分で死亡。COは吸引すると、血液中のヘモグロビンと結合して全身を酸欠状態にするため、意識がもうろうとなり、避難できずに倒れてそのまま死に至ることがある。COがいかに恐ろしい気体であるかを示す例として、2001年9月に44人の犠牲者を出した新宿・歌舞伎町の雑居ビル火災があげられる。この火災では、出火元の3階の死者19人中16人、4階は28人全員の死因がCOガス中毒によるものだった。

必要な警報器の設置

エルコ社のCO警報器

不完全延焼によるCOの発生は火災に限った話ではない。例えば、可搬型の石油ストーブといった暖房器具を室内で使用する場合、換気が十分に行われていないとCOが充満してしまうおそれがある。そのため、長時間換気をせずに使用することは避けなければならず、各種安全装置が備わっているが、さらに、CO警報器が室内にあれば安心だ。火や煙が発生する火災ではなく、不完全燃焼のみによるCO中毒が日常生活の中では恐ろしいことなのである。最近の住宅は、旧来の住宅と比べ高密度化が進み、室内でのCO発生による中毒事故への危険性が高まっているともいえる。

CO中毒は居間や寝室だけで発生するとは限らない。キャンプ場のテントの中で換気せずにガスバーナーを使用したりと、閉ざされた空間ならどこでも起こりうる。CO警報器を開発している株式会社エルコの佐々木洋社長は、雪などによって排気ガスが自動車の車内に流れた事故を例に、自宅以外にも自動車の中に設置することを勧めている。なお、同社が扱うCO警報器は米国クオンタム社製で、ヘモグロビンに酷似した反応を示す生体擬似センサーを警報器に導入し、COの発生や蓄積によって人体がどれだけ危険にさらされているかを検知することが可能となっている。佐々木社長は「COは濃度だけでなく、漏れている時間も累積して考えるべき」と指摘し、設置場所については、「壁面でもかまわないが、できればCOガスが滞留しやすい天井から30cm以内にしてください」と話す。

その場にいても分からない怖さ

タバコによる火災に特徴的だが、炎が上がらずに数時間にわたりいぶすように燃え続ける「無炎燃焼」時にも、COの発生は警報器が作動しないと分からない。寝タバコによるCO中毒で亡くなる例もある。

添付のアンカーやネジを使って天井や壁面に設置する

これ以外にも、調理器具の不完全燃焼や換気器具の不具合といった危険性が私たちの身の回りには常にあるといえる。例えばガレージの上に部屋がある場合、COを含んだ排気ガスが壁のすき間を伝って侵入してくる危険性も考えられる。その意味で、CO警報器の果たす役割は大きい。

身の回りに潜む中毒事故のリスクを減らすためにもCO警報機の購入を検討してはいかがだろうか。

 

(文・レスキューナウ危機管理情報センター)

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