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防災コラムVol.9

知っておきたいノロウイルス

公開月:2006年1月

食品を介して感染する食中毒。夏場だけでなく、初冬から春先にかけても注意が必要だ。

嘔吐、吐き気など伴う

2004年12月末から年始にかけて、ある特別養護老人ホームで起きたノロウイルスによる集団感染による死亡事故がマスコミに大きく取り上げられ、ノロウイルスという名前が広く知られるようになった。それ以前でも、名前は知らなくても子供を持つお母さんは病院で「ウイルス性下痢症」や「下痢を伴う風邪」などと診断されたことは多いと思う。これがノロウイルスである。初冬から春先にかけて発生する食中毒による急性胃腸炎や下痢の風邪は、このウイルスを原因としていることが多いといわれていている。

食中毒の総患者数の2万7,019人のうち、ノロウイルスによる食中毒は2005年は8,727人で総患者数の32%を占めている。事件数では274件、食中毒事件総数1,545件の17.7%だった。しかし、この何十倍の人がノロウイルス感染症に感染していると推定される。

ノロウイルスに汚染された食品を食べて発症するまでの潜伏時間は24~48時間で、嘔吐、吐き気、下痢、腹痛、発熱(38℃以下)が主な症状で、嘔吐、吐き気に特徴があり、通常3日以内で回復する。

トイレ後の手指洗いがポイント

手指を徹底して洗おう

ノロウイルスの特徴は人間のお腹の中でしか増殖しないことで、食べ物の中では増えない。ノロウイルス食中毒の患者数が多い原因は、少量のウイルスで発症し、人間の手から食べ物を経由して口に入り感染を広げる「糞口感染」のためだ。つまり汚染のスタートは人間のお腹の中かノロウイルスが出てくる時、つまりトイレ(大)である。トイレットペーパーを通して手が汚染される。ノロウイルス食中毒を防ぐには、手指からの汚染を止めることが重要だ。そして、予防のポイントは手洗いである。昔から「食品衛生の基本は手洗い」という。トイレ後に手を洗わない人は少ないと思うが、はたして、きちんと洗えているのだろうか。ひょっとしたら、濡らすだけの手洗いではないだろうか。

ある学校給食で発生したノロウイルス食中毒の原因食は「ミニきなこねじりパン」で659人の患者が発生した。汚染源はキナコをつけた1人の手指からだった。

あなたはトイレットペーパーはどちらの手に取るだろうか。その手の指先が汚染している可能性が高いのだ。トイレのドアを開けたり、水道の蛇口をひねる時は汚染を広げないよう反対の手を使おう。そして手を洗う時は汚染している可能性の高い指先を石鹸を使ってしっかり洗ってほしい。当然家庭のトイレ後の手洗いが大事になる。家庭でしっかり手洗いができれば、インフルエンザや風邪の予防にもなる。

食品工場では始業時の手洗いにマニュアル通り洗っているか、チェックする人を配置したり、手指のふき取り検査できちんと洗えているかをチェックしているところもある。

カキや2枚貝から感染も

顕微鏡で覗いたノロウイルス

ノロウイルスはもうひとつ感染ルートがある。人間のお腹で増殖して、トイレで排出されたノロウイルスは、下水処理場、浄化槽を経て河川、海に流れ出る。カキや2枚貝がプランクトンと一緒にノロウイルスを吸い込み、中腸腺に蓄積されることがある。アサリやシジミは加熱して食べるが、カキは生で食べることが多く、中腸腺を取り除くことは難しいため、生カキや加熱不十分なカキフライを食べて感染するケースが多い。

生食用カキは食品衛生法で採取海域を記載することが義務づけられており、生食用として出荷できる海域は決まっている。加工用は危険なため生食してはいけない。生食用でも採取海域で判断して欲しい。採取海域に流れ込む河川の流域人口で見ることをお勧めしたい。人口が多ければそれだけノロウイルスによる汚染のリスクは高くなるといえる。

感染の拡大を防ぐには

食中毒の発生は何も夏に限ったことではない。感染を防ぐには、普段からの徹底した手洗いが欠かせない。特にトイレ後には入念に手指を洗うことで、不要な感染を防ぐことができる。また、生カキはノロウイルスに感染した貝を食べる危険性もあることを認識しておくことも重要だろう。

(監修:レスキューナウ 文:食品衛生コンサルタント 西村雅宏)

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