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防災コラムVol.1

発災時の移動を考える

公開月:2006年1月

首都圏を直撃するような大地震が起きたとき、私たちの移動手段はどうなるのだろうか?

650万人の帰宅困難者

鉄道各社は線路内を歩いて点検する

大地震が大都市を襲った場合、自宅に帰ろうとする徒歩帰宅者が街にあふれ出すことが予想される。家族のもとに一刻も早く帰りたいと思うのは自然な感情だろう。2005年7月に中央防災会議が発表した報告書によると、東京都で390万人、1都3県で650万人にも上る。

にもかかわらず、外出中の方は帰宅すべきなのだろうか。帰宅すべきか否かは、自宅までの距離や交通機関を利用して帰る必要があるかどうかにもよるが、

  • 交通手段がまひしている災害直後に徒歩で帰宅することは予測できない危険がある。道中が安全かどうか分からない上に、道路は一層混雑し、緊急車両や救援物資の流れを妨げてしまう。
  • ただでさえ大変な徒歩帰宅をした後、再び歩いて職場に出てくることは難しいなどの点を考える必要がある。

点検に時間かかる鉄道

2005年7月に13年ぶりに東京都23区で震度5強を観測した地震では、鉄道各社の職員は線路の点検作業に追われ、再開まで最大7時間かかった。首都圏であれば多数の路線を点検するため運転は当分再開しない。2006年2月に横浜で震度4を観測した地震では約4時間かかった。もし、震度6強や7の地震の場合は被害があった区間は数ヶ月間にわたって再開しないだろう。

規制される一般車両

地震発生後は救助者の搬送や消火活動を円滑に進めるため交通規制が敷かれる。幹線道路は規制区間でなくてもガラスやがれきなどで通過できない箇所が発生したり、渋滞も起こる。このため一般車両で被災地内を移動することは難しくなる。阪神・淡路大震災では被災地を多数の一般車両が行き交い、消防隊のホースを切断し、消火や救助活動に支障を与えたこともあったという。この話からも被災地での自動車の利用は極力控えるべきだ。

小回りきく自転車・バイク

小回りの利く自転車

一方、燃料や動力を必要としない自転車は、帰宅だけでなく避難所から仕事や学校、自宅を片付けに行くときなども効率よく移動できる。阪神・淡路大震災当時、一部の駅では無料で自転車を貸し出したという。しかし、通常のタイヤではがれきや割れたガラスなどでパンクする可能性もある。そこで、少し値は張るがパンクレスタイヤの購入をお勧めしたい。

自転車と同じように小回りが利くのがバイク。阪神・淡路大震災では自転車や50CCのバイクが移動手段として大いに活用された。自転車よりも長い移動が可能な点が優れている。被災地ではガソリンが不足することがあるが、容態が悪くなった人を乗せて病院まで運んだという話もあり、重宝されたという。しかし、日頃利用していない場合はバッテリー切れなどで利用できないこともある。長期間しまいこんでいるのであれば、事前にメンテナンスに出されてはいかがだろう。

徒歩移動は街の変化に注意

徒歩による移動は何も使わないため確実のように思えるが、果たしてそうだろうか。1日に最長20kmまで歩けるという方もいるだろうが、長い距離になれば、飲食物が十分でなければたどり着くのは困難だ。地震後はビルが倒壊しているなどの悪条件も重なる。コンビニエンスストアなどは壊れていたり、頭上から割れた窓ガラスや看板が落ちてくることもある。

余談だが、このような状況に陥らないよう日頃から会社のロッカーにスニーカーや軍手、その他必要と思われる防災グッズや自宅までの帰宅支援マップなど方向が確認できるものなどを備えておくとよいのではないだろうか。

帰宅しないという選択肢

もし、家族の無事が確認されれば、交通が極度に混乱している状況では帰宅しないという選択肢もある。阪神・淡路大震災では倒壊したがれきの下から助け出された人の約8割が警察や自衛隊など以外の民間人によるものだった。電車の不通や道路の規制・渋滞などを考えると、被災地内の移動は何かと危険が伴う。安全を確保できるよう十分に注意を払いたい。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 大脇桂)

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