さぎぬま幼稚園 岡愛子 園長先生
東急田園都市線 鷺沼駅から徒歩10分のさぎぬま幼稚園 岡愛子園長先生と安藤直理事長先生にお話をお伺いしました。
幼稚園の園章は、かわいい「あおむし」。将来、美しい「ちょう」となって子ども達が羽ばたいてほしいと幼稚園の希望を込めているそうです。
あゆみ
開園は昭和51年で、ちょうど30周年が終わったところです。当時植えられた桜の木が今では二人で抱えなくてはならないくらいに育ちました。30年間のうちに3千人以上の子ども達がこの桜の木の下を通って、遊んで、社会に出ていったわけです。開園当時はまわりに民家も少なく鷺沼駅がここから見えましたし、富士山も望めました。平成14年に3歳児クラスを増設して、現在は合計11クラス、総園児数300名です。
雨も楽しい徒歩通園
この幼稚園では徒歩通園を大切にしています。お父さん、お母さん方も、この時期しかできないことだからという意識を持っておられます。歩きながら四季折々の変化を感じつつ、お子様を大事に育てたいというお父さん、お母さんがこだわりを持ってこの幼稚園に来てくださっています。
毎朝、毎夕、保護者の方と私達や担任が顔を合わせますので、お話ができます。これが大事なことだと考えています。保護者の方が行事のある時にだけ幼稚園に行くだけでは、分からないことがあります。ここでは毎日、その日の出来事を担任から聞くことができます。「今日は縄跳びができましたよ」とか「○○ちゃんと遊んでいましたよ」とか。「ちょっとおもらしをしたのでお土産が入っていますよ」とかそういう会話があります。
今は桜が終わったところですので「今度は緑の葉っぱがいっぱい出てくるね」というようなことを親子で話されています。埃っぽいところに雨が降ると「地面に何か匂いがするね」とか気がつきます。雨が3日続けて降っていても、傘をさして長靴を履いて水溜りに入るのが子どもは楽しいんです。幼稚園でも、雨がポツポツ落ちてくる音を聞いたり、雨がポツポツと降るのを傘をさして感じたり、新聞紙をかぶってわざとお庭に出て、「こんなに雨が降った」と言って雨を吸い込んだ新聞紙をちょっと絞ってみたり、日頃からそういうことをやっています。何気ない場面での情緒面を大事にしていきたいと思っています。雨の音は普段車に乗っているとあまりわからないですから。
毎日歩いて通うのはやはり大変ですので、それを覚悟の上で来ていただくには、本当に意識が高くなければ2年間、3年間続かないと思います。
お母さんも子どもも、手作り体験
今は手軽に物を得ることができる時代だからこそ、お子様のために心をこめて手間をかけて手作りしてあげる時間はとても貴重なのではないでしょうか。特に幼児期の子どもには手作りの持ち物や手作りのお弁当などが大切だと思いますので、この幼稚園では子どもが使う絵本袋を縫って頂いています。
ミシンの取り扱い説明書から読んで作らないといけなかったりして、お母さん達は少し苦労されている方もいらっしゃるようですが…。でも作っている間にお子さんが「ママ、もうできた?ママできた?」と言ってきて、お母さんがほどいては縫って、ほどいては縫ってしていると、「ママ大丈夫?ママお皿を洗ってあげるから頑張って」と言って、お手伝いをしてくれたりするらしいです。それでできたら「ママはじょうずでしょう。ママはすごいでしょう」と言って園に持ってきます。あるお母さんが自分は縫い物が苦手なので、お友達のお母さんに作っていただいたそうです。それでお母さんがお子さんに「○○ちゃんのお母さんに “ありがとう”を言おうね」と言ったら、「ママに作って欲しかった」と言われてしまったそうです。上手下手じゃなくて、ママに作って欲しかったのです。私は子どもが何を求めているかすごくわかりました。ジグザグに縫えていてもよかったんです。
子ども達にも手作りの楽しさを体験してもらえるように考えています。知識を積み重ねるだけでなく、実体験を通して発見する楽しさ、喜びを大切にしています。調理、清掃、木工、野菜作り、小動物の世話など、衣食住の中から、自分ができることを数多く体験することで、知恵と工夫の積み重ねや、時間をかけることの大切さを子ども達は学んでいきます。

もちろん雨の日以外は、登園後子ども達はたっぷり外遊びを楽しんでいます。水、土、風など季節を感じながら、伝承遊び、砂場遊び、虫さがし、畑の作業、色水づくりなどいろいろな体験をしていきます。
「人は人を浴びて人となる」
子どもは遊びの中のコミュニケーションを通じて様々なことを学び、成長していきます。この園では体を丸ごと使って人と遊ぶことを大切にしています。とにかく人とつながる力を一番大事にしています。生きていくために自分一人というのは本当に小さなものです。「人は人を浴びて人となる」という言葉があります。私は小さい時は質より量だと思います。色々な「人を浴びている」うちに自分と気心の合う人とか信用できる人とか、何かフィーリングの合う人に子ども達は出会って、そこで癒されます。そして、また次の友達、その友達の友達とつながっていきます。それを自分で見つけた時の喜びは大きいですし、一人でしてもつまらないことが、2人、3人でやると喜びもとても大きくなります。「やったね!」という感じ。それが自信につながっていきます。
幼稚園の時の人とのつながりというのは、本当に欲がありません。成績がいいとか何かが優れているとか、そういうこととは関係なく、本当に感性でつながっているからでしょう。ですから、そういう友達関係は強いです。
お母さんが送り迎えをしているうちに、お母さん同士がお友達になるということも大事なことです。中にはお友達をつくるのが苦手なお母さんもいらっしゃいます。でもそういう人に対してもお母さん達の中で自然とケアができているようです。同じ立場の友達同士で、子育ての話をしたり、趣味の話をしたりできます。本当に朗らかなお母さんと、本当は友達と付き合いたくないけれど、送り迎えだから来ているお母さんがいらっしゃいますけど、1年間のうちに段々顔が変わってきて友達になっていきます。
子育ての循環
子どもの社会性を育てるためには、親同士の交流も大切だと私たちは考えています。同じ年頃の子どもを持つ親同士が交流を重ねることで、子育てに対する共通理解が深まり、子ども達を温かく見守る輪が広がります。
幼稚園の庭を開放していて、保護者の責任のもとに、遊び慣れた園庭を利用していただいています。年齢の違う子ども達が一緒に、時にはお母さん達も一緒になって遊んでいらっしゃいます。
敷地内の上のほうに「忍者の森」と言っている木々の高いところがあるのですが、赤ちゃん連れのお母さんは上のお子さんについてそこまでなかなか行かれません。そういう時には他のお母さんが「赤ちゃんを見ていてあげるから行ってらっしゃい」という風に言ってくださっています。子育ては頼ったり頼られたりが大切です。「できる方が、できる事で、できる時に」を合言葉にお母さん達にも園庭開放を楽しんでいただいています。私たちは「自分ができる時に子育てを返そう」と言っています。あの人にお世話になったからあの人に返そうというのではなくて、2年後、3年後に今度は自分が楽になった時に、小さいお子さんを連れているお母さんがいたらその方に「返そう」というような考え方で、ここでは、とてもいい循環ができています。それが私の自慢です。
お世話係の年長さん、大活躍
以前東急ケーブルテレビで取材していただいたことがあるのですが、年中さんが入園して1日目から、年長組さんが年中組さんの手を引いて、お母さんの手から靴箱へ、そしてお部屋まで連れて行く、ということをしています。
年長組さんのお世話係は各クラス6人位が出て、順番に全員やります。その間は年長のお当番さんは少し早めに登園します。このことは年中組さんのためだけにやっていることではなくて、実は年長組さんのためにという意味合いでやっています。年長組さんにとって「僕たち、わたしたち、年長組さんになったんだ。僕たち人のお世話ができるんだ。人のお世話ができたんだ。」人の役に立つという喜びや自信は大きなものです。その子たちは去年まで、泣いていた子だったのですから。その子が年長になって最初の仕事がこのお世話係です。泣いている子に「一緒に行こうね」と言って、年中さんを靴箱に連れて行って、靴箱を教えてあげて、名札の色を見ながら各お部屋まで連れて行きます。「やったー。僕4人やった!」とか、「5人やった!」とか、それは子どもにとって大きい経験です。年中さんも手を引かれて安心します。お母さんから急に離れて自分で歩くわけではなくて、そこで年長さんが手を引いてくれるのですから、その安心感は大きいのです。
なっちゃんという子がいたのですが、毎日、毎日泣いている新入園の子がそのなっちゃんが一緒だと泣きません。それで、なっちゃんが必ずその子のお世話をしました。いよいよ最後にお母さんからすっかりと離れる日がきますが、お母さんはなっちゃんと一緒に万歳をしました。その子は「かあちゃん、かあちゃん、行ってくるよ」と言って、なっちゃんと一緒にお部屋へ行きました。それが「おかあさん」じゃなくて、なぜか「かあちゃん」なんですが、それはもう感動しました。
卒園生との絆
卒園生との交流が続くのもこの幼稚園の特徴かもしれません。卒園生がそれぞれの場所で社会に貢献していることがわかることは、私たちにとって一番嬉しいことです。保護者の方たちとのつながりがずっと続いて、結婚式に呼んでいただくこともあります。30年前のお父さん、お母さんたちは今60代になっていますが、その集まりにも呼んでくださいます。そんな折には私達のやってきたやり方でよかったんだなと思います。特別なことをしてきたわけではありません。情緒を育てたり、感謝の心を育てたり、あるいは思いやりの心を育てることを大事にしてきました。親同士、子ども同士の活動年数の長さもまた私たちの誇りです。
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日本女子体育大学附属みどり幼稚園 - 6月
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さぎぬま幼稚園 - 4月
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昭和女子大学附属昭和幼稚園
2005年
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田園調布ルーテル幼稚園 - 11月
松沢幼稚園 - 10月
ゆかり文化幼稚園 - 9月
東洋英和女学院大学付属かえで幼稚園 - 8月
宝仙学園幼稚園 - 7月
国立学園附属かたばみ幼稚園 - 6月
若草幼稚園 - 5月
相模女子大学幼稚部 - 4月
光塩女子学院幼稚園 - 3月
サレジオ学院幼稚園 - 2月
和光幼稚園 - 1月
聖ドミニコ学園幼稚園


