K.インターナショナルスクール東京(KIST)は、2006年秋、地下鉄清澄白河駅すぐ近くにある旧江東区立白河小学校の施設に移転したばかりです。現在は小学校の校舎を使っているので、知らないでいるとインターナショナルスクールとはわからないくらい、周りの雰囲気に馴染んでいます。ただし、2010年には新校舎に建替える予定になっているので、数年後はまったく違った景色になっているはずです。
学校の説明をしてくださったのは、メアリー・クリスティーン副校長先生です。先生は幼児教育の主事でもあり、後述するIBプログラムで教えたいとオーストラリアから7年前来日されました。

KISTの創立は1997年。3〜5才児のためのインターナショナルスクールとして始まりました。翌98年には1〜5学年の小学校、2000〜2005年にかけて中学校(6〜10学年)・高校(11〜12学年)と対象年齢を広げ、現在では幼稚園から高校までの総合的な教育機関となっています。幅広い年齢で、50ヶ国以上におよぶ国籍を持つ子供達400人以上がここで学んでいるのです。幼稚園に約120人、小学校に約190人、中高に約100人が、都内あるいは千葉などから通ってきています。スクールバスも、広尾、東京駅、亀戸、新浦安、西葛西などいろいろな地点を経由する何種類かが用意されています。
設立当初から、ひとつの国籍に偏らず、特定の宗教を拠り所にしない男女共学の国際的な教育を提供することを目的としているため、バランスのとれた生徒の構成になるよう配慮されています。従って、一国籍が占める割合が制限されており、最大のグループである日本人とインド人の子供の数がそれぞれ30%以下になっています。先生方もアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ロシアなど様々な国の出身です。
この方針と共に、KISTの一番の特徴として挙げられるのがIBカリキュラムです。KISTはインターナショナル・バカロレア機関(IBO)の認定校で、この国際的な教育機関の認めた世界共通のカリキュラムを、プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)、ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)、ディプロマ・プログラム(DP)に基づいて提供しています。特に11から12学年のDPは、卒業試験に合格すると、国際的な大学入学資格が認められます。

授業はすべて英語で行われます。上の学年になるにつれて英語理解の必要性が高くなり、入学の条件としてある程度の力が求められますが、幼児クラスについては、英語は絶対条件にはなっていません。まったく英語の分からない子供も実際に入園しているそうです。また、小学校以上であっても、英語力の不十分な子には英語をサポートするプログラムが用意されています。同時に、親の英語力も必要条件ではありません。必要に応じて、バイリンガルのスタッフや日本語のわかる教師のサポートも受けられるので、心配しなくてもよいそうです。
入学選考では英語のテストも行われますが、審査において重視されるのは言葉だけでなく、親がKISTの教育理念や哲学をよく理解し、賛同しているかどうかという点です。KISTは、「問いかけ、考え、人とコミュニケーションをとり、リスクを避けないで、知識やしっかりした考えを身につけ、思いやりがあり分け隔てのないバランスのとれた心を持った」国際的な人材を育てたいと考えています。そのために採用しているIBカリキュラムは、日本の通常の教育と違って、教科書にたよるのではなく、自分で資料を調べたり地域の人との交流から学んだり、多角的なアプローチで学習を行います。それを十分理解してもらえているかどうか確認するのが面接です。先に触れたように、英語に自信がない場合は、日本語のわかるスタッフが同席してくれます。
途中、カフェテリアの前を通ると、白い帽子をかぶった3人のコックさんが見えました。ランチの調理中でした。よく見ると、もとは給食の調理室だったようです。見慣れた日本の学校とインターナショナルがひとつになった不思議な光景でした。制服を着た子供達の姿や教室を見ていると、日本のインターナショナルスクールというより、外国の現地の学校を訪れているような気もしました。新校舎が出来上がったら、また違った雰囲気の学校が生まれるかもしれません。
