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LCAインターナショナルスクール

校舎

LCAインターナショナルスクール幼稚園

JR横浜線相模原駅からバスで10分「日金沢上」で下車して少し歩くと、園舎の上に大きな恐竜のキャラクターがまず目に入りました。今回は、日本人の子どもたちが「英語で教科を学ぶ」英語イマージョンプログラムを実施している、LCAインターナショナルスクールにお伺いしました。小学部が2005年4月に開校し、今後の発展が楽しみです。山口紀生校長先生と山口千恵子副校長先生にお話をお伺いしました。

 

日本人のためのインターナショナルスクール

日本人のためのインターナショナルスクールは、本当に少なく、私たちの学校の他に数える程度しかないと思います。日本人を受け入れるというインターナショナルスクールは、いくつかありますが、問題はどの程度、日本人にとっての教育がなされているか、ということだと思います。私たちが目指していることは、「教育」で、その中でも「日本人としての教育」です。教育の柱は、日本人として自立した幸せな生活ができ、その上に世界で活躍できるように、ということです。このような目標を持った学校というのはなかなか難しいですし、数は少ないと思います。

 

LCAインターナショナルスクール幼稚園ができるまで

私も妻も横浜国立大学教育学部を卒業し、私は公立小学校、妻は私立小学校の教師になりました。しかし、年数が経つにつれて教師として自分が描いていた夢と、学校そして文部省とのイメージとがかなり違ってきました。若い時は比較的自由にできますが、年数を重ねるとだんだん規制が厳しくなってきたのです。

教師の世界は一般の企業とは組織が違いますので、1年目からすぐに「先生」になるわけです。大学を卒業して教師になってしまいますと、自分が過ごしてきた幼稚園、小学校、中学、高校、大学、卒業して、また学校しか知らない。そういう状況で、自分たちは社会のことを子どもたちに教えられるかというと体験がないですから難しいわけです。

これではいけないと学校を辞め、いろいろな職業を体験したり、自分で私塾を開いたりしました。私塾で、学校と同じことをするのではつまらないと思い、アウトドア活動をたくさん盛り込み、毎週のように子どもたちを釣りに連れて行ったり、山に入ったり、自転車で富士山を回ったり、自転車で北海道にキャンプに行ったり、そういったことを私塾で積極的に活動しました。

ある時、アメリカのアイダホ州にホームステイを計画しました。ロッキー山脈を子どもたちと一緒にトレッキングし、湖のそばでテントを張り釣りも楽しみました。自分のしたいことをしっかり持っている生徒たちですが、英会話力は大変お粗末なものでした。小学生は仕方がないにしても、中学生は多少でも話してほしいと思ったのですが話せないのです。私たちが教育してきた子どもたちなので、何々したいというエネルギーはたくさんあるのですが、言葉が何も出ないのです。これではとよくない思い、帰国後、子どもたちにピッタリの英会話学校を探したのですが、なかなか見つかりませんでした。今から15年前のことです。


山口紀生校長先生

山口千恵子副校長先生
山口千恵子副校長先生

よい英会話学校がないのであれば、自分たちで作ろうということで、カナダから最初の先生を呼び、英会話の指導を始めました。そのうちに、いろいろな国の人たちが集まるようになり、先生の数も子どもたちの数も年々増えていきました。

同じころ、幼児教室も始めました。私たちの私塾では小学校1年生から預かっていましたが、小学1年生の段階で、もうすでに子どもたちの間で学力に大変な差があるということに気づきました。やはり、幼児教育から手を付けなければならないのではと考えたのが1990年ごろでした。

 

幼稚園では、すべて英語

LCAインターナショナルプリスクール(英語の幼稚園)がスタートしたのが2000年です。年少から全て英語の授業になります。保護者の方は心配されるのですが、意外に子どもたちは平気です。英語を聞く力は、2ヶ月、3ヶ月で、教師の言うことはほとんど理解して動けるほど吸収が早いです。話すことも、最近は年々早くなってきていまして、ある程度文を話す子が出てきています。3才くらいですと何の抵抗もなく、日本語も英語も受け入れます。日本の場合は、日本語だらけの国ですので、幼稚園にいる間は、日本語は禁止してはいませんが、とにかく英語で話そうね、ということにしています。ご家庭では、幼稚園からこういう本を読んでくださいとか、こういう練習をしてくださいということはありますが、基本的には日本人なので、日本語できちんとコミュニケーションしてください、日本語の本も読んでください、決して無理して英語だけで過ごそうとはしないでくださいとお話ししています。


年長さんの授業風景

 

小学部では、国語は専任教師が担当

小学部では、文部科学省のカリキュラムをもとに、日本人の教師が毎日国語の授業をします。その中で特に作文教育には力を入れていこうと思っています。今の日本の教育は普通、小学校に上がると、担任次第というところがあります。例えば、1年生の時に大変作文の得意な先生ですばらしい作文指導を受けても、次の年にクラス替えがあると、担任が替わり作文指導が止まってしまうこともあります。それでは本当の力は育っていきません。そこで、LCAでは学校のカリキュラムとして作文教育に積極的に取り組んでいきます。1年生から6年生まで国語の先生が替わっても、作文力がつくように、6年間かけて力をつけていきます。通常、日本の公立小学校は、国語は担任が指導するわけですが、担任は、その日に算数の授業もあれば理科もあり、いろいろ準備をしなければなりません。そういった中で国語の授業のためにどれだけ時間を取って準備できるでしょうか?私の経験から申しますと、意外に国語は後回しになったりします。LCAでは専科で国語だけを考えて指導する教師がいますので、教師は国語の授業に対してしっかりとした目標を持って進めていけるのではないかと思っています。国語力は、国語の教師の力にかかっていますので、教師もかなり緊張感を持っています。


LCAインターナショナルスクール小学部の校舎

 

3年生までは、国語以外は全て英語

3年生までは、外国人の教師が、担任と各教科指導をすべて行います。国語だけが日本人教師です。幼稚園で日常生活では英語が話せるようになっています。勉強的なことも、幼稚園から少しずつやっていますが、勉強で使う英語も含めて、3年生までにある程度できるようにします。4年生からは日本人の教師も入ってきます。外国人教師はいろいろな国から来ており、基本的には自国で教師をしていた経験のある、資格を持った教師が担当します。今は、相模原市が教員免許を持った外国人を教師として認定するようになりましたので、学校の認可を取る上でも、教員免許を持った教師を積極的にLCAに来ていただこうと考えています。自国でも教育を目指してしっかりと勉強してきて、これからも教育に関わりたいと思っている教師です。

 

4年生からは日本の中学への進学カリキュラム

日本人として日本の私立中学校を受験しても、合格できる力をつけられるように考えています。英語での受験もできるようになると思っています。ですから子供たちは多少忙しいといえば忙しくなります。

4年生からは、算数は日本人の教師に切り替えます。国語はもともと日本人の教師ですし、理科と社会は、日本の学校だと週2時間ですが、その2時間分は日本人が教えます。LCAでは、理科と社会はそれぞれ週3時間ですので、残りの1時間は英語で教えます。その他、芸術教科、そして担任教師が外国人ですので、日本の主要4教科以外の学校生活は英語です。3年生までにかなりの英語力をつけて、4年生からは日本の勉強もしっかりできるようにします。中学に進んだ時に、日本の中学校でもしっかりと対応していけ、しかも英語も使いこなせるというのが私たちの目標です。私はいろいろな経験をしてきましたが、この学校での教育は、私の今までの学校、進学塾、幼児教室での経験から、日本人に何が必要なのかということを考えての提案なのです。

 

授業で勝負できる教師のための環境づくり

私たちは子どもに必要なものをとにかく長い間追求してきました。こういうものがあったら子どもにいいだろう、と作ってきました学校ですので、「英語」教育は半分程度と考えています。残りの半分は英語だけではなく、他にもこういう教育があったらいいな、あるいは私が教師として働いても、ここなら子どもとしっかり向き合って働ける、また、自分が子どもだったら通いたい、という学校を目指しています。そのような理由で1クラスの人数を18人に絞っています。また、小学校ですが、教師もなるべく専科という考え方を取り入れています。教師が準備をしっかりして、子どもたちに良い授業ができる、授業で勝負できる、これらのことに大きく力を入れていきたいのです。

私が教員をしていた時は、毎日4時間も5時間も教えるのですが、学校の中ではずっと子どもたちと一緒ですから、それを準備する時間はほとんどありませんでした。夜、自分の時間を使って準備をしない限りは、次の日の授業準備はできないのです。授業の準備を夜にしますと、今度は教師が社会と触れる時間がなくなってしまいます。そこでLCAでは教師が勤務時間中に、なるべく授業の準備時間を確保できる体制にしたいと思っています。

 

みんなが分かる授業

小学校のクラスにはいろいろな子どもがいます。レベル的にもいろいろですし、個性も違います。この子どもたちに時間内に全部を理解させることは無理なのではないか、大変無理なことをしているという思いが常にありました。では、そうならないためには、何をしていったらいいのだろうと考えますと、1つはクラスの人数を減らし、子どもによって勉強内容、レベルを変えること。もう1つは、分からなくなる前に対応できる育て方を、下の学年からすることになります。

幼児教育を始めましたのも、小学校に上がった時に、勉強が分からなくなる子どもが多いことからです。授業が分からなくなっていくのは、やはり、小さい時の勉強、勉強というより生活の仕方、学び方が関係してきます。例えば算数ができるようにしようと、プリントを早くから与えられた子はあまり伸びません。幼児の時は手を使って、積み木で遊んだりパズルをしたり、いろんな感覚を使いながら育てる。このような段階を着実に踏んであげることが大切です。算数の問題の「誰々ちゃんがアメをいくつ持っていて、いくつあげたらいくつ残りますか?」というのがありますが、このような経験をしているでしょうか?問題にでてくる言葉を子どもは使っているのでしょうか?「あげたら残りは?」というような言葉が日常の中に全く無くて、突然プリントで出てきた場合、分からないのは当たり前です。その時期に、その時期にあった経験を積んであげること、そして、語学力だと思います。日本語を読む力がなければ、授業が分からなくなります。

LCAでは幼稚園からいろいろな経験を積ませるようにしています。そして、英語、日本語にもかなり力を入れています。読む力、書く力に焦点を当てていきますと、授業はきっとわかるでしょう。それでも授業がわからい子どもが出てくるのでしょうか?これは、LCAの1つの挑戦です。

私が教師だった時、今日の授業がよく分からなかったという子どもがいた場合には、放課後に勉強をさせようと考えました。居残り勉強です。しかし、それができたのは1年目だけでした。2年目からは雑用が多くてできなかったのです。

その経験を生かしてLCAでは、放課ではなく、お昼休みの前に、毎日30分、その子に合った勉強をする時間を取りました。例えば、少しこの子どもにあることについて時間をかけたいという場合は、この時間を使います。分かっている子どもには、その子なりに今日は読書をしなさいとか、その子のテーマを与えておいて進めればいいわけです。

今日はこの子どもと話をしたい、この子どものここをもう少しみたいという時は、毎日の時間割の中に30分を設けることでみていきます。勉強が分からなくなる子どもが出ない、生徒が全員、学校が楽しい、授業が楽しいと思えるような学校を実現したいのです。英語だけではなく、教育のシステムから考えた、今までの経験を集大成にした学校です。

 

日本の特異性

幼稚園や小学校の英語教育につきましては、学者の方々の中には、両方の言語が習得できないと、おっしゃる方もいらっしゃいますが、日本という特異性を本当に考えて意見を言っておられるのかどうか疑問に思っています。

ヨーロッパでは英語を使う機会がたくさんありますから、習い始めが9才であっても、子どもには、モチベーションがあります。日本は本当に日本語しか使う場がありませんので、教育機関がそういう環境を作らない限り、英語が必要にならないのです。

全部日本語で事足りてしまう国ですから、そこで英語を話せるようになりなさいと言われても大変厳しいです。子どもは環境を作ってやらないと、英語が必要とは決して思わないのではないでしょうか。外国に留学させようと思えばリスクがありますし、留学に行った人の中でも、本当に英語を身につけて帰ってくる人は一部だと思います。

LCAでは幼児教育から英語教育をすることによって、ほとんどの子どもが英語を使えるようになっていきます。その中で英語が好きな子は、本当にペラペラになり、しかもその子どもたちの日本語は生活の中で習得しているわけですから、この方法が日本でできる一番良い方法かと思っています。子どもたち全てにとってこの方法が一番良い方法であるとは思いませんが、いろいろな教育方法を選択できるようになったほうがいいのではないでしょう。しかし、LCAを選択することによって、文部省が認可している卒業証書がもらえないという問題がありますので、今の法律をもう少し緩和していただけるといいと思っています。

LCAインターナショナルスクールのスタッフのみなさん

 

株式会社立の小学校

インターナショナルスクールは、普通の私立学校のように学校として文部科学省が認めていないので、LCAも他のインターナショナルスクールと形態的には全く同じで、文部省に認可された学校として卒業証書が出せないのです。

LCAの保護者の方は中学校の進学のことは、こちらが心配するほど、心配されていないように思います。その時はその時で選択肢があると、たぶんお考えになっているようです。実際に、公立中学校は義務教育ですから、子どもたちを受け入れざるを得ないということで進学できます。私立中学校も学校次第ですが、だいたいの学校で受け入れていただけます。意外に困らないというのが現実です。

ただし、お役所から「違反ですよ」と言われたり、この小学校に通いなさいと電話がかかってきたり、いやな思いをすることはあるようです。このことを、「そんなことはいいのよ。我が家は我が家のいいと思った教育を子どもにさせているのだから」と思えるご家庭がLCAを選んで下さっています。

しかし、私たちとしては、いやな思いを保護者の方々にしていただきたくないので、構造改革特区という制度を生かして市の認可をいただきたいと思っています。「株式会社立の小学校」として認定申請していまして、現在、相模原市と交渉中です。普通のインターナショナルスクールですと、日本語の授業はあっても、日本語を使って理科や社会を教えたりしていません。そのまま日本の中学進学すると困りますが、LCAは日本の中学に進学したとしても、授業内容についていけるように学力をつけていきます。それが一般的なインターナショナルスクールと違うところです。

 

塾が楽しい訳

学校というところがきちんと機能するのが理想ですが、今は機能していないから塾に行くということになります。しかし、子どもは塾で楽しんでいます。

子どもは、ちょっとがんばって自分が手を伸ばせば届く目標を与えてもらい、それができた時がやはりうれしいのです。学校でレベルが違う子どもたち40人の中で授業をすれば、分かっている子どもはつまらない、わからない子どももつまらない。教師はほんの一部の子どもを相手に授業をしていかなければならないのです。しかも授業の準備はどれだけできるかといった場合が多いので、かなり厳しいです。

このような問題に対してしっかりとした対応をしているのが塾です。私も塾を運営していた時に、1時間の授業のために、倍ぐらいの時間は、準備にかけていました。準備万端で授業をするから、授業も面白いのです。クラスも能力別に分けることのよって、その子どもが一番学びやすい環境を整えますから、子どもは塾が好きなことが多いのです。学校では言わないようなことを塾の先生には話していたりします。

しかし、子供たちは塾に来る時は疲れ果てています。夜、子どもがカバンを持って道を歩いている姿は、私はどうしても納得がいきません。子どもが昼間の時間を無駄にしていて、夜に生き生きしているというのはおかしいでしょう。昼間の時間が充実していなければ、子どもたちのためにはなりません。

勉強する楽しさというのも塾で教えてくれたりするのでしょうが、ダブルの生活がずっと続くのは、子どものためには、やはり良くないことです。昼間を改革するために正面から切り込んだのがこの学校です。役所が認めてくれるまで待っていても、いつになるのかわかりませんので、とにかく目の前にいる子どもが困っているので始めようと思っています。

まだ形がないところに、快くお子様を預けてくださる保護者の方が、実際に40数家族いらっしゃったということは、とてもありがたいことです。私がどんなに言っても生徒さんがいらっしゃらなければどうにもならないのですから。LCAインターナショナルスクール小学部を開くに当たって、保護者の方々が私たちの提案に対して、子どもたちを任せて下さったので、今後も是非よい提案をしていきたいと思います。

 

LCAでは卒園生は当然ながら、帰国生も積極的に受け入れるとおっしゃっていました。外国人の方々にも日本の文化を学ぶということで、LCAの選択には意味がありそうです。現在も外国人のお子さんが何人かいらっしゃると聞きました。

LCAに通う子どもたちは、小学部は相模原市が30パーセント、横浜市が20パーセント近く、幼稚園は50パーセント以上が相模原市在住だそうです。

新しい形態のインターナショナルスクールとしてこれからのご活躍が楽しみです。
山口先生、ありがとうございました。

 

3月17日(木)

LCAインターナショナルスクール HP

 

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