第7回 すぐれた絵本の条件(その2)
前回に続いて“すぐれた絵本の条件”について考えていきたいと思います。
第二に条件としてあげたいのは、「主人公が魅力的であること。幼い子どもは絵本の主人公に自分を投影してみるので、主人公が生き生きとして魅力的であることが大切である。」ということです。
主人公が斜に構えて物を見たり(大人子どもの様)、大人のはめた枠の中だけに生きている良い子だったり(期待される子ども像)、やたらハチャメチャで暴君だったりという絵本からは子どものこころ、豊かな感性は育たないと思います。
また、これは直接主人公とは関係のない事なのですが、子どもが読むものだからといって、自然界の約束ごと、生命の連鎖をぼかしたり、うすめたりして表現することなどは、あってはならないことだと思います。むごいと思われることも仮借なく書かれていることが、真に子どもというものを信じていることだと思うし、その子どもたちの健やかな成長を願うからこそ大切なことなのだと思います。
では、“昔話絵本”というものをどう思うかということについてですが、基本的には口から口へ語り継がれてきた昔話は、人の描いた絵本でみるより、聞き手が自由に想像をめぐらせて楽しむものでありたいと思いますし、“落語絵本”についても、私は本物の落語を聞くことで体ごと楽しんでもらいたい。そこに落語というものの面白さの真髄があると思います。
なんでもかんでも絵本にして、ちょいとエキスをなめてそれで事足れりというのはどうなのかなと思います。
今回の一冊

「くんちゃんのだいりょこう」
ドロシー・マリノ 文/絵
岩波書店 1,050円(税込)
秋も深まってそろそろ冬ごもりに入らなければならないくんちゃんですが、南へとんでいく鳥に刺激されて大旅行に出かけることに、でも・・・。
子どもらしさあふれたほほえましく、楽しい絵本です。

1942年生まれ。
学校を出た後、一般企業に就職。
当時はまだ少なかった出産後も働き続ける事を選択。
企業で16年働き保育士に。保育園で24年。
洗心保育園を最後に退職。人生の第3ステップとして今、絵本の店「星の子」を主宰。
子どもの本の研究会、わらべうた ・おはなしの会をお母さん向けに開催。「石川町文化センター」等にて「0〜3才の子どものために子育てミニ講座」
大森児童館、羽田児童館、本蒲田・新蒲田児童館等のにて「わらべ歌」「絵本の選び方」の講演会
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