第36回 教え子の突然の訃報に接して
教員の回りにもいろいろなことが起こる。師走に入って間もなく、三年前に卒業したM君の母親から年賀欠礼の葉書が届いた。「Mは今年八月十六日…」M君は一部上場の有力会社から内定をもらっていたのに、私の「君は民間企業には向かない」という忠告に従ってS市に就職した。
「幼稚園の送迎バスの運転手さんなんかがいいね」
彼のナイーブな性格を考えて、私は言った。
しかし、彼は成績抜群であったのでエリートコースの収入役室に配属された。
小さなミスも厳しく叱責される職場環境に彼はついていくことができなかった。
「不登校の学生の面倒を見ることが出来る」という私の小さな自信は音をたてて崩れて行った。
慟哭
中田、何で逝った
何で俺より先に逝った
何で俺より先に、俺に黙って逝った
中田、お前に言ったろ
苦しいことがあったら話しに来いと
苦しいことがあったら何時でも来いと
中田、どうして来なかった
どうしてお前は俺のところへ来なかった
俺のことを知りながらどうしてお前は
俺のところへ来なかった
中田、そんな深い悩みを持ちながら
そんなに苦しんでいながら
どうしてお前は俺のところへ来なかった
中田、何で逝った
何で俺に黙って逝った
何で俺の許可なしに逝った

Photo by 飯田純一
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- 第32回 大盤振る舞い
- 第31回 援農隊に参加して
- 第30回 明子ちゃんへ
- 第29回 明子ちゃんからの手紙
- 第28回 コスモスの土産
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