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銀八教授のWarm Heart Letter & Essay

銀八教授(福原好喜)のプロフィール

銀八教授の本

第30回 明子ちゃんへ

明子ちゃんへ

みんな暗いあぜ道こわがっていたけど、「田舎の夏休み」で、ホタル見学ができて良かったネ。

明子ちゃん、ホタルはネ、オスとメスの交信を光を利用してやるので、光のない暗いところでないと生きてゆけないんだ。街路灯の近くでは、お互い恋の相手が確認できなくて、ランデブーが成功しないんだヨ。おじさんはね、彼らの季節になると、街路灯にズボンを切ってカバーを掛けてしまうんだ。だからおじさんの田んぼは暗いんだヨ。

彼らはまた、農家の使う農薬が大変苦手なんだ。農薬をまかれると、水の中の幼虫は生きてゆけないし、食料の「かわにな」も全滅してしまうからね。人間はホタルが好きだけど、きっとホタルは人間が嫌いだね。

おじさんはネ、ホタルのために、田んぼの回りの灯りを消して、農薬をまかないようにしているんだ。明子ちゃん、あの山の中の田んぼにはね、多分、おじさんの家が百姓を始めてから何百年って、平家ボタルがすみついているんだ。おじさん百姓だけど、平家が好きだからネ、おじさんの代に「平家」を亡ぼす訳にはゆかない。と思っているんだヨ。

ナニ、秋にコスモス見に来たいんだって。イイヨ。お姉ちゃんやお母さんも連れて来いヨ。おじさんのとこではネ、秋には柿もぎや栗ひろいができるよ。お勉強だけでなく、「田舎の夏休み」の時のように、家のお手伝いもするんですヨ。じゃあ元気でね。バァーイ。

福原のおじさんより

Photo by 飯田純一


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