第15回 王様を育てる−農民教授の農産物
「私は農業をしています。」と言うと、大抵、人は大学の教員が趣味で農業をしているのだろう、と思う。趣味の要素がない訳ではないが、私はこの40年間趣味で農業をしてきた訳ではない。大学を止めたら専業農家に戻る。
福原農園はフルーツ農家である。中でも最も力を入れているのは、間もなく収穫期を迎える枇杷である。かつては大規模農家として、全量、大田市場に出荷をしていたが、今では市場流通を通さない、宅配便による直送システムをとっている。
私は鮮度が生命の野菜や、完熟度が生命の果物は市場を通すよりも、エンドユーザーに生産者から直接生産物が届く直送便の方が優れていると思っている。
完熟をギリギリまで待った枇杷が、収穫の翌日、お客様の食卓にのる。お客様から枇杷がおいしくなかったというクレームは今まで1件もない。お客様の口コミによって、宣伝しないのに毎年売上げが拡大している。
昨年、枇杷を宅急便でお中元に使ったM社長から電話があった。「驚きました。去年のお中元の倍以上のお返しが来るんです。」
中間マージンを省くことによって、当園の枇杷の価格は、市販の半値から3分の1。福原農園の主力はかつてNHKの報道番組で「幻の枇杷」と称えられた瑞穂。しかも当園独自の栽培技術によって、大半が特大の4L。1個が100グラム以上である。
その豊潤さ、香り、果肉のやわらかさ、その風格によって、瑞穂は、初夏の果物枇杷の王様であると思う。
かってジュディ・オングさんの「王様を食べよう」という番組があった。当園の自慢の瑞穂はそんな番組にふさわしいのではないかと密かに自負しているのである。初夏の訪れと共に王様がわが家から出て行く日が近い。
福原農園の枇杷の価格表はこちら(別ページ・添付/flash paper 224KB)
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Photo by 飯田純一
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