第2回 さらば銀八先生−卒業生からの手紙
焼きいもはいかがですか?
根本沙保利
さらば銀八先生、今日でお別れです。
今、私が心から思う事はただ一つ。
銀八先生、先生に出会う事ができて本当に良かったです。先生はすばらしい行動力と温かい心、そして熱い情熱をお待ちだという事は、今までの授業でのお話や、先生の本から伝わってきましたが、もっと私の心を揺さ振る出来事がありました。
それは、一昨年の11月の寒い日の事でした。
以前から先生は、新潟中越地震のため、山古志村の全住民2千数百名の方々が避難生活を余儀なくされており、冬の訪れを控え不安な日々を送っていらっしゃる、その山古志村の小学生全員にクリスマスプレゼントとして現金を送りたいと、学校でバザーを実施するとおっしゃっていました。
ある日の夕方、私は授業を終え、家路に着くため、正門に向かうと、「焼きいもはいかがですかー?」という大きな声に気付き、そこに目を向けると、多くの学生が道の端で、とても寒い中、肩を震わせながら、一生懸命に声を出していました。先生も上下真っ白なジャージ姿で立っていらっしゃいました。私はこの学生達を見た瞬間、心臓が揺さ振られるような感覚に陥りました。そして、心の奥が温かい気持ちになりました。
先生の呼びかけで、多くの学生が集まり、心に勇気という名の灯りが点る。心の温かい人間が生まれる。先生が生涯かけて、若い世代に伝えようと思う事が解った瞬間でした。
私も後日ほんの少しの勇気を胸に、家にあった毛布を新潟の被災者の方々へ送ることを決意しました。

先生どうぞこれからも、心の温かい人間が一人でも増えますよう、今のままの先生でいて下さい。
最後になりましたが、お体に気を付けて下さい。1年間どうもありがとうございました。
Photo by 飯田純一
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