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第38回 品川女子学院中等部・高等部 平川 悟先生のご紹介
品川女子学院中等部・高等部 広報部長平川悟先生よりご紹介いただきました自修館中等教育学校の鈴木書彦と申します。平川先生には様々な場面でご指導頂いております。ご指導のみならず、ある時は自転車を頂いたこともあります。本当にお世話なっております。
自修館はこの4月でようやく創立10周年を迎える新しい学校です。もともと高校があって、新たに中学募集を始めたという学校でもないため、ご存知のない方ばかりだと思いますのでご一読いただければ幸いです。
自修館は神奈川の伊勢原にあります。東京はもちろんのこと神奈川にも中高一貫の私学が数多くある中、なぜ10年前に学校を立ち上げたか。それは自修館にしか出来ないことがあると考えたからです。そこでこのエッセイでは自修館の特徴的なことをいくつかご紹介させていただきたいと思います。
机とイス
まず入学が決まりますと、生徒は保護者と一緒に6年間自分が使用する机とイスを組み立てます。この机とイスは総木製で、高さを調整できますので自分の成長に応じて変えることができます。6年間使い続けるのですから、汚ししまうことそして何かいたずらで彫るということはありえません。また木製ですので、とても重さがあります。清掃の際は一人で運ばず、友達と協力し2人で運びます。つまり机とイスは、ものを大切にする心とひとと協力する心を養います。そして卒業するとその机とイスを数え切れない思い出と共に、自宅へと持って帰るのです。

こころの教育
次に「こころの教育」です。核家族が当たり前の今の時代、保護者の方は「子育て」に関し不安があるようです。特に思春期にどのように子どもと接してよいのかわからない。といった声も聞かれます。また子ども自身も自分の感情をどのようにコントロールすべきかが分からないようです。また、他人との付き合い方についても同様です。
自修館では「こころの教育」を大切にしています。単なる勧善懲悪を説く「道徳教育」とは異なり、EQ理論を基にしたEQ教育を開校当初より実践しています。その基本的な考え方は「人といつまでも仲良くつきあっていくためには、相手の感情を読み取り、自分の感情を上手に表現する能力が必要である」というものです。
生徒は毎年EQ診断を受けます。IQは知能指数を計りますが、EQ(Emotional intelligence Quotient)はこころの知能指数(感情をうまく使いこなすための知能)を計ります。もちろん人のこころ全てが数値化できるとは思いません。しかし、ある程度の傾向として、生徒は自分を客観化して見ることが出来、自分に足りない点や良く出来ている点を認識するのです。これらは当然保護者の方にもお伝えできますので、「子育て」の際の参考にして頂くことが出来ます。もちろん我々教員の指導の際も然りです。
また授業で「セルフサイエンス」というEQを扱う科目があります。1年では「人と人とのコミュニケーションについて考える」2年では「自分自身の心の動きについて考える」3年では「自分自身への自信を深める」といったテーマを持ちクラスにて行われています。
これらにより自分の個性を失うことなく、そして他人の個性も尊重しながらいかに皆でやっていくか。大人でも難しいことだと思いますが、それを実践すべく日々行っています。
探究
そして「探究」があります。小学校の総合学習に近いものですが、小学校と異なるのは生徒一人ひとりが、自分の興味関心あるものを4年間調べ続けます。生徒は必ず大学のゼミのようなものに所属します。私のゼミでは、コミュニケーションに軸をおいて探究に励んでいます。テレビショッピングに興味のある生徒は説得コミュニケーションを調べ、広告に興味のある生徒はマスコミュニケーションを調べ、いじめ問題に興味のある生徒は対人コミュニケーションを調べ、その上で経済学や経営学や社会学についてなどと学際的に考察を深めていきます。通常の授業ですと予め決められた教科書を使用し、生徒は受身です。それに対し探究では、生徒自ら関心のある本などを持ちより、教員に対しこう言うのです。「ねぇ先生聞いて・・・」。生徒が能動的に調べたことを教員に伝えるのです。また探究は机上のみで行なわれるものではありません。学校の中だけに止まらず、フィールドワーク(実地調査)を行います。1,2年は日帰りで神奈川近郊になりますが、3年では関西、5年ではヨーロッパ(ロンドン・パリ)またはアメリカ(ボストン・ワシントン・ニューヨーク)へと自分たちで行き先を調べ、アポイントを取り計画をたてます。
またこの「探究」の成果は毎年10月に行われる「探究文化発表会」にて発揮されます。生徒一人ひとりの「探究」をパワーポイントや掲示にて来校される方々に説明します。
この「探究」を通じて、問題意識、情報収集力、問題解決力など総合的な力を養うことが出来ます。

JOIN
さらにJOIN(Jishukan Original Interactive Network)があります。遅刻や欠席連絡に始まり、お昼のお弁当注文や生徒同士、保護者同士の掲示板や自宅学習システムなど多岐に渡るものです。ネットでのやりとりなんてとんでもない、と思われることもあるのですがとても便利なのです。良い点として、保護者の方は電話で伝える程の内容でもない、ちょっとした家庭での出来事や生徒の変化をJOINで担任に連絡してきます。例えば「昨日の夜、息子と口論になりました。朝も不機嫌そうに家を出て行きました。学校で様子を見てください。」といったような感じです。そして実際にその生徒が登校し、教室へと入ってきたとき普段する挨拶をしないとします。もし何も情報が無ければその生徒に対し、なぜ挨拶をしないのかと問いただすことになるかもしれません。そうしますと、まさにその生徒に対し火に油を注ぐことになります。それに対しJOINで情報が入っている状態ですと、まだ登校しても引きずっているのだと認識でき、逆に、いつも挨拶をするのに今日はどうしたのかと尋ねることができ、結果生徒から「先生、聞いてよ、実はね…」と生徒の本音を引き出すことができることにもなるのです。そしてそれをご家庭に今お子さんはこのように考えていますよ。とお伝えすることができるのです。このようなことは、逆に教員から学校でのちょっとした良い出来事もご家庭に連絡することもあります。一見すると無機質そうなパソコンを介してのやりとりのようですが、ご家庭との関係を密にすることでとてもホットな情報交換の場となり、生徒をより良く、そして深く理解するための場所となっているのです。
卒業式
先日(3月3日)第4期生の卒業式が行われました。自修館の特徴の一つに少人数制がありますが、その特徴を活かしたのが、卒業スピーチです。卒業生全員が一人ずつ6年間の思いを自分の言葉で語ります。卒業式を単なる式とせずに、最後まで個を大切にする等身大の自修館の集大成がここにあると思います。在校生、保護者のいる前で泣くことができる。ともすれば格好の悪いものなのかもしれません。しかし泣くことができるということはそれだけ、この6年間に想いが詰まっているということだと思います。様々な6年間の思いを言葉に託していましたが、その中で多く聞かれた言葉は「両親に感謝します」でした。面と向かって親に対しありがとうという言葉は照れくさいものです。しかし一つのけじめとして、感謝の印として自分の言葉で伝えるのです。予期せぬ子どもの言葉の数々に保護者の方も何度となく、ハンカチで目頭を押さえている姿が印象的でした。

上記以外にも「丹沢クライム」「土曜セミナー」など自修館ならではの行事等は数多くあり、挙げればきりがありませんので、ここまでにさせていただきます。
以上取りとめも無く、思うままに書き連ねてしまいました。自修館は素朴さの中に芯の強さを培うことのできる、一人ひとりに目が行き届く少人数の学校です。大人数の学校では埋れがちな個性を伸ばすことのできる学校だと自負しております。ぜひお子さんの性格にあった学校選びをしていただければと思います。
場所が小田急愛甲石田駅という郊外ではあり遠いと思われがちですが、意外と遠くなかった(決して近いとは申しません)という声も聞かれます。百聞は一見にしかずですから、是非一度お足をお運びいただければ幸いです。
自修館中等教育学校 HP
1年まえ組 中等部情報
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