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第24回 森村学園中等部高等部 藤原伸介先生のご紹介
森村学園の藤原先生から紹介をいただき、「1年まえ組 中等部」の第25回の「せんでん」のコーナーに寄稿することになりました、桐光学園の有馬です。
これから私の勤務する桐光学園について書いてみたいと思います。
全部で141校ある神奈川県内の私立学校の中にあって比較的新しい学校である桐光学園も、「どこにいても社会の一隅を照らすことのできる人間を育成したい」と小塚光治先生が建学してから、来年で創立30年を迎えます。
桐光学園の特徴
「青垣の多摩のふところ 土匂う栗木の丘よ」と校歌が始まるように、桐光学園は川崎市麻生区栗木の緑豊かな自然の中に敷地面積80,255㎡という広大なキャンパスを構えています。その恵まれた環境の中で、約1200名の中学生と約1700名の高校生が日々生活を送っています。
多くの受験雑誌は、学校を「男子校」「女子校」「共学校」と分類していて、桐光学園は大体「共学校」の中に入っていますが、実は桐光学園では同じ敷地の中にあっても男子生徒と女子生徒は別々に学んでいて、「男女別学」というスタイルを取り入れています。
授業を分けて行っている理由は、男子と女子とでは学習内容を理解していくプロセスで若干の違いがあり、それぞれの特性の違いに合わせて授業を展開することで、より高い効果を上げることができると桐光学園では考えているからです。
別学であるとはいっても、授業以外の例えば文化祭や体育大会といった学校行事、生徒会の活動や文化部の活動などは男子も女子も合同で行い、お互いに協力し合って学園を盛り上げています。
中学校は各学年とも1クラス約40名で、男子6クラス、女子3クラスの9クラスの編成になっています。ホームルーム運営は、1つのクラスを担任と副担任の2名の専任教員で指導する完全な「2人担任制」です。また女子のクラスでは担任、副担任のどちらかが必ず女性教員であるという配慮もしています。この担任集団は、中学入学から高校卒業まで、生徒たちの学年が上がるのと一緒に6年間を過ごしていきます。

私の場合は、平成元年から桐光学園での教員生活をスタートさせました。最初に高校1年生の学年を受け持ち、その生徒たちと3年間、次に平成4年の4月に入学した生徒たちと6年間、そして平成10年の4月に入学した生徒たちと6年間を一緒に過ごし、現在受け持っている生徒たちとは平成16年の4月から3年目の学園生活を送っています。
さて、「2人担任制」や「6年間の持ち上がり制」といった生徒指導を実践できるのは、専任の教員が大勢いるからです。学校規模が大きい桐光学園には現在180名もの教員がいますが、実に全教員の92%、166名が専任の教員です。
多彩なクラブ活動
桐光学園ではクラブ活動が盛んです。運動部と文化部を合わせて47のクラブが活動しています。地道な研究を続けている生徒、舞台の上でスポットライトを浴びることを夢見ている生徒、全国で1位になることを目標にしている生徒、それぞれが自分の居場所を見つけて放課後はいつも活気に溢れています。

私が顧問を務めているクラブは「技術工作部」といいます。毎年秋に開催される「本田宗一郎杯 Hondaエコノパワー燃費競技全国大会(通称エコラン)」に出場することを目標に活動しています。このエコランでは、Honda製50ccエンジンを積んだ自作の車両で、燃費(1ℓのガソリンで何km走行できるか)を競い合います。今年度の第26回大会へも中学生の部と高校生の部へそれぞれ1台ずつマシンをエントリーし、中学生の部では376.07km/ℓという結果で参加13台中5位、高校生の部では475.973km/ℓという結果で参加171台中59位という成績を残しました。

歓喜の瞬間
ところで、長く教員生活を続けていると嬉しい瞬間というものに幾度も出会います。今度は、つい最近経験した「歓喜の瞬間」について書いてみようと思います。
私は中学3年生の男子クラスの担任をしていますが、中学3年生の授業だけを担当しているわけではありません。また男子クラスの授業だけを担当しているわけでもありません。今年度は中学3年生の男子を1クラス、女子を1クラス、高校3年生の男子を1クラス、女子を2クラス担当しています。
私が授業を担当している高校3年生の男子クラスには、高校サッカー部のキャプテン高橋君を始めとして現チームの主力選手が何人かいます。高校2年生の時にも授業を担当していた関係で、高橋君からはよくサッカー部の苦労話などを聞きました。
「桐光学園はサッカーが強い」とよく言われます。ところが今のチームは決して順風満帆に一年を過ごしてきたわけではありません。昨年末に高校3年生が引退し、その後を受けて高橋君が新チームのキャプテンを任せられてからというもの、サッカー部の戦績は惨憺たる結果でした。
4月、関東高校サッカー大会神奈川県予選のトーナメントでは川崎北高校に0-2と敗れ、桐光学園は早々と2回戦で姿を消しました。6月、全国高校総体サッカー大会神奈川県予選トーナメントでは武相高校に0-1と敗れ、なんと1回戦での敗退を経験しました。この頃から「史上最弱」などとチームが揶揄されるようにもなりました。試合のある土曜日、日曜日を挟んで、月曜日にサッカー部の生徒たちと顔を合わせるのが大変辛かったことを思い出します。
高校総体予選を1回戦で敗退したために、チームはシード権を失い、全国高校サッカー選手権大会神奈川県予選を、1次予選のトーナメントから戦うことになりました。優勝するには、2次予選トーナメント、3次予選リーグ、決勝トーナメントと、実に10試合を戦い続けなくてはならなくなってしまったのです。神奈川県代表として全国大会へ出場するためには、野球もそうですがサッカーでも大変険しい道のりを歩まないといけないのです。
夏の長期合宿では凄まじい練習量をこなしたのだと高橋君から話を聞きました。それまで攻撃一辺倒であったチームは守備力が強化され、大きな変貌を遂げていったのだそうです。
練習試合でも勝利する回数が増えるにつれ、チームは明るさを取り戻していきました。来るべき決戦に向けて徐々に準備が整えられていったのです。
11月12日(日)三ツ沢球技場、11,000人もの観衆が見つめる中、13:00にキックオフのホイッスルが鳴りました。対戦相手の秦野高校には、3次予選のリーグ戦で1-2と敗れています。選手には「今度は負けられない」という気持ちが強かったのだろうと思います。
桐光学園では、野球部やサッカー部の県大会の準決勝戦や決勝戦は男子も女子も全校をあげて応援することになっていますが、この日も大勢の生徒がスタンドに集いました。
Jリーグの試合などでは、サポーターが応援旗を作って、選手の入場や得点の場面でスタンドを盛り上げる光景を目にします。私はキャプテンの高橋君と「決勝戦ではオリジナルのフラッグを用意して応援に駆けつける」という約束を交わしました。
約束通りに私は、水色と白の布を縫い合わせ、その上に紺のフエルト生地で「TOKO」と切り抜いた文字を貼り付けて作ったサポーターズフラッグを手にして、彼のクラスメイトらと共にバックスタンド最前列に立ち、声援を送りました。
試合は無得点のまま前後半の80分間では決着が付かず、延長戦にもつれこみました。延長の前半にも得点は挙げられず、後半もロスタイムに入りました。スタンドにいる誰もがPK戦になるであろうと思い始めていたその一瞬、縦パスに抜け出したフォワードの選手が見事なループシュートを放ちました。ボールは、相手ゴールキーパーの頭上を抜け、ゴール中央へ吸い込まれていきました。
主審の吹くホイッスルが試合終了を告げ、現在スコットランドリーグのセルティックで活躍する中村俊輔君が高校3年生の時に優勝して以来、実に10年ぶりの全国高校サッカー選手権大会神奈川県予選優勝の瞬間を迎えました。
応援席前に駆けてきた選手たちは、全国切符を手にした喜びを体全体で表現していました。そんな時に、高橋君はわざわざ私のところまで近寄ってきてくれ、旗を受け取るとグランドでそれを翻してくれたのでした。
春先に人知れず悩んでいたのとは別人の、満面の笑顔の高橋キャプテンがそこにいました。これが、私がつい最近経験した「歓喜の瞬間」です。

巻き起こせ青い旋風
第85回全国高校サッカー選手権大会は12月30日に開会式が行われ、全国48代表校が国立競技場での頂点を目指します。
桐光学園の1回戦は、三ツ沢球技場に昨年度ベスト8に進出した強豪大阪朝鮮高級学校を迎え、31日12:10にキックオフします。今年一年を締めくくる日に、桐光イレブンに熱い声援を送ってください。
もちろん私も“約束の旗”を持ってスタンドに駆けつけます。

桐光学園中学・高等学校 HP
1年まえ組 中等部情報
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