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第19回 武蔵野女子学院中学校・高等学校 門間 光昭先生のご紹介
生徒とのやりとりを通じて気付かされたこと
こどもの進路を考えるサイト「1年まえ組」ということで私も、中学に入学した生徒達がどのようにして「男の子」から「少年」そして「青年」へと育ち、自らの進む道を定めていくのかについて少し考えてみたいと思います。数学という教科の担当者という視点も交えながら…
先日の休み時間、授業を終えて高校2年生教室脇の廊下を歩いていると、「いいか、数学や国語(といったそれぞれの教科)を別々のものと見てちゃもったいないんだよ…」「それだとつまらないし、しんどいんだ。」「そうそう、全部繋がっているんだ。」「具体と抽象の行き来を通じて自分の中に取り込むことが大事なんだ。」「だからこそ生きた形で(知識を)使えるんだよ」…という生徒達のコミカルな掛け合いが耳に届いた。「彼らも、こういうやりとりができるようになったんだなぁ」と思いながら何度も頷いてしまった。
授業中、「そういえば、こういうものの見方って、○○にも通じるよね。てことは、□□といったときにも生かせそうだよね」などど段々に脱線し、教科とは直接関係のない話になることがある。
そんなとき、こちらが一番話したいと思う部分になると、キラリとした視線を投げかけてくる生徒が必ずいる。その状態になった生徒があるきっかけを境に、一気に自分の潜在能力を開花させていく様を幾度となく目にしてきた。当初それは、「その子の天性の勘取りの良さ」かと感じたが、どうやらそれだけではないと思うようになった。彼らそして保護者の方々との面談を重ねる中でふと気付かされた…彼は、目先だけで終わらない会話(やりとり)を実は家庭で培って来たんだなと。
親だけが我が子に贈れるもの
生徒達を見ていて、「あっ、彼はこんなものの見方・考え方ができるようになったんだなぁ〜」とか「こういった取り組みの工夫は今までしてなかったのに、いつの間に…」と気付かされることがある。それらが起きるために、必要不可欠と感じるものがある。
それは、
① 今自分のいるこの場(学校・クラス・友人)を好きであり、誇りに思っていること
…「ここが大好き」
② きっかけ…「やってみようかな」
③ 先輩・後輩・友達との縦・横の繋がりの中での継続のためのやりとり
…「ここまできたぞ、今度はこれだ」
の3つ。
だから、新中学1年生にとって一番大切なものは①。
「ああこの学校でのこれからが楽しみだな。」「この学校で、6(3)年間頑張っていこう。」
…そんなおもいを胸に校門をくぐる中学入学式の朝
それこそが、「親だけが我が子に贈れる最高の入学祝」なのだと私は感じます。それに比べれば、それが第何志望の学校だったのかは、目先の話なのかもしれません。
では、本校の様子を、数学科教員の視点から少し報告させていただきたいと思います。

「本数検(本郷数学基礎学力検定試験)」のきっかけ
今から4年前まで、春・夏・冬の休み明けには各学年でそれぞれに「数学の長期休暇課題テスト」を実施していました。「直前にチョコチョコっと勉強して、試験が終われば気分爽快!」…そんな感じで課題テストを捉えている生徒が結構いるのかな、という気がしていました。どうすれば、「単発の試験」でなく、「3年間、6年間といった連続性」を持たせられるのだろうか? という気持が漠然と我々の中にあったと思います。
そこで考えたのが「本数検(本郷数学基礎学力検定試験)」でした。こちらのおもいとして、「6学年共通の学校イベント」「学内での数学学力測定力の向上」「競争相手は他人ではなく昨日までの自分」「保護者の方によるご子息へのダメ出しでなく、頑張りを褒める機会の提供」「スポーツで頑張るのと同じように勉強で頑張ることも格好いい」…にしたいがありました。教科の先生どうしでの相談に加え、他教科の先生のアドバイスも参考にし、級・段位も設定しました。そうしてスタートする段になってみると「本数検通信」の発行や、「朝礼表彰」といったアイデアも加わっていました。
3年前、春休み明けの第1回「本数検」優秀者の朝礼表彰をした時のこと。それまで、卒業式以外では学習に関連した表彰があまり無かった中で、はたして生徒達はこの表彰にどんな反応をするのだろう?という漠とした不安の中、表彰式に見入りました。拍手の中表彰が終わったのを見て、同僚の先生と一緒にほっと胸を撫で下ろし、心の中で講堂に立つ生徒達に感謝したのを思い出します。
いろんな「やりとり」を通じて改めて感じた…学校という場の面白さ
そんな「本数検」もこの春で10回を迎え、学校行事の一つとして定着してきた感があります。先日、数学科の講師の先生との雑談の際、「“先生、本数検で○級とるには何点とればOKでしたっけ?”といったことを、最近は授業の後で生徒が聞きに来るようになりましたね。」という話がありました。生徒の変化をこういった形で知ることは我々にとっても、大きなエネルギーになるんだなと、そのとき改めて感じました。ロングホームルームの時間に、「本数検通信」を素材にして、頑張った生徒何人かにどんな工夫をしたのかを、クラスで話してもらい、それらを通じてクラスメートの見えていなかった一面を互いに認識し、お互いに認め合うクラスづくりに活用しておられる先生もいらっしゃるようです。また、「本数検」について「父母の会会報」で取り上げて頂いたことや、今春の「本郷新聞」のために中学生の新聞部員が取材に来てくれたりといったこともありました。こういったことを通じて、「教科指導も実は教科以外のいろいろな方々の後押しで成り立っているんだな」「その学校の文化って、いろんな人との“やりとり”の中で培われていくものなんだな」ということを改めて実感することができたことは私自身の肥やしにもなりました。
中学や高校の卒業式のとき、彼らに「学校での3年間(6年間)は長かったかい?」と尋ねると、「あっという間でした。」という答がよく返ってきます。きっと、時は過ぎてみればあっという間ということなのだろうと思います。
だからこそ、その中に、以前の自分と、今の自分を比較し、「この前まで○○ができなかったけど、今ではそれができるようになった。今度は□□ができるようになろう!」といった、「自分の進歩を感じ取る機会」を持つことはとても大切だと思います
「日々の丁寧な取り組みの積み重ね」の延長線上に「自分の進歩を感じ取れる機会」が待っている…そんな自然な感覚をより多くの生徒が感じ取れる「本数検」としてより深く根付いていってくれればなと思う今日この頃です。
本郷中学高等学校 HP
1年まえ組 中等部情報
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