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中学受験Q&A      

第4回 成城学園中学校 大貫 加容子先生のご紹介

せんでん[先生伝言板] 東京女学館中学校高等学校 水野 ゆり先生

 今年も2月始めに中学校の入学試験が行われました。緊張した面持ちの受験生にいつも心の中からエールを送っています。「頑張って!全力を出しきってね。」そして、4月にはどんな新一年生が入学してくるのかと楽しみにしているのです。

 中高一貫校にいると、中一と高三の違いが余りにも大きいことにびっくりさせられます。調理実習で高三が手際良く材料を切っているのとは大違いで、中一では皮むきにも二人がかり。この6年間で様々な事を学習・経験し成長していることを実感します。そんな中学・高校という大切な時期を一緒に過ごせることをうれしく思っています。

水野 ゆり先生

 私が東京女学館で初めての年に困ったこと。『ポパイとブルート』『渦潮』『波のりこえて』『うさぎとかめ』???なんだろうこれ…。実は体育大会の種目名なのです。名前を見てもちんぷんかんぷん。しかも、女子校の体育大会ならおとなしいだろうと思っていたら、全くの正反対。全員が必死になって競技に取り組みます。朝練、昼練、作戦会議、その意気込みには頭が下がります。運動音痴の私は、「生徒じゃなくて良かった。」と思わず思ってしまうほど。でも、きっと生徒だったら遅いなりに精一杯走っていたに違いありません。

 体育大会のもう一つの目玉と言えば、高三のダンス『カドリール・プロムナード』。毎年、下級生が憧れのまなざしで見つめています。それまでには、もちろん数多くの練習があるのですが、回を重ねる毎にどんどん上手になってきて、最後には、日の暮れる頃でも「もっと練習したい。完璧を目指したい!」と生徒が言い出すほど。みんなの思いがひとつになってダンスが完成するのだなと感じます。体育大会当日には制服を着て踊るのですが、この時ばかりは、たとえどんなに砂けむりがあがっていようとも、多少雨が降っていようとも、制服の白さがいつも以上に際立って見えます。1人1人が誇りを持って踏みしめる1歩1歩が6年間の重みを伴って存在する。一瞬一瞬が長い時間のように感じられます。昨年度は高三のクラス担任ということもあり、輝いている生徒の姿に思わず涙ぐんでしまいました。

体育大会のダンス

 

 今年度は、個人的には英語を新たに勉強しなおした年でした。というのも、夏休みの海外研修旅行の引率をさせていただいたからです。どうせ行くのならと奮起して、勉強を始めました。当初はアメリカへの海外研修旅行でしたが、国際情勢を考慮し、急遽オーストラリアへの海外研修旅行となりました。運良くオーストラリアでお世話をしてくださる女子校が見つかり、充実した研修旅行を行うことができました。東京女学館の海外研修は単なる語学研修ではなく、異文化理解という側面を重視したプログラムを組んでいます。現地の学校の授業に参加したり、現地で働く女性のスピーチを聞いたり、アボリジニーの方の実演をみせていただいたり、幼稚園訪問をしたり。実際に自分の目で見て、肌で感じ、身をもって体験することで、多くのものを吸収することができるのだと思います。

 オーストラリアではタウンズビルという町に滞在したのですが、とても穏やかで時間の流れ方がゆったりとしていました。そして、家族のつながりが強いことも感じました。週末にレストランで食事をしていたら、周りの客は家族連ればかり。2歳くらいの小さい子から大人まで家族で食事をしていました。日本ではあまり見かけない光景ですよね。小さな子ども連れで外食はなかなかできません。日本の生活を振りかえり、本当の豊かさとは何か、なんてことを改めて考えさせられました。慌しい毎日、日々の仕事に忙殺され、便利さを追い求め、日本人の私達は何かを見失ってしまっているのではないかと。


タウンズビルの町並み

 オーストラリア滞在中に、家庭科の教員としてうれしかったことがひとつあります。ある日、1人の生徒が私に尋ねてきました。
「お米の炊き方教えてください。」
「調理実習で炊いたよね。水の分量は、米の重量の1.5倍、炊くのは沸騰するまで強火、その後中火5分、弱火15分、蒸らし10分。」
「そうでした。重量の1.5倍で、5分・15分・10分ですね。頑張ってみます。」

 突然、ホストファミリーにお米を料理してほしいと言われ、戸惑ったようなのです。こんなところでも、調理実習で学んだことが役立ってくれるなぁと心の中でうれしく思ったわけです。

 私が英語を勉強し直した中でも、昔学んだことが今になって活きてきた事があります。「あっ、この単語見たことある。」と受験勉強で覚えた英単語が役に立っていたり。中学生のころ父に薦められてラジオ講座をきちんと聞いていたのがヒアリングに何気なく役立っていたり。自分の奥底に眠っていた引き出しを再び開いたような気分でした。

 何日にも渡るオーストラリア滞在の中で、生徒達も知らず知らずのうちにたくさんの引き出しを蓄えたのだろうと思います。自分から一生懸命話しかけて通じた時の喜び、自分の意思をはっきりと伝える必要性、自分のアイデンティティの確立、国境を超えて築いた友情、ホストファミリーと過ごした家庭生活、オーストラリアの美しい自然。普段の日本での生活とは何もかもが違う環境の中で、多くの発見をしていました。帰ってくる時に聞いた「この研修旅行に参加できて本当に良かった。この経験は一生の宝物!」という生徒の言葉が印象強く残っています。

 この頃、「人生に無駄なことなんてない。」とよく思います。知らず知らずのうちに経験したこと、学習したことでも、後で、思いがけない所で役立ったり、応用できたりするんですよね。どんな生き方が最も効率が良いかなんて考え抜いて、無駄なことを省いていったら、逆に何を目指していたのかわからなくなってしまうような気がします。他の人から見れば一見無駄に見えることが、実はとても大事なゆとりだったりすることもあります。きっと、色々な経験の中からこそ自分の可能性を見つけて広げていくことができるのではないでしょうか。そのためには、心をオープンにし、思ったり考えたり感じたりすること。それを大切にしてほしいですし、自分自身も大切にしたいと思っています。

 

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