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中学受験Q&A      

第51回 文化女子大学附属杉並中学校・高等学校 小島浩司先生のご紹介

せんでん[先生伝言板] 昭和女子大学附属昭和中学・高等学校 小西 泰先生
小島浩司先生

文化女子大学附属杉並中学・高等学校の小島先生からご紹介いただきました、昭和女子大学附属昭和中学・高等学校の小西泰です。小島先生とは女子大学の附属校としてお互いの情報を交換したり、「21世紀の女子教育を考える会」でご一緒させていただき、沈着冷静な先生から多くのことを勉強させていただいております。

ここで簡単な自己紹介をさせていただきます。学生時代は半導体の研究をしながら陸上競技とサイクリングに明け暮れていました。昭和学園の採用面接の際に驚いたことが2つあります。1つは面接時間が午前8時という早朝であることです。「午前8時」この時間の意味するところは何かといいますと、本校の始業時間なのです。満員電車に揺られてクタクタになって登校するよりも、ラッシュ時間を避けて少し早目に登校したほうが生徒のために良いと考えがあっての登校時間だったのです。この学校で勤務するからには午前8時に慣れてもらいたい、登校する生徒を見てもらいたいということで設定された時間だったのでしょう。本校に勤務以来、毎朝7時10分頃には学校に到着し、私の毎日が始まっております。人見校長先生との面接で、開口一番に「数学の専門家は要らない」と言われてさらにびっくりしたことを昨日のことのように覚えています。「数学的な物の考え方を養い、数学を道具のように使いこなせる生徒を育てたい」そのためには数学出身者よりも理科出身の数学教員の方が望ましいとお考えであったように思いますが、現在19名の数学科の教員の内14名は数学の出身者であり、私のように電子工学や情報工学からの教員は少数派になってしまいました。

 

創立100周年に向けて

本校は第1次世界大戦直後に人見圓吉・緑夫妻によって創立されました。「世界を幸福にする任務は女性の手に託されている。愛と理解と調和に満ちた包容力豊かな女性を育てたい。」という思いを語り合った「日本婦人協会」が発展し、ロシアの文豪トルストイの愛の学校に刺激された「私塾」日本女子高等学院が1920年に誕生しました。『世の光となろう』という理想を学園目標に掲げ、「清き気品」「篤き至誠」「高き識見」を校訓三則と仰ぎ、「体育・徳育・知育」のバランスの取れた全人教育を目指しております。毎年5月1日には創立記念式典を全学合同で行います。この日は本校の歴史と建学の理念を再確認する日として、中高生は「スクールカラーデー」の行事を楽しみます。生徒も教員もスクールカラーのブルーを身につけ、上級生はスクールカラーを取り入れた私服で登校し、この日一日を自分の計画に従って自由に生活することが出来ます。11年後の創立100周年に向けて、学生・生徒・児童・園児・教職員が一丸となって長期計画を立て、準備を進めています。

左:創立者「人見記念講堂」と「トルストイ像」 右:スクールカラーデー

 

収穫多き研修学寮

上:東明学林 下:望秀海浜学寮

豊かな自然に恵まれた田園学寮は神奈川県足柄上郡にある「東明学林」山の学寮、と、千葉県館山市にある「望秀海浜学寮」海の学寮、で行われます。それぞれの施設は1学年全員が宿泊でき、毎年、どちらかの施設で、学年毎に5泊6日の共同生活を送ります。午前中は学寮ならではの3時間の授業、午後は体験授業として「労作・奉仕」「自然観察」「周辺地域の散策」など、夜は「討論会」や「レクリエーション」が行われます。1年生は5月の連休直後に東明学林へ行き、「茶摘みとサツマイモの苗植え」の体験をします。また、授業でも野外に繰り出して、若い竹に耳を当てて竹が水をグイグイと吸い上げている音を感じたり、草花の観察やオリエンテーリング方式で数学を楽しんだりします。2年生になると海の学寮「望秀海浜学寮」へ行きます。ここでは、目の前の海岸で地引網を行い、魚の観察やさばき方、命の大切さを学んだり、鴨川シーワールドの見学を行います。また、4年生(高校1年生)では、「夏季寮」(臨海学校)を行います。夏季寮は泳ぐことだけが目的ではありません。「夏の星座や海ほたるの観察」、「スイカ割り」や「盆踊り」などの「レクリエーション」、「キャンプファイア」など盛りだくさんの行事を行いますが、やはりメインは日程の後半で行われる「2kmの遠泳」です。遠泳の参加は本人の希望とご家族の承諾が必要ですが、毎年多くの生徒が挑戦し、遠泳参加者の95%前後が泳ぎきることができ、その感動は生涯忘れ得ない宝物となっているようです。


左:茶摘み 中:サツマイモの畝つくり 右:竹林の観察

こうした学寮研修には1クラスに2名のクラス主任と副主任の先生が父親・母親代わりになり、夏季寮では学年以外の先生方を含めて50名に及ぶ教員と生徒会のリーダー12名が指導に当たって、生徒と寝食を共にしますので、お互いのコミュニケーションが深まりよりよい人間関係を築く上で大きな役割を果たしています。教室では体験できない様々な行事を通して生徒はお互いをよりよく知る機会となり、お互いを理解しあい、強い信頼関係を育み、協力することや規律を守ることの大切さを「教わる」のではなく、「自ら体得する」ことができます。

左:地引網 中:魚をさばく 右:沖の灯台目指して

 

姉と妹の絆を深める朋友班活動

朋友班とは1年生から6年生(高校3年生)までの各クラスから1名ないし2名が集まって出来た縦割りのグループのことです。クラブ活動は同じ目的の人が集まった縦割りのグループで、先輩・後輩と言う人間関係がありますが、この「朋友班」は機械的に組まれた縦割りのグループです。6時間目が終了すると集まって、前半は、理科室や音楽室などの特別教室やトイレ・外・附属の幼稚園の清掃活動を行います。時間を有効に使い、時間が余れば、上級生の指導の下で親睦の時間が設けられます。ゲームをしたり、誕生日の子がいたら歌で祝ったり、下級生が学寮や遠足へ行く時は、上級生が持って行くと良いものや、見てくると良いものを教えたり、修学旅行から帰ってくると旅のお土産を味わったり、行事の意義を教えてもらったり、試験の間際には、上級生から去年の試験問題を渡されたり、この朋友班活動では姉と妹のような温かな人間関係が生まれています。生徒は「自分が下級生の時にしていただいたことを、今度はしてあげたい」と言う思いで生活しています。グループは毎年変わりますので、学校中が姉と妹のような仲の良い上下関係が生まれています。さらに、新入生を歓迎して行う遠足も朋友班毎に行われます。上級生と多摩川の川辺を歩きながら語らい、一緒に昼食をとり、ゲーム等で交流を深めます。班毎のシンボルマークとして上級生が作った巾着や三角巾などが手渡されます。この「歓迎遠足」を境に新入生は目に見えて学校生活になじんでいきます。

左:朋友班活動 右:新入生歓迎遠足

 

国際的な視野で考えて行動する海外研修

イングリッシュ・ルーム

平成17年から3年間文部科学省からスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)の指定を受け、英語教育の先進的なカリキュラムを導入しています。英語に興味・関心をもち、基礎英語力を確実に身につけ、英語でのコミュニケーションを積極的にとれる国際的人材を育てることを重要課題としています。そのために外国人教師8名と日本人教師20名が協力して様々なテーマに取り組む「English Project」をはじめとして毎週金曜日を「English Day」として英語で挨拶を交わし全校で英語を積極的に使う日と決めています。また、授業以外にも英語に親しめる「English Room」を開設し休み時間や放課後に外国人教師と会話をしたり、ゲームやビデオなどを通して生きた英語を学ぶことができます。中学3年間通して実施している英語教育プログラムが「ザ・ボストン・ミッション」です。1・2年時にアメリカのことや各自が選んだテーマについて調査・研究を行い、2年生の終わりに約2週間のボストン研修に参加します。現地の中学生との交流や、美術館や博物館、史跡や大リーグ野球場などの見学、アメリカ人の家族との交流など豊富なアクティビティに取り組み、研究テーマの実地調査を行い、アメリカを肌で感じ、視野を広げることがてきます。そして3年生になるとこれまで学んできたことを検証してクラスメイトの前でプレゼンテーションを行う長期のプログラムです。2週間で急に英語が上達するわけではありませんが、現地校との交換会の帰りのバスの中では、「もっと英語を勉強しておけばよかった」と、友達と話しているのを聞き、このような気持ちになってくれただけでも大成功であったと思っています。英語学習のモチベーション、動機付けは十分に出来たと思います。この研修以外に夏休みに3週間ボストンに行き、現地の中高生と寝食をともにしながらの研修するプログラムや、春休みに3週間イギリスに行き、ホームスティしながらイギリスの教師による授業を受けることができるプログラムもあります。こうした数々の取り組みは「English Festival」で発表されます。

左:ハーバード大学 右:イングリッシュ・フェスティバル

 

最後に

生徒が勉強をするのは当たり前のことですが、カリカリと勉強し、目先の進学だけにとらわれることなく、よき友人に囲まれて、豊かな学園生活で心揺さぶられる経験は、「よりよき社会人として、卒業後の長い人生を生き抜く力をつける」「人のお世話をすることができる」「あなたがいることで周りが明るく、温かくなる」と考えています。それが昭和学園の目標である『世の光となろう』につながります。 大学の附属ならではの恵まれた施設、環境で、生徒は未来に向かって今日も伸び伸びと活動しています。

 

昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校 HP
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No.52 5/15更新

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