~古代の暮らしを体験~「古墳まつり」

■学芸員による古墳の解説の様子


10月15日、世田谷区にある国内最大級の大きさを誇る帆立貝式前方後円墳の「野毛大塚古墳」で「古墳まつり」が開催されました。

このイベントは、古代食の試食やミニ土器づくり、古代をテーマにした紙工作、出土した遺物の展示、学芸員による古墳の解説など多数の企画を通して、「野毛大塚古墳」をPRし保存していくことの大切さを多くの人に理解してもらおうと世田谷区教育委員会が平成20年度から開催しているもの。

「野毛大塚古墳」は、今から約1600年前に南武蔵周辺を治めていた大首長の墓で、墳丘の全長82m、高さ約11mの帆立貝式の前方後円墳で、近年、古墳を楽しむ若者たちが話題になるなど、注目を集めることが多くなっています。

イベント当日は、雨が降るあいにくの空模様となりましたが、会場には子どもから大人までの多くの来場者が訪れ、古墳時代の暮らしに親しむ1日となりました。

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■学芸員による解説の様子
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■ミニ土器づくりの様子
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■古代をテーマにした紙工作も

古墳愛好団体「古墳にコーフン協会」会長のまりこふん氏によるトークショーでは、「古墳は日本全国に約16万基あり、コンビニの約3倍存在する。古墳に興味をもって調べてみると、つくられた当時の人々の色々な想いが伝わってくる。ここ野毛大塚古墳は都心の中でも規模が大きく、形も綺麗で分かり易い。造り出しも美しくお薦めの古墳である。」など、古墳への熱い思いや古墳にまつわる知識を語り、来場者は古墳の魅力に耳を傾けていました。

また、芋やそば粉などを使った古代食の試食コーナーも設けられました。試食を食べるために列ができるほどの人気ぶりで、でき上がったスープを試食した来場者は「素朴な味で美味しく感じる。古代の味覚も現代と近いものだったのでは。」と感想を話していました。

このほか、ミニ土器づくりやストラップづくりに加え、古代をテーマにした紙工作コーナーも人気で、参加者は思い思いに古代の風景を想像して楽しんでいました。

野毛大塚古墳から出土した滑石製品のレプリカなどの展示のほか、学芸員による古墳解説には約20名が参加し、実際に墳丘に登って解説を聞いたり、「どのような人物が埋葬された古墳なのか。」「出土した副葬品の特徴は何か。」など、古墳がつくられた経緯や構造などについて熱心に質問をしたりして、古墳時代の人々の生活や考え方に思いを馳せていました。

この『古墳まつり』の会場の様子を、下記の番組でご紹介します。

地モトTVおかえり!TOKYO
10月31日(火)放送予定
午前7:00~、午後7:00~、午後10:00~

是非ご覧ください!