厄除け大蛇がまちを練り歩く『大蛇のお練り』

■掛け声をかけあい大蛇を担ぎ歩く様子


世田谷区奥沢5丁目にある奥澤神社の鳥居には、わらで作られた全長10mほどもある蛇が絡まっていて「厄除の大蛇」として地域に親しまれ、またこの大蛇を担ぎ練り歩く、伝統行事「大蛇のお練り」が毎年開催されていています。

この大蛇は、「ジャ」と呼ばれ、わらをきつく編み込んで作られていて、長さ約10m、重さが100kgを超える大きさ。人の手で毎年作られているものなので、表情も毎年異なります。

9月3日には「大蛇のお練り」で担ぐ大蛇づくりが行われました。

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■わらを束ねて制作されます
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■「大蛇」の表情の様子

大蛇の制作は、わらを束ねるところから始まり、目・鼻、ひげ、頭、胴体など、部分ごとに分担して行われます。

年配の人から若手まで、例年参加している人の手馴れた手つきで作業が進み、午前中から始まった作業も午後3時には完成しました。ことしは「良い表情、素直な顔つきをしている。」との声が上がっていました。

9月9日には「大蛇のお練り」が開催され、社殿から出された大蛇が、神社境内を一周した後、付近の住宅街や商店街など約4kmの道のりを、ときおり道幅いっぱいに蛇行しながら2時間30分ほどかけて練り歩きました。

この日は、暑い日差しが強く降り注ぎ、担ぎ手の氏子たちは途中で交代しながら「わっしょい!わっしょい!」と威勢よく掛け声をかけあい、汗だくになりながら大蛇を担ぎ歩いていました。

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■約4kmの道のりを練り歩きました
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■子どもや親子連れも沿道に集まりました

休憩所で大蛇を降ろした際には、子どもや親子連れが集まり「大蛇さんに今年も無事過ごせるよう祈ろうね。」「大きいお顔!おひげ可愛い!」と思い思いに願掛けをしたり感想を述べたりと、迫力と愛嬌を兼ね備えた藁の大蛇に親しみをこめてふれあっていました。

また沿道には、この伝統行事を一目見ようと地元の親子連れやお年寄り、アマチュアカメラマンなど大勢の人が詰め掛け、今年の大蛇を作った際の残りのわらを、厄除けにしようと持ち帰ってました。

前年に作られた神社の拝殿に一年間安置されていた大蛇が新しく鳥居に掛け替えられ、出来上がったばかりの今年の大蛇は、「大蛇のお練」後、拝殿に安置されています。

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【大蛇の言い伝え】
江戸時代の中頃に奥沢の地で疫病が流行し、多くの村人が病に倒れた時、村の名主の夢枕に八幡大神(はちまんのおおかみ)が現れ、「わらで作った大蛇を村人が担ぎ、村内を巡行させるとよい」とのお告げがあり、早速わらで大蛇を作って村内を巡行させたところ、たちまち疫病がおさまったという。この言い伝えによって、厄除け・開運を祈念し、毎年秋の取入れが済むと新しいわらで大蛇を作って村中を練り歩き、鳥居には厄除けの大蛇が絡まることになったと伝えられています。

この『大蛇のお練り』の会場の様子を、下記の番組でご紹介します。

地モトTVおかえり!TOKYO
9月20日(水)放送予定
午前7:00~、午後7:00~、午後10:00~

是非ご覧ください!