~つなげよう 平和への思い~平和記念事業

■平和の石のつどい 献花の様子(奥から副区長、萠友会会長、目黒区職員労働組合代表者)


目黒区では、昭和60年5月3日の平和都市宣言後、毎年、平和の大切さを考えるさまざまな平和記念事業が行われています。

ことしは、8月6日に目黒区平和記念事業 ~つなげよう 平和への思い~と題し、「平和の石のつどい」、「平和祈念のつどい」、「平和の鐘の打鐘」がそれぞれの会場で行われました。

 

◆平和の石のつどい
目黒区総合庁舎前の中目黒しぜんとなかよし公園内にある「平和の石」を囲み、「平和の石のつどい」が開催されました。

この催しは、昭和60年に平和都市宣言をした目黒区が行っている平和記念事業の一環として、原爆死没者の冥福を祈り、核兵器の廃絶と平和への気持ちを新たにしようとの趣旨で毎年開催されています。

午前8時15分、萠友会(ほうゆうかい)(目黒区被爆者団体)の会員や区民、区職員ら約70人が参加して、広島に原爆が投下された時刻に合わせて1分間の黙とうが行われました。続いて、献花や下目黒福祉工房、区内児童館の利用者と目黒区職員労働組合女性部が折った千羽鶴が献納されました。

内野睦子萠友会(ほうゆうかい)会長はあいさつで、「原爆でたくさんの友達や家族を亡くしました。72年間たってもいつもそのことが残っております。大変不幸なことだと思いますから、これからは皆さんがそういう不幸な思いを持って生きないよう、日本も世界も平和であることを祈っております」と話していました。

「平和の石」は、国際平和年の昭和61年、広島市と目黒区の職員の交流がきっかけとなり、当時の荒木武広島市長から、被爆した旧広島市庁舎の階段の一部が核兵器の廃絶と世界恒久平和実現のシンボルとして寄贈されたもので、区ではこれを「平和の石」と命名。現在、総合庁舎前にある中目黒しぜんとなかよし公園内に設置されています。

 

◆平和祈念のつどい
午前9時30分、開会宣言の後、昨年度広島に「平和の特派員」として派遣された目黒区立第十一中学校3年生の藤江真央さんが目黒区平和都市宣言文を朗読すると、会場となった目黒区民センターに集まった区民、関係者ら約400人から大きな拍手が送られました。

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■藤江真央さんによる目黒区平和都市宣言文の朗読の様子

献花、青木英二目黒区長と佐藤昇目黒区議会議長のあいさつ、区が募集した小・中学生の平和祈念標語優秀賞の標語朗読と表彰、昨年度広島市に派遣された平和の特派員からは体験報告が行われました。

平和祈念標語には、区内の小・中学校などから合計4,341点もの応募があり、各学校から各1点、計32点の標語が優秀賞に選ばれました。
受賞した32人の内17人が作品とその作品にこめた思いを発表しました。

「ケンカなく 地球みたいに 丸くなれ」という標語を発表した目黒区立田道小学校の飯島佑介さんは、「みんなが地球みたいに丸くなれば、ケンカやいじめがなくなり平和になると思った」と作品への思いを紹介していました。

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■標語を発表した飯島佑介さん
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■平和の特派員の体験報告をした友川蒼太さん
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■原町小学校の合唱団の合唱の様子

平和の特派員の体験報告では、昨年度参加者24人の内13人が代表で出席し、一人ずつ平和について学んだこと、自分の考えや希望を発表しました。
広島の平和記念式典に参列して平和の尊さを感じたこと、被爆者の想像を絶する体験談を聞いたときの衝撃やそこから学んだこと、戦争の悲惨さを風化させず自分達が未来へと伝えていく決意、平和に暮らせていることへの感謝などを述べていました。

友川蒼太さんは「戦争がないから平和ではなく、戦争がないことが続くことではじめて平和といえるのでないでしょうか」と発表しました。

第二部では、目黒区児童合唱クラブ及び目黒区立原町小学校の合唱団の児童が「平和祈念のつどい」にふさわしい曲の合唱が行われました。
平和を願う子どもたちの澄んだ歌声に、大きな拍手が送られました。

 

◆平和の鐘の打鐘
区民センター公園では、正午から、目黒区名誉区民・人間国宝故香取正彦氏寄贈による平和の鐘(広島市・バンクーバー市との姉妹鐘)の打鐘が行われました。

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■打鐘のため並ぶ人たちの様子

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■打鐘の様子

子どもと大人約70人が参加し、区民センター児童館・学童保育クラブの子どもたちが作った千羽鶴がささげられた後、一人一人打鐘。平和への祈りをこめた鐘の音が高く鳴り響いていました。

 

その他の平和記念事業として、各児童館では8月中に平和祈念行事が行われ、目黒区内4箇所による地区巡回写真展や平和のための写真・資料展などが行われています。