荒縄でグルグル巻きの奇祭!約700年の歴史『水止舞(みずどめのまい)』

■地元の若者2名が太い荒縄でグルグルに巻かれ「龍神」に


7月14日、大田区にある厳正寺で、約700年の歴史を誇る伝統行事『水止舞(みずどめのまい)』が奉納されました。

この舞は、昭和38年に東京都の無形民俗文化財に指定されていて、全国的にも珍しい雨乞いとは反対に雨を止ませるための祈りの行事。毎年梅雨どきの7月14日に行われています。

太い荒縄でグルグルに巻かれた巻き物の中に地元の若者2名がそれぞれ入り、水の神である「龍神」に扮する龍神の行列「道行(みちゆき)」は、午後1時に大森東中学校校門前からスタートしました。

龍神は懸命にほら貝を吹きながら、地元の若者数人に「担がれ、地面に降ろされ、再び担がれて移動する」を繰り返し、150メートルの距離を30分程かけて移動し、お寺に設けられた舞台に向かいます。

お寺に着くと、境内に設けられた舞台に2人の龍神は押し上げられ、舞台に上げられ体を解かれることを嫌がる龍神は必死に抵抗します。無理やり舞台に上げられた龍神は、グルグルに巻かれていた荒縄をほどかれ、その荒縄は舞台の周りを囲うように置かれ、その後、3匹の獅子によって「水止舞」が演じられます。

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■龍神は懸命にほら貝を吹きます
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■「水止舞」が演じられる様子

龍神の道行が「雨乞い」、3匹の獅子の舞が「雨止め」の祈祷に由来する仏様への感謝の舞とされ、これらを合わせて一つの行事「水止舞」とされています。

今年もこの珍しい行事を一目見ようと、地元の学校の生徒などが多く訪れ、威勢よく龍神に水をかける様子や、境内での3匹の獅子による水止舞を楽しんでいました。

※水止舞の起こりは、元亨(げんこう)元年(1321)の夏だといわれています。
武蔵の国一円に日照りが続き大干ばつとなったとき、厳正寺の住職、法密(ほうみつ)上人は、ワラで龍像をつくって海に浮かべ、雨乞いをして雨を降らせていたそうです。その2年後、今度は大雨が続いて人々が苦しんだので、法蜜上人は再び天に祈って雨をやませました。この際に、獅子の仮面を3つ作って農民にかぶらせて舞わせ、龍神を祭り、雨をやませることを祈ったことに由来するといわれています。

この『水止舞』の会場の様子を、下記の番組でご紹介します。

地モトTVおかえり!TOKYO
7月26日(水)放送予定
午前7:00~、午後7:00~、午後10:00~

是非ご覧ください!