オススメの1冊を語ろう!「10代のビブリオバトル」

■小・中学生の部 チャンプ本に選ばれた神部さんの発表の様子


ビブリオバトルとは、「知的書評合戦」とも呼ばれ、発表者がおすすめの本を持ち寄り、制限時間内に聞き手にその本の魅力をPRし、全ての発表終了後、1人1票の投票により、参加者全員で一番読みたくなった本「チャンプ本」を決めるゲームのこと。

3月18日、世田谷区教育センターで、10代のバトラー(発表者)が、各々おすすめの本を紹介し合い、会場内の参加者(発表者・観覧者)全員の投票により「一番読みたくなった本」を決める知的書評合戦「10代のビブリオバトル」が開催されました。

主催となる、世田谷区立中央図書館では、ただ単に本の紹介をするのではなく、ゲーム要素を加え、同世代の参加者同士の交流を通して、子どもたちに本への親しみを持ってもらい、区立図書館をより利用してもらおうと、10代の発表者によるビブリオバトルを昨年から開催しています。

この日は、予選を通過した7名のバトラーが、小・中学生の部、高校生の部に分かれ、おすすめの1冊を発表。
作品の魅力を推し出す印象的な書評のほか、通学時間などの細切れの時間にも読める、興味のある部分だけを読んでも楽しめる等、おすすめの1冊の楽しみ方まで踏み込んだ紹介も披露されました。

小・中学生の部参加者1
小・中学生の部参加者2

参加者はバトラーの熱のこもった発表に聴き入っている様子で、各発表後は2分間の質疑応答が設けられると、参加者全員でのディスカッションを行い、発表者は内容を補足したり、話題を広げたりして、更なる聞き手の関心を引き出していました。

観覧していた高校生からは「バトラーが感じた作品の魅力を、緊張する人前の舞台で、多くの人に伝えようとしてくれたこと自体が素晴らしい。どの本に投票しようかとても迷った。」と話し、バトラーの発表する姿に感銘を受けた様子でした。

投票の結果、見事チャンプ本に選ばれた神部さんと井ヶ田さんは「来年は高校生になるので、今日発表した先輩達にも下剋上していきたい!」、「自分のすすめたい本の魅力を伝えられる場を頂いたことに感謝したい。」とそれぞれビブリオバトルに対する思いを語っていました。

チャンプ本
■小・中学生の部 「考証要集-秘伝!NHK時代考証資料- 」大森洋平著(文藝春秋)
■高校生の部    「縞模様のパジャマの少年」ジョン・ボイン作 千葉茂樹訳(岩波書店)